国立近代美術館の「⽣誕120年 棟⽅志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」展も
会期終盤となり、やっと行ってきた。
講演会を先に聞いたらちょっと油断してしまい、慌てて行ってきた次第。
ちなみに出口を出たところのビデオや展示会場内ビデオは理解を深めるためにお勧め。
個人的には、また楠木正成と遭遇し、苦笑。
「極楽征夷大将軍」-「永青文庫」(の「太平記」展示)に続き、ここ1か月以内で
立て続けに亡霊のように現れた。
棟方が「楠木正成」なる書の装丁を担ったらしい。
さらに余りのタイミングに笑ったのがこちら。
棟方が手掛けた包装紙の展示があったのだが、
帰宅したら、キッチンカウンターにこんなものがチョコンと載っていた。
棟方が手掛けた包装紙にくるまれた十万石饅頭。
北関東の方に行っていた夫が持ち帰ったもの。
展示にはこの包装紙は含まれていなかったけれど、上の写真右の勝烈庵は、
以前鎌倉店に行ったことがある。
味噌カツを食べつつ、店内に棟方志功の絵を眺めていたのを思い出す。
写真はないかなと探したけれど、見つからなかった。
おそらく今から10年以上前のこと。
そのころって、食事処であまり写真を撮ることはしなかったかもなぁ。
また、以前触れたホテルオークラの壁画に使われた鳥の群れのシリーズもあった。
下2枚はオークラの壁画。
これは以前、青森県庁知事室にかかっていたらしい。↓
青森県は出身地だ。
それが証拠に、こんな書き込みがある。
知事室板壁の文字。
青森県新庁舎正面入口の壁画に採用された《花矢の柵》も今回展示されている。
その新庁舎というのがこれ。谷口吉郎氏作。
弘前市庁舎本館は前川國男だったっけね。
2つ目の写真は新庁舎落成式で語る棟方氏。
これは以前見たことがある:「二菩薩釈迦十大弟子」。
でも、この展示の左に置かれていたものは初見。
弟子のひとり須菩提の版木だ。
これだけみるとピンとこないけど、
並べてみるとなるほど。
版木だけ見ると、摺られたあとの「味」は想像できない。
いい感じに枯れている。
これがあんなふうになるものか・・。本人には、摺られたあとの状態が
版木の時点でわかるのだろうな。
初期作の油絵。
なかなか目が出なかったところ、版画のほうが合う、と勧められて転向した
とビデオで解説していた。
転向直後の作品。
これを見て誰の作品か当てよ、、そんなクイズで正解はまず出ないだろう。
これがあっという間に木の魂をぶつけたような作品に変身する。
版画転向を進めた人も、その後の躍進ぶりまでは想像できなかったに違いない。