先の金沢旅行はある意味建築ツアーでもあった、と書きましたが、

なかでもちょっと穴場なハイライトがこちらです。

 

 

金沢市玉川図書館。

実はここはきわめてレアな場所。

 

金沢出身の名建築家谷口吉郎が設計し、その息子吉生が監修し仕上げた

親子共作の図書館です。

 

親子の共同作品は、これが唯一無二なのだそう。

 

 

金沢の美しい美術館といえば、金沢海みらい図書館が有名です。

なんでもBBCが選んだ公立図書館ベスト4?に入ったとかネットには書かれています。

 

そのソースの真偽は未確認ですが、ざっと見たところ、BBCに

スーパー図書館特集記事にこの海みらいUmimirai図書館のことが出ています。

=>http://www.bbc.co.uk/arts/0/23976745

 

 

ただ、この図書館、市内からやや離れていて、時間がもったいないな、

ということでパス。

 

 

それに海みらい図書館は有名であちこちで画像を目にしていましたので、

逆に情報の少ないこの玉川図書館のほうが新鮮な驚きがありました。

 

 

 

 

雨模様になった2日目の夕方。

しっとりと濡れた緑が目に沁みます。

中庭は自然に富む有機的な造作ですが、

 

 

 

 

表に回ると対比を成すかのように

シャープでメタリック。

 

 

 

雨に濡れた壁面に雨粒の模様がついていますが、

この様子を見ると明らかに鉄製。

錆は?と気になりますが実際錆びています。

 

 

正面玄関はこちらのようです。

ステンレスの曲面が圧巻の存在感。

 

 

 

 

 

さらにこの図書館、自然あふれる有機的な中庭、鋼の無機質な正面に加え、

レンガ造りの大正風の側面も有していました。

 

へえ、これはどういうこと?

と思い壁面パネルで確認すると、下の写真右側は、

大正2年に建てられたたばこ工場だったそう。

今は図書館別館という位置づけです。

 

解説には、「イギリス積みのレンガ」とありました。

 

 

その金沢氏指定保存建造物部分と新しい図書館を合体するために、

接合部分がレンガになっているのです。

 

 

 

 

中庭に戻ると景色は再びがらりと変わり、

ガラスの曲面が柔らかな表情を見せています。

 

 

中も入りましたが、書架まわりを歩きながら目に入る

このガラスの壁面が心地よく、ずっといたくなるような

素晴らしい図書館でした。

 

 

図書館の外観も、一周するににつれ、レンガ・メタリック・緑と

ころころ表情を変える面白さ。

 

金沢の人たちは恵まれているなぁと羨望のまなざしを向けつつ、

わが近所のお寒い図書館を思わず浮かべてしまいました。

 

 

 

 

 

 

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