再び、病院に戻る日。
安堵と共に、いつもの個室に入る。
医師が来て、
「どうでした?できました?」
私は、
「はい、なんとか。でも、膿か膿じゃないか?とか、赤みはよくわかりませんね。それが不安。」
医師は、
「大丈夫ですよ。すぐわかりますよ。
じゃ、明日退院しましょうか?」
「え!?」
いざとなると、臆病な私は怖気付いてしまった。
やっぱり、1人は怖い。
「あの〜、もう一度、来週の三連休にお試し外泊してから、大丈夫なら帰るじゃダメですか?」
と、慎重な私は持ちかけた。
その一番若い女医さんは、
「わかりました。」
と言い、少しの猶予にホッとした。
ホッとしたのも束の間、30分後、
上司の医師が来た。
「お母さん、それ、意味ないからやめましょう!
明日、退院でいいですよ。」
突然の却下。ガーーーーーン。
「は、はい…わかりました😭」
返す言葉がない…。
勇気を出すしかない。
昨夜の娘の笑顔を、見たら今すぐ帰るべき。
弱い自分が顔をだしたことを反省して、気合いを入れ直した。
明日からは、一人でやらなきゃ!!!
胸を閉じることを目標に、まずはそこを目指して、心臓の様子も見極める。
そう、問題は胸が開いていることだけじゃない。
心臓の難病に加え、心不全もだ。
新米の病児ママの私は、どの症状がサインなのかまるで知らなかった。
病院も細かいことは、聞かない限り教えてくれない。
長い入院で友人になった人達から、色んな情報を得た。
イビキかと思ったら、気管が狭かったみたいで手術した。とか、
術中、神経を触ってしまうと、横隔膜が上がってしまって再手術になるからしゃっくりに注意。とか、
チアノーゼや手足の冷や汗など、
調べてもわからない、細かいサインは沢山あった。
寝ていても息をしているか?
リーク音が聞こえないか?
紫になる唇は、どこまで大丈夫なのか?
いつだって、目が離せなかった。