親御さんの中には自分の子供の方が上手いのになんでスタメンじゃないの?
なんであんな足元がない子が選ばれてるの?
パス出さない子供がスタメンなんてありえない!!
と毎週憤慨している方もいるだろう。
あのコーチは分かってない!!
そう言いたくなるのも分かる。
まずはこの動画を見てほしい。見れない方は下に翻訳の記事をそのまま載せている。言い回しは違うが、内容は一緒だ。
面白いんだけど、実際息子に先週こんな話をしたんだよ。
息子はフェイエノールト(注:オランダのサッカーチーム)でプレーしているんだけど、アヤックス(注:オランダのサッカーチーム)のU-14との試合があったんだ。でも息子はね、ずっとベンチにいて試合に出られなかっんだ。
でさ、帰りの車の中で、息子は不機嫌そうで、落ち込んでいたんだよ。で、コーチとかに対する文句をちょっと言っていたんだ。
それで私は言ったんだ。
「ふん。でもシャキール(注:息子)、お前負け犬みたいだぞ。そんなこと言うなんて、お前は自分で負けを認めてるように見えるよ。もしお前がコーチとか周囲を責めて、何でもそのせいにするならな。」
「お前自身はどうなんだい?勝者はな、自分で自身を管理できるんだよ。自分を見つめなおして反省し、どこを改善すればいいかを見つけるんだよ。お前が考えなきゃならないのはそこなんじゃないかな?」
その時私は、具体的にどこを改善するべきかについては言わなかったんだ。
「お前はまず自問自答してみるべきなんだよ。自分は敗者なのか、勝者になりたいのか。」
「父さんはお前が(サッカーにおいて)敗者でも勝者でもどっちだっていいんだよ。だって父さんはお前の父親だからさ。父さんと母さんの仕事はさ、お前が20歳になった時に、(プロサッカー選手になれてもなれなくても)お前が人生を一人で歩めるような人間に育てることだから。お前は間違ってもいいし、やりたいことをやればいい。どうなったって、父さんはお前に同じだけの愛情を注ぐよ。父さんは、お前がプロのサッカー選手になれるかどうかなんて、本当にどっちでもいいんだ。」
「でもな、もしお前がサッカーが一番好きだ、成し遂げたいことなんだ、って本気で思うなら、お前は自分で自身の人生をちゃんとコントロールするべきなんだ。そして、他人を責めるのは止めるべきだ。それは負け犬みたいだからね。」
「いや、本当に父さんはどっちだっていいんだよ。もしお前が(サッカーで)敗者になりたいんだったら、そのまま敗者になればいいさ。それでも父さんはお前に愛情を変わらず注ぐよ。父さんにとっては(息子がプロサッカー選手になれるかどうかは)どっちだっていいからさ。ただ、もしお前が(サッカー選手として)勝者になりたいなら、自分をコントロールして、他人のせいにするのは止めないとな。」
それで、私は次の日の朝、息子の練習を見に行ったんだ。妻が「どこいくの?」って聞いてきたから「ちょっと息子の練習見に行ってくるよ」って言ってね。ああ、やっぱり2日後だったかな、実際は。息子の試合が土曜日で、次の月曜の朝だったね。
それで私は練習場で座って見てたんだ。寒くてさ。フードかぶって。そしたら、そこではトラがトレーニングしてたよ。全力で走って、一生懸命プレーしてた。
それを見た私は「よし」と思ったんだ。息子は13歳で、自分で自身の人生をコントールしなきゃいけないってことが分かったんだよ。
ここまでがファン・ペルシーのインタビューだ。
素晴らしい人格者だ。
私は息子がプロになりたいと言った時、どうやってならせよう??
そんな事を考えて、Googleで「トッププロ 幼少期」とか、「サッカー選手 才能」とか色々調べた時期に見つけたものだった。
それまで私はプロになれるなら、なった方が良いと感じていたのだ。
だからプロこそが価値があると感じていた。
だが、ファン・ペルシーのこの記事を見て全然違うと感じたのだ。
私は息子のコーチでもなんでもないのだ。
そこから一人の親として考えた。
親がコーチのスタメンの選び方に疑問を持つ事は恐らく子供に伝わっているのだ。
サッカーは他者評価。
どうやったら選ばれるのか、それを本人が考えなくてはいけない。
やりたい事だけをやってスタメンにはなれないのだ。
親として、サッカーを通してどうあるか?
コーチの悪口を言って終わるのか?
サッカー少年の親になると他のスポーツでは考えられないくらいの悩みをもつ。
チームの不和。監督やコーチとのやりとり。
保護者との関係。スタメンかベンチか。
そして我が子の悩み。
他のスポーツでは本当に考えられない。
だからこそこんなにもブログがあるのだ。
スタメンが取れなくて悩んでいるお子さんはサッカーを楽しめているだろうか?
スタメンが取れない君の人間的な価値は変わらないのだ。
自信を持ってプレーできる事を切にねがっている。