数日前のこと…
「…なに?ジークフリートが殺られた?」
ここは、『財団エンド』の所有地
先日、“闇の商人”クロノスこと、ジークフリート・アステンブルクが、輝人によって倒されたと言う情報を聞いて、『財団エンド』の幹部達は緊急会議を開いた
「あいつが簡単に殺られてしまうとは…」
「聞いた話によると、その相手となった斑目輝人…アビリティが覚醒したようです」
目の前にあるテーブルに、輝人の資料が広げられる
それは事細かに書かれている
「斑目輝人、日本の愛知県出身。“炎(Flame)”のアビリティを持つネクロで、探偵。元アゲハ族か」
「アゲハ族と言ったら…うちと同じか、またそれより大きな組織でしょ?」
「大きいだけの組織だ。連中は心を助けるなど、下らんことをほざいている軟弱者ばかりだ」
「私は連中の中に、反社の者もいると聞いたぞ?アゲハ族は不思議な組織だねぇ~」
「ゴホン」
1人が咳払いをすると、全員静まり返る
話を元に戻す
「…ジークを倒すとは。同じネクロでも、ジークは“バロウワイト”だ。他のアビリティの影響を受けないハズなのに、奴は負けた」
「どうしますぅ?この…斑目輝人を徹底的に追いますぅ?」
「いいや、ジークを殺しても我々には何のダメージもない。ジークも勝手に“闇の商人”と名乗り、調子に乗っていたからな」
「では…消すべき者ではない?」
「前はどっかの島1つを消したってのに?」
「それは“SATAN”を完全に消滅させるため、多少の犠牲だ。だが注意した方がいい。“バロウワイト”を倒したネクロだ。残りの“バロウワイト”に知らせろ」
「あの命知らずの奴らに知らせて、大丈夫なんですか?実験が成功するかもわからず、化け物がさらに化け物になったんだし」
「それでも我ら“財団エンド”のメンバーだ。声をかけるのは当然だろ」
「でも連絡出来るのは3人だけでしょ?1人は、バカやらかして蟒蛇刑務所にいるし」
「ププッ、ダッサ!まぁ私はあいつ嫌いだったけどね~!」
緊急会議を通して、輝人に関してのデータが、“財団エンド”内に共有された
かつてネクロのアビリティの融合実験に失敗した“バロウワイト”にも、情報が提供された
すぐに“バロウワイト”の3人が集められた
?「…実験に参加したのは6人。徳川十兵衛、ジークフリート・アステンブルク、そして俺達だ」
?「ここに1人足りないみたいだけど、確かやらかしたんだっけ?あの蟒蛇刑務所にいるって聞いたわ」
?「全く情けない…グスッ。“バロウワイト”以前にネクロだと言うのに、アビリティを活かさず、まんまと捕まってしまうなんて…グスッ」
1人はハンカチで眼から出た涙を拭う
?「泣いてんじゃないわよ、みっともないわね」
?「すみません。情けないと思ってしまって、涙が…グスッ」
?「お前の場合、いつも泣いてるように見えるがな」
?「それより、ジークを倒すとはね。この斑目輝人って男、なかなかやるじゃない?顔も私好みだし」
?「あなたの好み、私は理解出来なくて悲しいですね…グスッ」
?「どーゆー意味よ(−_−#」
?「…日本の愛知県と言えば、ネクロによる犯罪が絶えないとか言うが、あの情報は無いのか?」
部下に“あの情報”の事を聞くが、部下は首を横に振る
あの情報とは、“時間関係”のアビリティを持ったネクロの事だ
?「…あの実験が行われて、俺達は何年も探しているが、情報が一切無いとは」
?「出会う確率が難しいですからね…グスッ。出てこなくて、泣いてしまいますよ…グスッ」
?「あったとしても、“時間関係”のアビリティでは、逃げられてしまうこともあるからな」
?「本当、よくあの実験で“時間関係”のネクロが手に入ったわよね」
?「“とある組織”からの紹介だそうだ。結果は…こんなことになってしまったが」
“バロウワイト”は、他のアビリティの影響を受けない身体になったが、その代償として、老若男女問わず、醜い見た目となってしまった
?「私は普段からマスクをしているから、隠すことは出来るわ。まぁ、特殊メイクに通じた部下がいるから、助かったけどね」
?「私は自慢の髪がこんなことになってしまって…グスッ。残った髪を大切にしないといけなくなりましたよ…グスッ」
?「フンッ…だが俺もそうだ。この実験を失敗してしまった時は、顔を隠して過ごすしか無かった。刑務所にいる奴もそうだろうな」
?「早く、見つかるといいですね…グスッ」
?「実験を行うのは構わないけど、元の顔に戻るのかしら?」
?「次は先に実験体を使用してから行うさ。研究チームも、さらに熱を上げているみたいだ」
?「これ以上は、醜くなりたくないですね…グスッ」
一刻も早く“時間関係”のアビリティを持つネクロを見つけ、元の姿に戻る実験を行おうと企画していた
その“時間関係”のネクロが、もう既にいるとは知らずに…