人を遺すは上 専属マネージャーがはじめて明かす 野村克也 言葉の深意
おはようございます。
コミュニケーションデザイナーの吉田幸弘です。
今日のおススメの書籍です。
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■人を遺すは上 専属マネージャーがはじめて明かす 野村克也 言葉の深意
■小島 一貴(著)
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著者は故・野村克也元監督の元マネジャーの
方です。
野村監督のそばにいた体験を基に、監督の
言葉を抽出され、その意味を解説されていま
す。
タイトルにあるように、野村監督は数多くの人
材をプロ野球界に遺されました。
一時期は12球団のうちの半分の監督が野村
監督の教え子だったということもありました。
現監督でいえば、WBC日本代表の栗山監督、
東京ヤクルトスワローズの高津監督、北海道
日本ハムの新庄監督などがそうです。
私自身が「人材育成」の礎を学んだのが野村
監督の書籍であり、もう100冊以上読んでい
ますが、新刊を読むたびに新しい気づきと、人
材マネジメントの奥深さを感じます。
それでは特に参考になったエッセンスをご紹介
していきます。
●監督は、コーチたちが教えすぎてしまう原因も
看破されていた。
「コーチをたくさん雇うのは、引退後の就職口でしょ。
引退後も球団残して生活を保障してやる。
コーチたち自身もそれがわかっているから、職を
失わないように自分をアピールしたい。
教えないで見守っているだけだと、仕事をしな
いよいうに見られると思っているんだろうな。
だからあれこれ教えたくなる。
でもそれじゃあ、選手のためにはならないんだ」
(P79 引用)
いわゆるアリバイづくりの仕事をしているコーチが
いるということですね。
実際のところ、管理職が上を見て仕事をして
いる場合、このようなアリバイづくりの仕事が発
生することがある。
このアリバイ作りの仕事は部下にとって不幸で
ある。
余計な仕事も発生する。
プロセスは大事だが、プロセスアピールはしない。
部下に結果を出してもらうためにはあえて「何も
しない勇気」を持って、必要な時だけ手を差し
伸べればいいと考えるようにしましょう。
●監督になってからは選手にこう諭したという。
「努力に即効性はないよ、と。努力の成果は
すぐには出ない。しかし続けなければ、永久に
成果は出ないぞ」
(P198 引用)
努力を続けてもなかなか結果は目に見えてこ
ない。
ただそのことをわかっていても、人は結果を早
く求めてしまいがちです。
そこを耐えるのが大事。
「あ、もうやめようかな」と思った時こそ、もう一
歩継続しましょう。
現時点では芽は地上には出てきていないので、
何も生まれていないように見えるが、地中で根
は生やし成長しているから。
「努力に即効性はないよ、と。
●「言葉の積み重ねで選手の信頼を勝ち取る。
ここが選手との勝負。
監督はよく勉強しているなと思わせられれば、
信頼も得やすい」
こう語っていた監督は、言葉の重要性を誰よ
りも意識していた。
そえゆえ、言葉を使って叱ること、ほめることの
難しさに正面から向き合った。
だからこそ、才能がありながらくすぶっている選
手たちの信頼を勝ち取り、適切な言葉をかけ、
再生することが可能だったのだろう。
あるいは弱小と言われたチームを戦う集団に変
え、優勝争いをすることが可能だったのだろう。
監督が遺した多くの言葉は今でも、野球界に
限らず一般社会でも多くの人々に信頼されて
いる。
(P225~226 引用)
言葉を省略しないことの大切さを最近改めて
認識させられます。
部下のモチベーションの低下、ハラスメント問題、
これらは「言葉の省略」から始まると言っても過
言ではないと思います。
だからこそ、リーダーは「言葉の力」を磨く必要が
あるなと改めて感じます。
●「つまらないことでほめると、こっちのレベルが
疑われる。
そんなことでほめるのか、と。
下手するとお世辞やおべんちゃらになっちゃう。
選手にそういう思いを抱かせると、監督として
舐められるし、安っぽくなる。
監督として年数を重ねるうちに、そぅいうことは
だんだんとわかってきた。
叱るのも難しいけど、ほめるのはもっと難しい」
そして、「ほめる」ことについてもこんな結論にた
どり着いた。
「ほめるタイミングは考えなきゃいけない。かける
言葉も、一言二言でいい。
あれこれとあまり多くを語る必要はない」
ただ、そのようなほめ方が効果を発揮するには
前提となる条件があると、つけ加えることを忘
れなかった。
「選手との間に信頼関係があるかどうか。まず
はそこからだ」
(P230 引用)
経験の浅いメンバーに対しては、コミュニケーショ
ンをとるためにも多くホメるのもいいでしょう。
しかし、ある程度経験を積んだら、むやみに褒
めるのは逆効果になる場合もあります。
特に根拠のないほめ言葉は、こちらに媚びを
売っているのかと思われ逆効果になります。
褒めるときは具体的に、どの部分がよかった
のかをセットで伝えるようにしましょう。