最軽量のマネジメント
こんばんは。
コミュニケーションデザイナーの吉田幸弘です。
おススメの書籍のご紹介です。
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■最軽量のマネジメント
■山田 理(著)
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サイボウズ株式会社では離職率が28%から4%まで低下したとのことです。
うまく行ってなかった時は、「成果主義」に追われ、社内でも対立があったり、情報の共有がなされていなかったそうです。
その後、「情報公開」「ザツダン」「質問責任」の3つのポイントで社内が活性化していったそうです。
この3つのポイントはどんな組織でも取り入れるといいのではないかと思います。
それでは特に参考になったエッセンスをご紹介していきます。
●これまでの世界は「個人戦」でした。
情報の価値が高かった時代は、それを占有し、1人でいかにすぐれた戦略を練り、周りを出し抜くかが重要だったのです。
けれども、インターネットが普及し、情報の価値が下がった今の世の中は「団体戦」です。
情報を共有して、チームでいかに役割分担するか、という方法に戦い方は変わってきました。
この「情報の徹底公開」こそ、マネジャーに本当に残される仕事のひとつです。
情報を分析し、ほかの人を出し抜こうとするのは、もはや非効率でしかありません。
団体戦に必要なのは、複雑なマネジメントスキルではなく、「マネジャーだから知っている」と偉そうにできていた武器(情報)を捨てること。
ただその「覚悟」だけです。
(中略)
情報を公開してもらえることは、会社が、マネジャーが「あなたを頼りにしています」と言外に伝えてもらっているのと同じことです。
とても嬉しいことですよね。
公開された情報をもとにした、1人では考えつかないアイデア。
複数の視点からのフィードバック。
価値を生み出すのは、だれか一人のカリスマではなく、平凡な人たちが協力して得意分野で補い合うチームなのです。
(P50~52 一部引用)
サイボウズ株式会社が力を入れたポイントとして「情報公開」があります。
そもそもかつては情報を持っていた人が有利になりましたが、現在は情報を活用できるかどうかがポイントです。
部下に情報を公開し権限移譲することは、部下の「承認欲求」を満たすことにもなり、内発的動機づけを高めることにつながります。
P66に書いてある言葉、「『100%の忠誠心」なんて求めない 『100人100通りの距離感』を受け入れる」にもかなり共感しました。
変化のスピードが激しく、イノベーションが求められる時代、トップダウンでなくボトムアップで仕事をしないと追いつけません。
「情報公開」して、それぞれに考えてもらう必要がありますね。
●わたしはそれまで、財務と人事と管理……と銀行員は経験してきましたが、営業もマーケティングも、開発についても門外漢です。
意思決定は、彼らとわたしが一堂に会する「最高会」という機関で行うのですが、当然、わたしがまともに意見できることなんて、ほとんどありませんでした。
もしわたしがカリスマリーダーになろうとしていたなら、営業と一緒にお客様のところへ行って、マーケティングの知識を、身につけるより任せてしまったほうが早い、と。
(P123 引用)
何でも自分でやろうとするリーダーがいます。
もちろん自分にない知識を学ぶのはいいことだと思います。
たとえば、SEOについて勉強をして、ホームページ担当者に進言できるようにする。
これはいいことです。
しかし、ホームページ担当者が何度言っても自分の意図したものができないから、自分でホームページのつくり方を勉強して作る。
これはよくありません。
ものすごく時間がかかるからです。
時間対効果という観点で鑑みても、やはり「任せる」ことが大切なのです。
●マネジャーの仕事は、情報の徹底公開。
(中略)
徹底的に公開した情報を機能させることで、マネジャーの仕事はもっともっと計量化していきます。
そのため強力なキーワードがサイボウズ内で「おはよう」の挨拶の次くらいに飛び交う「説明責任」「質問責任」という言葉です。
「会社が説明責任を果たす」という言い方は一般的にも聞きますが、「質問責任」というのはあまり馴染みがないかもしれません。
質問責任とは、単純にいうと「わからないことがあったら聞いて」ということです。
あるとき、ふと思ったのです。
「説明する責任を果たそうと思っても、メンバーが『何が分からないのか』を言ってくれなかったら、こっちも何を説明していいかわからない」
そもそもメンバーが何を聞きたいのか、つまり、何を知りたくて何はどうでもいいのか、は1人ひとりが違う。
その人にとって必要か必要でないか、すらわからないのに、何から何までマネジャーが「全体に向けて」説明するのは、あまりに効率が悪い。的外れになります。
(P204~205 引用)
「質問責任」がない会社のことを想像してみてください。
メンバーが不安に感じていそうなことを、すべてマネジャー側が察知しなければいけません。
察知できなければ、なぜかメンバーから文句を言われてしまう。
「あの人は何もわかってくれない」と。
しかし、「質問責任」があるチームであれば、「不安を感じているなら、教えて」と言えるわけです。
結果、マネジャーが過保護に世話をするのではなく、メンバー自らが「自分は何に対してモヤモヤしているのか」「困っていることは何か」を考え、行動するようになります。
そのあとなら、存分に周囲のチームメンバーに頼っていい。
このような状態を、サイボウズでは1人ひとりが「自立する」と表現しています。
以前、サイボウズ式で、精神科医の能代亨先生が「自立の正体は上手な依存だ」とおっしゃっていました。
まさに「質問責任」は、メンバー1人ひとりが、チームに上手に依存できる、「自立」状態をつくり出してくれるのです。
(P224~225 引用)
この「質問責任」は部下の成長を加速する意味でも、取り入れたいですね。
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