風評被害~そのメカニズムを考える~
こんばんは。
今日のご紹介は関谷直也氏の著書です。
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■風評被害~そのメカニズムを考える~
■関谷 直也(編)
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●風評被害という言葉は、もともとは原子力が関
係する事故で問題になりはじめたものです。
「安全である」にも関わらず、事故が起きた周辺
の土地の関係者や地元の漁業者が経済的被害を被
ること、またその被害が原子力損害賠償法で補償
されないことが問題になったのである。
『学術用語』ではなく、『マスコミ用語』である。
この本では風評被害が起きた例として『原子力関
係』を中心に解説されています。
その他、影響を受けやすい業界として『流通』『
観光』『金融』を例に挙げ、風評がどのような影
響を及ぼすかについて具体的に書かれています。
インターネットの普及により、情報社会が発達し
ているといわれますが、やはり今でもマスコミの
報道が大きな影響を与えているのは変わりないの
です。
同じ映像を繰り返し見させられることで、人はい
つのまにか「この商品は危ない」「この土地は危
険だ」と思いこんでしまうのです。
心理学で『サブリミナル効果』という用語があり
ます。
何度も繰り返しテレビなどで報道されることで、
人々に記憶させる戦略である。
いわゆる洗脳です。
1957年9月から6週間にわたり、市場調査業者のジ
ェームズ・ヴィカリ(James M. Vicary)は、ニュ
ージャージー州フォートリーの映画館で映画「ピ
クニック」の上映中に"実験"を行なったとされて
います。
ヴィカリによると、映画が映写されているスクリ
ーンの上に、「コカコーラを飲め」「ポップコー
ンを食べろ」というメッセージが書かれたスライ
ドを1/3000秒ずつ5分ごとに繰り返し二重映写(フ
ィルムのフレームを差し替えたと信じている人が
多いが誤解である)したところ、コカコーラにつ
いては18.1%、ポップコーンについては57.5%の
売上の増加がみられたとのことであったそうです。
このような『サブリミナル効果』は一部のテレビ
局では禁止しているようですが、これは禁止して
ようがなかろうがあまり関係がなく、同じものを
見せていると、つい思い込みは出てしまうもので
す。
そこで、『風評被害』というものが生まれてしま
うのだと思いますが、これは極端な話でいうと『
マイナスの宣伝活動』といえなくもありません。
事実を報道することは大切ですが、何か事件が起
きると、そればかり繰り返すマスコミに疑問があ
るのは私だけではないと思います。
報道することで影響を受ける人たちの事も視野に
入れて欲しいところですね。
その他、この本ではちょっとした口コミが及ぼす
危険性についても取り上げています。
1973年12月に豊川信用金庫で預金量360億円の信用
金庫から約20億円が引き出されるという事件があ
りました。
これは、女子高生の会話がきっかけだったのです。
「豊川信用金庫なんて危ないよ」とその信用金庫
に就職する1人に向かって、他の2人が言った言葉
がきっかけだったのです。
言った方は「信用金庫には強盗が入ることがある
」という意味で「危ない」と言ったのだが、言わ
れた方は「経営が危ない」と受取り、そのことを
親戚に伝えたのです。
そこから伝言ゲームが始まり、上記のような事態
に至ったのである。
このように、『風説の流布』ともいえなくないよ
うな事はどこから起きるのかもわかりません。
また、日本では、ちょっと危険があると思ったら
、それを使わないし、その土地にも行かず、「安
全」を重視したり、必要以上に『自粛』ムードに
なり、結果として観光客数が落ち込んだりします。
一方、中国では四川大地震の後、仮設住宅の前に
は出店や屋台が並び、観光客相手に被害者が撮影
した被害の様子のDVDや写真集、あるいは当地
の物産品、みやげを売っていたそうである。
国が異なれば災害すらも観光資源としてしまうの
です。
これにはちょっと違和感も感じますね。
日本人の性格がよく出ている本ですが、今こそ日
本の『団結力』を大切にしたいですね。
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