4.
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『えっ、と。
まず、名前から教えてもらってもいい?』
たどたどしい口調で先生が言う。
「杉坂(名前)です。」
『何て呼べばいい?』
「苗字読みで。普通に。
…駄目ですか?」
『駄目じゃないけど。…よそよそしくない?』
「だって私、まだ先生と会って一時間も経ってないですし」
先生が言葉に詰まる。
『…ほんとにそうかな』
「は?」
『朝も、さっきも会ったよね。…大学で』
覚えてたんだ。
てことは、やっぱりあの時
この人が私と二宮君を見ていたのは間違いないってことになる。
だけどなんでかな、あんなに周りに人が群がってたのに
私と二宮君が印象に残っているなんて。
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「正直に言うと…
私、先生のこと今日大学で見ました」
『うん』
「だけど今日会って初めて、歳上の人と名前で呼び合うなんて変な話です」
『それ、堅すぎ。』
「私が堅いんじゃなくて、先生が軽すぎるんじゃないですか」
参ったなぁ、というように先生が眉を下げて困ったように笑った。
『ま、いいや。そんなに嫌なら、俺は君のことを”君”と呼ぶ。で、君は俺のことを先生と呼ぶ。…これでいい?』
「上出来です。」
『君、変わってるね笑』
「よく言われます」
先生は、華やかでキラキラした世界の人。
私は、その世界の裏で生きる人。
前者の人からみて、後者の人なんて
変わり者に見えて当然じゃないの。
