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 プエブロデパレンケ、遺跡へ続くジャングルの入り口に造れた村。
   夜通し走り続けた長距離バスは、早朝にその町に着いた。
  眠い、倒れ込むようにホテルの最上階の部屋に入った。
    白、白、白ベッドも机も浴槽も、すべて白く塗られている。
        ただ唇の赤さだけが際立つ。
  南東に向かって大きくとられた窓、全面に鎧ガラス。カーテンは無い。
      ついにジャングルの稜線から陽が昇り始める。
  日の出だというのに刺すような強い陽射し、
            光線は水平に窓ガラスを抜け白い部屋中を充たす。
   白く薄いシーツを顔まで被り、強く眼を閉じる。
                   眠りたい。脳の中で血流が脈打つ。
 音が内耳でこだます。まぶたの裏で白い光線が乱反射する。
        シャワーを浴びて唇がみずみずしく輝く。
 正午、スコールの雨音で眼を開けた。
            全身を疲労感がベールのように白く包む。この疲れは美的だ。
 遺跡を往復する小さなバス。白い貫頭衣のラカンドン族の青年が途中から乗り込み隣に座った。
  遺跡に着く頃、スコールは止んでいた。
            恐ろしく高い湿度
              木々の葉の一枚一枚を、透明な水滴が過剰にしたたり落ちる。
         エメラルドの密林の中、パレンケは白く現前した。