昨日「巨匠たちのクレパス画展(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)」関連記事の
冒頭で舟越桂さんのドローイング「習作」を掲載しましたが、
舟越桂さんをご存知でしょうか?
父舟越保武さんも彫刻家として有名ですが、
桂さんの彫刻作品のほうは、須賀敦子さんの著書の装丁に登場し
文学好きの間にも浸透しているかと思います。↓
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須賀さんは舟越さんの作品のファンだったようで、
以前出版された芸術新潮の須賀敦子さん没後10年記念号には、
3ページにわたり生前須賀さんがつづった舟越さんに関する文章が掲載されました。
以下一部だけ引用します。
「わたしは、シャルトル大聖堂の外壁にならぶ、
ほっそりとした、それでいて、いろいろと取りなしてくれる聖人たちの彫刻に、
彼の作品をつなげてみる。」
須賀さんは、舟越さんの作品に、どこか神聖なものを感じていらっしゃるようですね。
私は一度、舟越桂さんによる公開制作を見に行ったことがあります。
松涛美術館で開催された
「三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館」展のイベントでした。
三沢さんvs桂さんvs画家・杉戸洋が、同じテーマで短い制限時間のうちに
3作品制作する、という企画。
最後は実際のモデルさんをつかった制作でした。
面白いことに、モデルはひとりなのに、
三者三様の頭部ができていきます。
舟越さんはスタート直後にばっさり粘土をそぎ落とし
細面の人物の輪郭が浮き上がります。
細部を彫る前に、”下ごしらえ”の段階ですでに
舟越作品独特の線の細い人物像が立ち現れています。
それに対し三沢さんの方はそぎ落とす作業は最低限で
ボリュームたっぷりな頭部。
それぞれの特徴的作風は、開始直後に形成されている、
そんな発見が楽しかったです。
・・・ということで、今回損保ジャパン日本興亜美術館の「巨匠たちのクレパス画展」では
舟越さんの、(おそらく彫刻作品のための?)習作を見ることができます。
関連:
感想 巨匠たちのクレパス画展 /東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
巨匠たちのクレパス画展のこんな企画: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
http://www.sjnk-museum.org/program
展覧会名:巨匠たちのクレパス画展
場所:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
会期:2018年7月14日(土)~9月9日(日)
開館時間:午前10時から午後6時まで(入館は閉館30分前まで)
※展覧会により開館時間を延長する場合がありますので、展覧会案内をご覧ください。
※開館時間等を変更する場合、トップページでお知らせします。
観覧料:展覧会により異なりますので展覧会案内をご覧ください。
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は開館)