ユーロ2024が開幕している。
注目すべきはなんといってもスペインのスタイル変更だろう。
みなさんはどう思うだろうか?ポゼッションは時代遅れだと思うだろうか?
私の見方は少し違う。
以前にも話したが、私はテニスを20年以上嗜んできたしそれなりに見ている。
私が中学生、高校生の時に感じたのはスペイン人は同じようなスタイルでテニスをする。
だった。
なんだそんな事か。と思うかもしれないが、個人競技でこういった傾向が出るのは特殊な事で他の国には無いのだ。
なぜなら個人競技は誰かとプレーを合わせる必要もなく、コーチもそれぞれ違うから闘い方が個人に委ねられる部分があるからだ。
当時のスペイン人はクレーコーターと言われる土のコートでのみ圧倒的に強く、そのほかのコートではまあまあの成績であった。
それはなぜかと言うと、土のコートは球足が遅く守備力に長けた選手が上位にくる傾向にあり、他のコートは攻撃力のある選手が上位に上がってくる傾向にあったからだ。
当時のスペイン人はとりわけ守備的なテニスをする選手が多く、ほとんどネットプレーをしないイメージがあった。
流れが変わったのはナダルが出始めてからだろう。
ナダルが出た当初もクレーコーターだろうと感じていたが、ハードコートや芝のコートでも強いナダルを見て恐らく育成を変えてきた。国としてのテニスの考え方を変えてきたと感じたのだ。
もともとミスをしないような攻め方を土台にしていたスペイン人だが、その土台を崩さずに攻めながら守る。攻めさせて守り、そして攻める。をミックスさせたのがナダルだったのだ。
今はその系譜はアルカラスに引き継がれていて、この間の全仏オープンは見事優勝したのだ。
このナダルが出始めたときと今回のユーロのスペイン代表はすごく似ているのだ。
ボールポゼッションは元々守備的な戦術だと私は常々言っている。
攻めながら守る。
ボールを奪われなければ点は取られない。
こういった視点なのだが(現にスペイン代表は失点が少ない。)
ここに攻めさせて守る。そして攻める。というテニスでも見た現象が起こっている。
では具体的に何が変わったかと言うと、わざわざオープンな展開にもっていっている。
プレスをあえてしないで引き込むシーンが見受けられるのだ。
ポゼッションを幼少期から教わるという事は相手が押し込んできた時の守り方も知っているのだ。
これがどういう事かと簡単に言うと
従来はスペインはボールを保持してローリスクなゲーム展開を好んでいた。失点が少ないかわりに相手もずっとブロックをしくので慣れてくればさほど疲れない。
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それを相手にもたれた時に自陣までわざと引き込むようにする事で、シュートこそ打たれるものの相手の思考(攻めたり守ったりしなくてはならない)をコントロールするようになる。
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本来であれば相手がボールを持った瞬間に制限をかけたプレスでうばいきってしまうが、わざと相手を引き込む戦術をとることによって相手の陣形を頻繁に間延びさせる。
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後半50分過ぎには相手は疲弊してディフェンスのラインも保てていない。
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最終的にはお得意のポールポゼッションで相手の心をおる(相手はボールを奪えない。)
単純なスタイル変更ではなく、自分たちの育成の土台をさらに勝つために昇華させていると言って良いだろう。
日本やモロッコに引かれて引かれてやられた事により、恐らくサッカー協会がモデルを変更した可能性がある。
テニスのスペインの歴史を振り返っても、彼らは勝ちに異常な執着があるのは確かだ。(褒めてる)
ユーロのスペイン代表から目が話せない。