茉莉花『キャアッ!』
…昔、1度だけ負けそうになったことを覚えている。
コウジ『てめぇ…俺の事をフッて、調子に乗んなよ?えぇ?』
…大学生の時、友達に誘われて、合コンに参加した事があった。
そこで出会った“コウジ”って言うホストと出会って、初めて恋をした。
連絡を毎日したり、ホストだったから店に直接会いに行ったり、だんだん好きになっていった。
けど、そいつは顔だけ男だった。
茉莉花『っ…もうあんたの事は好きじゃないって言ってんでしょ!?しつこいわよ!』
…実際に付き合ってみたけど、「前日飲み過ぎちゃって~」と平気で遅刻はするし、お金はいつも割り勘か私が全額払ったり、食事の時の食べ方は汚い、なにより「俺完璧な男過ぎる」って言うアピールがウザすぎた。
だからたった2ヶ月で別れたけど、私がフッたことが気にくわなかったんでしょうね。すぐにストーカーになった。
コウジ『警察にもチクりやがって!このアマぁ!』
茉莉花『きゃあっ!』
…しつこくて、警察に相談もした。けど厳重注意で終わって、逆恨みでコウジのストーカーは悪化した。私は追い込まれて、シャツを無理矢理剥いできた。
茉莉花『や、やめて…!』
コウジ『こうなったら逃げないようにしてやる!既成事実作っちまえば、お前は俺のもんだ!』
茉莉花『い、イヤッ!イヤァアッ!』
…ボクシングでは負けない私だったけど、今回は相手が悪かった。力もあって、私は油断した。
勝てない、そう思っていた。
陽光『おい!俺の姉貴に何しやがる!』
コウジ『!』
…けど、途中で陽光が助けてくれた。同時に警察も呼んでくれたみたいで、コウジは現行犯逮捕された。
だけど私は、正直初めて“負けた”と思った…。
陽光『ん』
茉莉花『…!あ、ありがとう…』
…陽光は私を助けた後で、自販機でピーチティーを奢ってくれた。陽光もその横で、メロンソーダを買って飲んだ。
茉莉花『…情けない姿、見せちゃったわね。ボクシング、強いハズなのに…。あんなのに負けるなんて…』
陽光『いーや、あれは誰が見ても姉貴が負けるよ』
茉莉花『…ハッキリ言うわね』
陽光『そりゃだって…姉貴も女じゃん?』
茉莉花『!…そんな、女だからとか関係ないじゃん。女は弱いとか、思ってるの?』
陽光『そうじゃねぇよ。ただ…姉貴はもっと自分を大切にしろよ』
茉莉花『あんたに何が分かんのよ!あんたはいいわよね!?男だもん!』
陽光『あーもう、うるせぇな!そう言うこと言ってんじゃねぇって!』
茉莉花『じゃあどう言うことよ!?』
陽光『俺にとって、たった1人の家族なんだ!何かあったら心配するだろ!』
茉莉花『…!』
…陽光が勝てないと言ったのは、私が弱いからじゃない
「大切な家族だから」と言う意味だ
たった1人の家族を、失いたくないと思って、陽光は強く言ったのだ
陽光『…俺だって、もう弱い弟じゃねぇんだよ…!姉貴を守れなかったら、死んだ親父達に顔向けもできやしねぇよ…!』
茉莉花『陽光…ごめん、ありがとう』
…大切な家族だから、それが分かって陽光に謝る
茉莉花『…てか、そう言えばなんで私がストーカーされてるって知ってたの?あんたに話したっけ?』
陽光『あ?姉貴が最近、大学にまでグローブ持って行ってたから、気になって姉貴の友達に聞いたよ。“ボクシング同好会に入って~”っだって?そんな同好会聞いたことねぇし、姉貴は女子大だろ?無理あり過ぎ』
茉莉花『いいじゃないの、護身用で持ってたの。いざって時にボコろうと思っていたし』
陽光『ま、とにかく大切にしろよ?母さんが、可愛く産んでくれたんだし』
茉莉花『あんた本当、ムカつくことしか言えないの?』
茉莉花「来るわよ!」
オーバーネクロのキラーツリーから、攻撃が向かってくる
赤いツルを伸ばし、栄養分を狙おうとしている
始「茉莉花さん!こっち!」
茉莉花「えぇ!」
3人は近くの鉄道乗り場へと入る
そこには動物園と植物園をつなぐモノレールが動いているが、今は誰もいない
扉が開いていたのは幸運のため、中に入り、扉を内側から閉める
赤いツルから身を守ることが出来た
茉莉花「ふぅ…なんとか逃げることは出来たわね」
ゆに「お兄ちゃん…どうしよう」
相手はオーバーネクロだ
どうせなら、オーバーネクロになる前にベンジャミンを戦闘不能にしたかったが、この状況だとどうにもならない
茉莉花「…」