欧州では7歳から本格的にリーグ戦がある。
なぜそのようにするのか?
育成に重要なファクターがあるからだ。
日本でも最近はそれを模倣しようとU11から強豪チームでリーグ戦をやったり、仲の良いチームで集まって短期のリーグ戦を行なったりしている。
それ自体は良い事だ。
欧州はなぜリーグ戦を育成年代に組み込むのか、そしてその意味を私なりに深掘りしてみたいと思う。
まず初めに、欧州のリーグ戦はホーム&アウェー方式で2試合以上行う。
複数回行う事を繰り返す事で優勝するには何が必要かが見えてくる。
それは
失点の少なさだ
この失点の少なさはリーグ戦では欠かせないものとなる。
ワンデイトーナメントなどの一発勝負では、その時その時のコンディションの良し悪しや準備の時間、対戦相手の分析が進まない傾向にある。
しかし、リーグ戦で複数回行う事により相手はどんなチームなのか。ウイングに良い選手がいるのか。ボールポゼッションを好むのか。
そういった準備をしながらトレーニングを行う事ができる。
その中でも失点を少なくしなくては優勝はできないのだ。
私はかねてよりボールポゼッションは失点を少なくする意図があるとブログで綴っている。
一見攻撃的に見えるポゼッションの戦略も、相手にボールを取られなければ失点は無いと考えればディフェンシブで合理的な戦略なのだ。
当然、失点が少なくなると言う事はリーグ戦では上位にくるのだ。
スペインの育成年代ではやはりボールを握れるほうが上位にくるのだ。
そうやってボールを握りながらなおかつ1点をもぎ取る方法を試合の中で覚えていく。
しかし日本のJリーグは今どうだろうか?
ボールを握っていない町田ゼルビアが首位を快走している。
これはなぜだろうか。
私はここにも日本の育成の問題点が隠れていると感じていて、そもそも日本はボールポゼッションで勝つ方法を育成年代で学んでないのだ。
もちろん、上手い子やドリブルができる子がいればボールは握れるだろう。
だが、日本のU12世代の試合を見ると決してボールポゼッションから崩す感じではなく、ゴリゴリドリブル突破をしかけ、奪われたらまた奪い返しまたドリブル突破をする。
そうこうしているうちに団子状態となり、空いてる選手がサイドに現れてそこにボールが流れる。
それをドリブルでかわしてゴール。
このパターンを非常に良く目にする。
大人のサッカーでは見ない。ディフェンスのミスからの失点が非常に多いのだ。
日本の指導でディフェンスを細かく指導しているのをあまり見た事がない。
この奇跡のレッスンの女子サッカーの回を見たことがあるだろうか?
モニカシュターブさんというドイツからきたコーチによって、弱小女子サッカーチームが驚きの変貌をとげる。
最初は上手くいかないが、モニカさんが守備の原則をこのチームに教え込む。
そして、その中学校の男子チームと戦わせるわけだが、なんと男子チームは1点も取れなかったのだ。
つまり、守備の原則を学んだチームには女子サッカーのように体格に劣っていても点を取る事は容易では無いと言う事だ。
それよりも、日本がいかにポゼッションをしながら点を取るのを教わっていないか。
そこの方が問題があると私は思う。
日本のサッカーは世界とは真逆なのだ。
ボールを持たないほうが勝てるのだ。
フロンターレやマリノスが一時期ポゼッションで優勝したりしていたが、世界ではそれが当たり前で絶対に優勝するチームはほとんどポゼッションするのだ。
なぜならば失点が少なくなるからだ。
その上でポゼッションをしながら1点を取るのだ。
ポゼッションをしながら、組織化された守備(日本の小学生チームには無い)を崩すのは至難の業である。
それを欧州の子供達は幼い頃から当たり前のようにやる。
ドリブルで強引に突破してゴールとかではないのだ。
日本の子供達はワンタッチシュートが少なすぎるのだ。
必ず2タッチ以上する。
是非自分のチームで見てほしい。
1タッチシュートの少なさに驚くだろう。