相続 × 空き家 × 不動産

「親の家、どうする?」

相続した実家を
“とりあえず空き家”にする前に
知っておきたい5つのこと

親が暮らしていた実家。

子どもの頃の写真が残っていたり、
玄関を開けると、昔の記憶が戻ってきたり。

そんな家を相続したとき、

「すぐ売るのは寂しい」
「自分が住む予定はない」
「貸すのも大変そう」
「もう少し考えてから決めよう」

そう思う方は、決して少なくありません。

ただ、不動産の場合は、

「まだ決めない」ことも
ひとつの判断です。

今回は、相続した実家について
「売るべき」「残すべき」と結論を急ぐのではなく、

まず何を確認すればいいのか。

一緒に整理してみましょう。


① 実は多い「どうするか決まっていない」実家

2026年に公表された調査では、 相続した戸建てを現在も空き家として所有している人のうち、

今後の方針が決まっていない

38.6%

約10人に4人

という結果が出ています。

つまり、

「実家をどうするか決められない」

という状態自体は、決して珍しくありません。

実際に相続してみると、

  • 家族それぞれの意見が違う
  • 売却価格が分からない
  • 思った以上に思い入れがある
  • リフォームすれば使えそう
  • 貸した場合の収支が分からない

など、初めて見えてくる問題もあります。

② 「とりあえず空き家」でも、家は止まってくれない

誰も住んでいない家でも、 所有している限り管理は続きます。

空き家でも発生する主なこと

✓ 固定資産税
✓ 火災・地震保険
✓ 庭木・雑草の管理
✓ 建物の換気
✓ 雨漏りの確認
✓ 給排水設備の劣化
✓ 防犯対策
✓ 害虫・害獣対策

家は、人が住まなくなると意外に早く傷むことがあります。

夏の湿気。
冬の結露。
閉め切った室内。
小さな雨漏り。

だからこそ、

「まだ売らない」ことと
「何もしない」ことは別。

③ 知っておきたい「管理不全空家」

空き家を考えるうえで、 最近特に知っておきたいのが 「管理不全空家」という考え方です。

適切な管理がされず、 将来的に「特定空家」になるおそれがある住宅について、 自治体から勧告を受けた場合などには、

土地に適用されている 住宅用地の固定資産税等の軽減措置 が受けられなくなる可能性があります。

関連制度を 「詳しく知らない・まったく知らない」

79.9%

約8割という数字を見ると、

「空き家を放置している人の問題」 だけではなく、

制度そのものがまだ十分知られていない という面もありそうです。

④ 実家の選択肢は「売る・残す」だけじゃない

実家を相続すると、

「売る?」 or 「残す?」

の二択で考えてしまいがちです。

でも、実際には大きく5つあります。

🏠 01|住む
家族が使う予定があるなら、建物状態・耐震性・リフォーム費用を確認。
💰 02|売る
利用予定がないなら、まず現在の市場価値を確認。
🔑 03|貸す
立地や建物状態が合えば、想定家賃と修繕・管理費を比較。
🛠 04|リフォームして活用
賃貸、二拠点生活、事業利用なども選択肢。
🏗 05|解体して土地活用
建物の劣化が大きい場合は、解体費と土地価値を比較。

大切なのは、

最初から答えを決めないこと。

それぞれを選んだ場合にどうなるのか、 一度並べて比較すると見え方が変わります。

⑤ 「売ったらいくら?」は、売る前に知っていい

家族で実家の話をすると、

「築30年以上だから価値ないんじゃない?」

「このエリアなら結構高そう」

「土地だけなら価値あるかも」

そんな会話になることがあります。

でも、不動産価格は築年数だけでは決まりません。

  • 駅からの距離
  • 土地の形
  • 接道状況
  • 建ぺい率・容積率
  • 周辺の成約事例
  • 建物状態
  • エリアの需要

など、さまざまな要素があります。

売ると決めてから価格を調べるのではなく、

「決めるために価格を知る」

迷ったら、この順番で整理

実家を相続

↓

現在の価値はいくら?

↓

年間の維持費はいくら?

↓

建物はどれくらい使えそう?

↓

家族の利用予定は?

↓

🏠 住む  💰 売る  🔑 貸す
🛠 活用  🏗 解体

知っておきたい相続登記のルール

2024年4月1日から、 相続登記が義務化されています。

不動産を相続したことを知り、 その所有権を取得したことを知った日から、 原則として

3年以内

に相続登記を申請する必要があります。

正当な理由なく義務に違反した場合は、 10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

また、義務化前に発生した相続についても対象となるため、 古い相続だから関係ない、とは限りません。

2026年から、相続不動産を探しやすく

2026年2月2日から、

所有不動産記録証明制度

がスタートしました。

これは、 特定の人が登記簿上どの不動産を所有しているのかを、 一覧で確認しやすくする制度です。

たとえば、

「父が持っていた土地は実家だけだと思っていた」

という場合でも、 別の地域に不動産が残っている可能性があります。

📍 不動産相続をめぐる最近の変化

2024年4月
相続登記が義務化

↓

2026年2月
所有不動産記録証明制度スタート

↓

2026年4月
住所・氏名等の変更登記も義務化

最後に|「売る・売らない」の前に、まず知る

実家は、 ただの建物ではありません。

家族の記憶があり、 時間があり、 思い出があります。

だからこそ、 簡単に「売りましょう」とは言えません。

ただ、

何も分からないまま、 何年も「そのうち考えよう」とする必要もありません。

まず知ること。

✔ 今の価値
✔ 建物の状態
✔ 維持費
✔ 家族の希望
✔ 将来の選択肢

ここまで整理できれば、

住む。
売る。
貸す。
活用する。

どの選択をするにしても、 納得しやすくなります。

「売るかどうか」を考える前に、
“今の状態を知る”。

それが、 大切な実家と向き合う最初の一歩かもしれません。

ARROW LINK

「まだ売ると決めていない」
「まず価値だけ知りたい」

そんな段階でも大丈夫です。

東京の不動産について、
状況を整理するところからご相談いただけます。

大切な不動産だからこそ、
納得できる選択を一緒に考えていきます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。税務・法律・登記については、個別の状況に応じて税理士・司法書士・弁護士等の専門家へご確認ください。