夏の音楽 | 湯浅玲子 An die Musik~音楽に寄せて

湯浅玲子 An die Musik~音楽に寄せて

音楽学・音楽評論に関する執筆活動と、
杉並区阿佐ヶ谷の楽典とソルフェージュ、楽曲分析のための音楽教室「アルス・ノーヴァ」をご紹介しています。

こんにちは。

 

旧盆の中日です。

このあたりは、7月がお盆なので、

田舎の旧盆のような賑やかさはありません。

田舎のお盆は、

年末年始の夏バージョンに近いものがありますね。

今年は、静かな夏を迎えたご家庭が多いことでしょう。

 

オーケストラの予定がなくなって、

今年度は室内楽重視に切り替えた、という生徒さんと、

今、分析している曲があります。

 

バーバーのSummer Music(夏の音楽)

室内楽仲間と、季節的にちょうどいいね、と選ばれたそうです。

 

バーバーはアメリカの作曲家で、

時代的には「現代」に分類されるのですが、

現代だからといって、難解な音楽とは限りません。

楽譜を見ると、最初は難しそうにみえるのですが、

実は、古典的な手法に基づいています。

それに、この作品はとても描写的です。

鳥のさえずりが聞こえてきます。

 

前回の分析1回目のレッスンでは、

全体の区分分けとモチーフの考え方、

作品中に使われている手法などについて一緒に勉強しました。

 

一般的に、このような編成の室内楽では、

各楽器に一度は主旋律が与えられるものですが、

この作品は、なぜかオーボエが主役。

「どうして、オーボエばかりに主旋律が与えられているのか」

ということについて、

前回は、なかなか明確な答えが出せないまま終わったのですが、

分析を進めていく中で、

ヒントになるようなことがみつかるといいな、と思います。

 

バーバーがオーボエの音色が好きだった、とか、

仲の良いオーボエ友だちがいた、とか

そんな単純な理由かもしれませんが・・。