古き良き時代ならでは、のお話だ。
1916年、日頃の引き立てに感謝し、また77歳の喜寿のお祝いを兼ねて清水建設(当時は清水組)は、経済界のドン、渋沢栄一氏にある贈り物をした。
談話室として使える小さな館を丸ごと無料でお建てしましょう、という目録だ。
その目録には、建物と、その中に置くべき調度品一切をも含んでいた。
その目録をありがたく頂戴した渋沢氏。
かくしてこんな素敵な談話室ができあがった。
その名も「晩香廬」。
設計は田辺淳吉氏で、中は渋いステンドグラスや立派な家具で満たされている。
(内部は写真撮影は禁止)。
それにしても経済界を牛耳る人に対して建物丸ごとプレゼントだなんて、
癒着が取りざたされそう。
これまでの功績に対する国民全体からの贈り物、そんな意識だったのだろうか?
さらに80歳の傘寿のお祝いに、清水組は文庫室(青淵文庫)を贈呈。
清水組がそれまで渋沢栄一氏に重用されたことを物語る逸話だ。
この晩香廬、桜の名所飛鳥山内の隠れたプチ名所だ。
渋沢記念館見学のチケット(300円)で、こちらの庭と内部を鑑賞できる。
最寄り駅は王寺駅だけど、メトロの西ヶ原からもアクセス可能で、
古河庭園からも歩いて行ける距離。
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