毎月、当たり前のように口座から引き落とされる家賃。たとえば月15万円なら、1年間で180万円。10年間なら1,800万円です。もちろん、賃貸には「身軽に引っ越せる」という大きな魅力があります。でも、ある日ふとこう思ったことはないでしょうか。

「このお金を、自分の家のために使っていたら?」

特に東京でこれから長く暮らす予定がある人にとって、「借り続ける」ことだけが正解とは限りません。
一方で、家は“買えば必ず得をする商品”でもありません。
だからこそ今回は、東京で暮らす人の目線から、賃貸ではなく住宅を購入するメリットとデメリットを、少し現実的に考えてみます。

東京では、「待てば安くなる」とも言い切れない

東京の住宅価格について、「今は高いから、もう少し待とう」と考えている方も多いと思います。
ただ、2026年の地価公示を見ると、東京都23区の住宅地は平均で前年比9.0%上昇。しかも23区すべてで上昇しています。もちろん、これからも同じペースで上がる保証はありませんが、「待てば必ず安くなる」という前提で考えるのも危険です。
家を買うタイミングを考えるときに大切なのは、

「今が一番安いか?」ではなく、「自分たちが無理なく買えるタイミングか?」という視点です。

家賃は「住むための費用」。住宅ローンは、その一部が自分の資産になっていく

賃貸住宅では、毎月の家賃を支払うことで、その部屋に住む権利を得ています。それ自体は決して悪いことではありません。
ただし、10年、20年と家賃を払い続けても、その住宅が自分のものになることはありません。
一方、住宅購入では、ローン返済額のすべてが資産になるわけではありません。利息や諸費用もあります。
それでも、ローンの元本を返済していくことで、少しずつ**「自分が所有する住宅」**になっていきます。
ここが、賃貸と購入の大きな違いです。

特に、

「東京でこれから10年以上暮らしたい」

「子どもの学校などを考えると、何度も引っ越したくない」

「老後も東京に住みたい」
という人にとっては、購入を検討する意味があります。

「老後も家賃を払う」という問題

30代、40代では、毎月の家賃をそれほど負担に感じないかもしれません。
でも、60代、70代になって仕事をリタイアしたあとも、賃貸なら基本的に家賃は続きます。住宅を購入した場合も、固定資産税、管理費、修繕積立金、リフォーム費用などは必要です。
それでも、住宅ローンを完済できれば、毎月の大きな固定支出を減らせる可能性があります。
だから住宅購入は、単に「今住む家を買う」という話ではありません。

30年後の生活費をどう設計するか。
そんな長期的な話でもあるのです。
東京の住宅は「住む場所」であり、「売れる可能性のある資産」でもある東京で住宅を購入するメリットの一つは、将来的に売却という選択肢を持てることです。
駅からの距離、周辺環境、再開発、築年数、建物管理、間取りなどによって大きく差は出ますが、需要のあるエリア・条件の良い物件なら、住み替え時に売却できる可能性があります。
2026年の地価公示でも東京都の住宅地は上昇傾向ですが、これは「東京ならどこを買っても値上がりする」という意味ではありません。
むしろ重要なのは、

「自分が住みたい家」+「将来、他の人も住みたいと思う家」

を選ぶことです。この視点を持つだけでも、物件選びはかなり変わります。
住宅ローン減税など、“買う人”向けの制度もある

2026年度の税制改正では、住宅ローン減税の適用期限がさらに5年間延長され、2030年12月31日までの入居が対象となりました。また、省エネ性能の高い中古住宅についても支援が拡充されています。条件を満たす住宅では控除期間が13年間となるケースもあります。
新築住宅についても、一定の条件を満たせば固定資産税が一定期間2分の1となる特例があります。ただし、住宅の種類、入居時期、所得、床面積、省エネ性能などによって条件が違うため、

「家を買えば全員が同じ額だけ得をする」わけではありません。

ここは購入前に必ず確認したいポイントです。
では、賃貸と購入。結局どちらがいい?

つまり、
購入=絶対に得
でも、
賃貸=お金を捨てているでもありません。大切なのは、自分の人生にどちらが合っているかです。

こんな人は「購入」を一度考えてみてもいい

東京で長く暮らす予定がある。家族構成がある程度決まってきた。毎月安定した収入があり、住宅購入後も生活防衛資金を残せる。子どもの学校や生活環境を安定させたい。
そして何より、

「この街に自分たちの居場所をつくりたい」

と思っている。そんな人なら、家賃だけを比較するのではなく、一度住宅購入のシミュレーションをしてみる価値があります。

ただし、今は「金利」も必ず見る時代

少し前までの日本では、「住宅ローン金利は非常に低い」というイメージが強くありました。
しかし現在は、金利も無視できません。
たとえば2026年9月の「フラット35」では、21〜35年返済の最頻金利は**年3.46%**です。対象条件によって金利引下げ制度もありますが、住宅価格だけでなく「総返済額」を確認することが以前より重要になっています。

だから、

「家賃15万円だから、ローン15万円なら同じ」

という比較だけでは不十分です。
固定資産税、管理費、修繕積立金、火災・地震保険、購入時諸費用まで含めて比較する必要があります。
ここをきちんと計算してから買う人ほど、購入後の後悔は少なくなります。

家を買うということは、「建物を買う」だけではない

朝起きて、いつもの窓から街を見る。
お気に入りの家具を置く。
壁の色を変える。
子どもの身長を柱に残す。
何年か経って、「この家でいろいろあったね」と家族で話す。
家は、数字だけでは測れないものでもあります。賃貸の自由も素晴らしい。でも、「自分たちの場所を持つ」という安心感も、住宅購入にしかない価値の一つです。

東京でこれからどんな生活をしたいのか。5年後ではなく、10年後、20年後の自分を想像してみる。
そこから「買う・借りる」を考えてみてもいいのではないでしょうか。

最後に

家を買うべきか、借り続けるべきか。答えは、年収だけでは決まりません。

家族、仕事、エリア、将来設計、住宅ローン、そして「どんな暮らしがしたいか」。

全部を一緒に考えて、初めて自分に合った答えが見えてきます。

ARROW LINKでは、単に「物件を売る」のではなく、購入後の暮らしまで考えた住まい探しを大切にしています。
「今の家賃なら、東京でどのくらいの家が買える?」
そんなところからでも大丈夫です。
まずは、“買うかどうか”を決める前に、自分の選択肢を知ってみてください。