ARROW LINK|住まい選びのヒント

修繕積立金、
「安い」で選んで
大丈夫?

中古マンション購入前に
確認したい5つのこと

月々8,000円。
その数字だけで「安心」と
決めていませんか?

気になる中古マンションの物件ページ。

価格は予算内。間取りも使いやすそう。駅までの距離も悪くない。

そして目に入るのが、低めの修繕積立金。

「毎月の負担を抑えられそう」と感じたら、もう一歩だけ確認してみてください。

その金額は、これから先も同じでしょうか。

今回は、東京で中古マンションを探している方へ、購入前に押さえたいポイントを比較例とチェックリストで整理します。

この記事で分かること

✓ 今の月額だけでは判断できない理由

✓ 購入前に確認したい資料と質問

✓ 将来の住居費を考えるチェックポイント

まず、管理費と修繕積立金の違いは?

管理費

日常の管理を支えるお金。
共用部の清掃、管理業務、設備点検などに使われます。

修繕積立金

将来の修繕に備えるお金。
外壁や屋上防水、共用設備の更新など、まとまった費用が必要な工事に備えて積み立てます。

※実際の費用区分や負担範囲は、各マンションの管理規約・会計資料などで確認してください。

室内がきれいにリノベーションされていても、建物全体の修繕計画や資金の状況は、別に確認する必要があります。

部屋のきれいさと、建物を維持する準備。
どちらも確認して、住まいを選びましょう。

01|今の月額に加えて
「増額予定」を見る

修繕積立金には、主に次のような積み立て方があります。

■ 均等積立方式
計画期間に必要な修繕費を、基本的に一定の月額で積み立てる方式です。

■ 段階増額積立方式
当初の月額を抑え、その後、段階的に増額する方式です。

国土交通省は、将来にわたって安定的な積み立てを確保する観点から、均等積立方式が望ましいとしています。

ただし、均等積立方式でも、工事費や修繕計画の見直しによって増額する可能性はあります。

「月額が低い」を、10年間で比べると?

以下は仕組みを理解するための架空の計算例です。実在物件や相場を示すものではありません。

Aマンション|途中で増額する例

1〜5年目:月額8,000円

6〜10年目:月額24,000円

10年間の合計
1,920,000円

Bマンション|一定とする例

1〜5年目:月額15,000円

6〜10年目:月額15,000円

10年間の合計
1,800,000円

図解|10年間の修繕積立金合計

A:1,920,000円

B:1,800,000円

横棒は0円を起点とした合計額の比較です。表示幅100%=2,000,000円。架空例・修繕積立金のみ。

購入時点では、Aのほうが毎月7,000円低く見えます。しかし、この条件では10年間の合計はAのほうが120,000円多い計算です。

もちろん、この結果だけでBのほうが良い物件だとは判断できません。必要な工事や積立金残高、建物の規模・設備が異なるためです。

現在の月額に加えて、将来の負担と、その金額の根拠まで確認しましょう。

相談で使える一言

「現在の修繕積立金と、今後の増額予定を一緒に教えてください。増額は決議済みですか、それとも検討段階ですか?」

02|積立金残高は
「これからの支出」とセットで見る

「積立金がたくさん残っています」

そう聞くと安心できそうですが、残高だけでは十分かどうかを判断できません。

近く大規模修繕を予定していれば、まとまった支出が控えています。一方、修繕を終えた直後なら、工事代金の支払いで残高が減っている場合もあります。

資金の見通しを考える基本

現在の残高
+ 今後の積立収入
− 予定している工事の支出

管理組合の借入金や滞納の状況も、あわせて確認したいところです。

国土交通省の全国調査

計画上の積立額に対して
現在の修繕積立金が不足している割合

36.6%

横棒の全幅=100%。色付き部分=36.6%。
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」

※全国の調査結果です。東京だけの数値ではなく、個別物件の状況を示すものでもありません。色の付いていない部分すべてを「十分な積立がある」と分類するものではありません。

物件ごとに、資料を使って確かめることが大切です。

「残高はいくらですか?」に加えて、
「今後の工事費に対応できる計画ですか?」まで聞いてみましょう。

03|長期修繕計画は
「いつ見直したか」まで確認する

長期修繕計画は、将来の工事内容や時期、費用、資金の見通しを整理したものです。

計画書の有無に加えて、最後に見直された時期にも注目してください。

工事費や建物の状態が変われば、必要な金額も変わります。

確認したい5つの項目

① 最終見直し時期
いつの情報や工事費をもとに作成されていますか?

