ザックジャパンの時に「俺たちのサッカー」としてポゼッションを目指していた記憶がある。










常にボールを持ち、自分たちが試合をコントロールする。











2010年にスペインがポゼッションで席巻し、岡田監督からザッケローニ監督になってから選手はワールドカップ優勝を目指し、どんな相手でもポゼッションを目指してやっていたと記憶している。










しかし、今データを見てみるとじつはそれほどポゼッション率を高められていなかったのだ。











自分たちより極端に弱い国にだけ60%のイニシアチブを取れていたが、それ以外の国には良いところ55%くらいで強豪国相手には全然ボールを握れていないのがデータから読み取れた。












この頃から10年以上たって、当時10歳から15歳前後の子供達が今の代表の主力を担っているがお世辞にもポゼッションを極められているとは言いがたいと感じる。
















私は監督云々よりも育成が鍵だと感じていて、育成年代に国としてやってこなかった事は代表ではできないと思っている。












なぜスペインやドイツがボールを握れるのか。

そしてボールを握る事は日本にとって得なのかどうか?











そもそも、ヨーロッパの国を調べても実はスペイン以外はボールを握る事にこだわりをもっていない。












私は以前のブログで、スペイン人はテニスでも特殊な傾向を持っている。と書いたが、サッカーでも同じように感じるのだ。










性格はかなり負けず嫌いで、勝つ事よりも負けない事をスポーツに取り入れている気がしてならない。












スペイン人はヨーロッパではそこまで体格に優れていない。












そのために、まずは失点をしない事を考えた結果ポゼッションを極めて相手にボールを握らせなければ点を取られない。と考えたのではないだろうか。












実際、スペイン代表は失点がとにかく少ない。













ほとんど2点以上とられないのだ。













正直、私はスペインのサッカーというより極端なポゼッション思考はちょっと面白さにかける感じがしてならない。












局面がほとんど同じで変化がないのだ。












スペイン代表にプレスをしても疲れるだけなので、相手はブロックをひいてカウンター。










スペイン代表はボックスのポケットをとれるようにシステマチックに選手が動き、そこをとれたらグラウンダーのクロスをファーサイドに流すかマイナスに折り返す。











ほとんどこれだけである。











ティキタカといえば聞こえは良いが、それはバルセロナからのイメージであって、一人で破壊するメッシのイメージが先行しているに過ぎないのだ。











このポゼッションを日本代表選手がどのチームにでもできるかと言うと、私は無理だと感じる。











監督が変わっても現段階では無理だろう。











そもそも、スペイン代表は幼少期からそれ用のトレーニングを行う。












ポゼッション率を高めれば失点も減らせるが、得点をするのも難しいのだ。










というよりもパターンがほとんどないのだ。











相手はブロックを敷いてるためスペースは少ない。

スピードのある選手はそこまでいきないし、ポケットをひたすらとる。










ポケットをとれなかったら相手のラインを下げて、クロス。それをヘディング。

あとはミドルシュートだが、それもゴール前はブロックされているので容易くシュートは打てないし、それ相応のシュート技術がいる。










なので、ヘディングが重要になる。










このクロスからのヘディングがなければほとんどポケットをとる事だけをしなければならず、相手は慣れるのだ。












それぐらいポゼッションを高めると得点するのは困難だという事。しかし、失点は減るだろう。











スペイン代表もCFには185cm以上のプレーヤーを配置する。









つまり真ん中にターゲットマンが存在し、なおかつヘディングが得意で体が屈強なフォワードが不可欠なのだ。











日本にも少なからずいるが、どちらかというと裏抜けのタイプが多くターゲットマンになるまでの体格を育てられていないように感じる。











日本人はポゼッションにロマンを感じているが、それは全盛期のバルセロナのイメージであるような気がするのだ。










ポゼッションは決して攻撃的な戦術ではない。








そして、どんな国に対してもポゼッション率を高められなければそれは弱点となってしまうのだ。








1-0や2-1でひたすらゲームをコントロールする日本代表に魅力を感じるだろうか?












恐らくつまらないと感じるだろう。












ポゼッション率を高める代表を見たいのであれば、育成が変わらなければ難しいだろう。














しかし、ポゼッションを極める環境ですら整っていないのが現状である。











なぜ私がここまで育成育成と言うかというと、やはりテニスでの経験だろう。











幼少期、特に10歳から15歳くらいまでに本物のポゼッションのトレーニングをしなければ難しいだろう。











なぜなら、ポゼッションとは相手からボールを奪うためのプレスのしかたも学ばなければならないのだ。












どうすればボールを持とうとしている相手からボールを奪えるかを学ばなければならない。











日本のジュニア年代やジュニアユース年代は未熟なプレスでボールを奪えてしまう。











それは土のピッチのせいもあるし、極端に狭いピッチのせいもあるだろう。













また、オフサイドラインが設定されていないため過度なプレッシャーがCBにかかり結果的にフットサルのようになってしまうせいでもあるだろう。










日本でポゼッションを思考しているチームやパスサッカーと呼ばれているチームを見ても、縦に早すぎるのだ。












もっと後ろで揺さぶって、横から横につけて揺さぶって揺さぶっていかなければならない。











テニスでは、幼少期にできなかった戦術やボールの質はなかなか大人になってから改善できない。













シャビは大脳基底核とよばれる、直感を司る部分でサッカーをする。









つまり考えていないのだ。











考えてサッカーをしないのだ、相手の配置を見ていくつもの記憶から直感で動いているのだ。












それぐらいジュニア年代、ジュニアユース年代はサッカー感の根源になる時期である。











日本の育成がこのままで良いと思っている人はいないだろうが、ある程度の方針はないと難しいだろう。











フィジカルは上げる事はできるが、身長はやはりすぐには伸びない。









CFにターゲットマンが作れないのであれば身長の低い強豪国がどのようにしているかを学ばなければならない。