AI × REAL ESTATE 2026
「AIでここまでできるのに、
不動産会社は必要?」
家探しの正解は“AI+プロ”へ
ChatGPTやGeminiでエリア比較、条件整理、物件のメリット・デメリットまで調べられる時代。
では、不動産会社の役割はなくなっていくのでしょうか。
家探しの風景が、少しずつ変わってきました。
以前なら、ポータルサイトで検索して、気になる物件を保存して、不動産会社に問い合わせる。
今はそこに、 ChatGPTやGeminiなどの生成AI が加わっています。
たとえば、こんな相談。
「新宿まで30分以内で、静かに暮らせる街は?」
「この間取りのメリットと注意点は?」
「5,000万円以内で条件を整理して」
「不動産会社への問い合わせ文を作って」
検索窓にキーワードを入れるだけではなく、 “相談しながら家を探す”ことができるようになってきました。
20代の半数以上が、すでにAIを家探しに利用
全国宅地建物取引業協会連合会が2026年に全国の20歳〜65歳、5,000人を対象に行った調査では、 住まい探しで生成AIを利用した経験がある人は全体で33.9%。
20代では、その数字が 53.4% に達しています。
出典:全国宅地建物取引業協会連合会「2026年住宅居住白書」
年代別|住まい探しでの生成AI利用経験
20代 53.4%
30代 42.3%
40代 31.4%
50代 19.6%
60歳以上 14.8%
不動産会社はもう必要ない?
この疑問は、これからもっと自然なものになっていくと思います。
でも、実際の家探しを考えてみると、 AIと不動産のプロは、そもそも得意な仕事が少し違います。
AIが得意なのは「集める・比べる・整理する」
生成AIを実際に住まい探しで利用した人の中では、 最も多い使い方が 「希望エリアの地域情報の収集・比較」33.5% でした。
ほかにも、
✓ 不動産・契約の専門用語をわかりやすくする
✓ 物件のメリット・デメリットを整理する
✓ 希望条件を整理する
✓ 家探しの悩みを相談する
✓ 不動産会社への問い合わせ文を作る
つまりAIは、 「何を選べばいいのかわからない」状態から、選択肢を整理すること にとても強い。
これは、家探しをする人にとって大きなメリットです。
でも、AIには「見えないもの」がある
ここからが、住まい探しの難しいところです。
たとえばAIは、
AI:「駅から徒歩8分です」
PRO:「ただ、この道は夜になると少し暗いです」
AI:「南向きなので日当たりが期待できます」
PRO:「目の前の建物との距離も確認してみましょう」
AI:「相場より価格が低い物件です」
PRO:「では、“なぜ安いのか”まで確認しましょう」
駅距離や価格、設備はデータになります。
一方で、 街の空気、建物の管理状態、生活音、実際の日当たり、周辺環境との相性 などは、現地で初めてわかることも少なくありません。
そして家は、数字だけで選ぶ商品ではありません。
AIとプロの大きな違い
AIは「選択肢を増やす」
プロは「選択肢を減らす」
候補を50件集めることよりも、
「あなたなら、この3件を先に見たほうがいいと思います」
と整理することのほうが、実際の住まい探しでは価値がある場合があります。
AIは急成長。でも、まだ“全部AI”ではない
2026年の調査で「現在の住まいを探した方法」を見ると、 SUUMOが20.9%で最多。
続いて、 不動産会社からの提案・紹介が13.6%。
一方、 生成AIからの提案は3.8% でした。
つまりAIは、情報収集や比較の場面では急速に広がっているものの、 物件を実際に選び、問い合わせ、契約へ進むプロセスでは、 まだポータルサイトや不動産会社が大きな役割を担っています。
では、人は不動産会社に何を求めている?
ここに、とても興味深い数字があります。
同じ2026年調査で、 「不動産会社にどのようなサポートがあると安心できるか」を聞いたところ、 もっとも多かった回答は、
最も多かった回答
「物件の良い点だけでなく、
注意点も正直に教えてくれる」
続いて、
32.8% 契約前に十分な時間をかけて説明
30.0% 予算や希望条件に合わせて無理な提案をしない
29.2% 専門用語を使わず、わかりやすく説明
28.8% アフターフォローや入居後のトラブル対応
ここから見えてくるのは、 お客様は単に「物件をたくさん知っている営業担当」を求めているわけではない ということです。
良いことだけではなく、 「ここは少し気をつけたほうがいいですね」と言ってくれる人。
そんな存在が求められています。
AI vs 不動産会社ではなく、「AI+プロ」
| 家探しの場面 | AI | プロ |
|---|---|---|
| 希望条件の整理 | ◎ | ◎ |
| エリアの比較 | ◎ | ○ |
| 大量の情報整理 | ◎ | ○ |
| 現地の空気感 | △ | ◎ |
| 注意点・リスク確認 | △ | ◎ |
| 交渉・契約サポート | △ | ◎ |
※上表はそれぞれの一般的な特徴を整理したイメージです。個別のサービスや担当者によって対応範囲は異なります。
これからの家探しは、こんな流れになるかもしれない
予算・通勤時間・暮らし方・希望条件を整理
候補を見つけて、メリット・デメリットを整理
現地・管理状態・注意点・契約条件をチェック
まとめ|AIが見つける。プロが確かめる。あなたが決める。
「AIがあるから、不動産会社はいらない。」
これから、そんな意見も増えていくかもしれません。
ただ、AIが普及するほど、 人にしかできない仕事も、逆にはっきりしてくる ように感じます。
情報を探すことは、以前より簡単になりました。
だからこそ次に必要なのは、 「情報をどう見るのか」 「何を信じるのか」 「自分の暮らしには何が合っているのか」 を一緒に考えることです。
AIで広く探し、プロと深く確かめる。
AIか、人か。 どちらかを選ぶのではなく、 両方の強みを使う。
それが、これからの住まい探しの自然な形になっていくのかもしれません。
公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会
「2026年住宅居住白書」
※本記事は公開されている調査データをもとに、住まい探しと生成AIについて独自に整理・解説したものです。