② 次回の大規模修繕
予定時期と見込額は、どのようになっていますか?

③ 設備の更新予定
給排水設備やエレベーターの更新は含まれていますか?

④ 将来の収支
資金が不足する時期を見込んでいませんか?

⑤ 建物固有の設備
機械式駐車場などの修繕・更新費用を見込んでいますか?

計画上の工事時期や費用は、将来を保証するものではありません。

どのような前提で、どこまで備えているのか。
それを理解するための資料として読みましょう。

04|増額・一時金・借入れの
「検討状況」を確認する

資金が不足する場合には、修繕積立金の増額、一時金の徴収、管理組合による借入れなどが検討されることがあります。

長期修繕計画に加えて、管理に関する重要事項調査報告書や、入手可能な総会議事録などを、不動産会社を通じて確認しましょう。

確認結果は、この3つに整理

● 決定済みのこと

● 現在、検討していること

● 資料では確認できていないこと

「増額の話があります」という説明だけでは、家計への影響を判断しにくいものです。

いつから、いくらになり、
どこまで決まっているのか。

具体的に確認することで、購入後の見通しを立てやすくなります。

※資料の開示範囲や取得方法は、物件によって異なります。

05|住宅ローンと合わせて
「住居費全体」で考える

購入後にかかるお金は、住宅ローンだけではありません。

毎月の家計を考えるときは、次の項目を並べてみましょう。

住居費の見える化メモ

住宅ローン返済額

+ 管理費

+ 修繕積立金

+ 駐車場などの利用料

+ 固定資産税・都市計画税、保険料などの月割り相当額

現在の負担と、判明している増額後の負担を比較しましょう。

税金や保険料は、必ずしも毎月支払うものではありませんが、月割りで考えると家計の全体像を把握しやすくなります。

さらに、給湯器や室内設備など、専有部分の修理・交換に備えるお金も考えておきたいところです。

マンションの修繕積立金で、室内のすべての修理を賄えるわけではありません。

教育費や生活費、貯蓄と両立できるか。そこまで確認できると、物件選びの判断がしやすくなります。

保存版|購入前のチェックリスト

□ 現在の管理費・修繕積立金を確認した

□ 積立方式と今後の増額予定を確認した

□ 決議済みと検討段階の内容を分けた

□ 積立金残高と今後の工事費を照らし合わせた

□ 長期修繕計画の最終見直し時期を確認した

□ 修繕履歴と設備更新の予定を確認した

□ 一時金・借入金・滞納の状況を確認した

□ 増額後も含めて住居費全体を試算した

分からない項目が残ったら、不動産会社に資料と説明を求めましょう。

今日の月額から、
未来の暮らしまで。

修繕積立金は、低いだけで問題があるとも、高いだけで十分とも判断できません。

建物の状態。
修繕の計画。
資金の見通し。

この3つをつなげて確認することで、毎月支払う金額の意味が見えてきます。

気になる中古マンションが見つかったら、価格や室内の印象と一緒に、建物を維持するための準備にも目を向けてみてください。

住まいを選ぶ時間が、購入後の暮らしを考える時間にもなります。

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中古マンションの購入を検討している方は、気になる物件と確認したいことを整理して、お気軽にご相談ください。

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参考資料

国土交通省|修繕積立金に関するガイドラインの改定について

国土交通省|令和5年度マンション総合調査結果

国土交通省|長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント

※2026年10月23日作成。金額比較は架空の計算例です。個別物件の管理状態や将来費用を保証するものではありません。負担額・決議内容・修繕範囲は、各物件の最新資料でご確認ください。

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