真アゲハ 〜第122話 龍 帝3〜 | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、悲しみ、怒り、絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。
※趣味で書いてます。※誤字脱字多いです。



炎「ハァッ!」

ズバッ!と襲いかかってくる合成生物を、炎は中国剣で切り裂いていた
その後ろには、日奈子がいる

日奈子「うわわわ…!」

日奈子は炎の背中にくっついて行動しているものの、襲いかかって来る合成生物に怯えながら進む

炎「日奈子、大丈夫か?」

日奈子「は、はい…!あ!炎さん!」

炎「!」

日奈子が炎の前を見て叫ぶ
すぐに炎は振り返り、中国剣を向けると、そこには蜂の形をした植物がいた
斜めに真っ二つに切られ、中から液体が漏れる

日奈子「うわぁ…」

炎「輝人が見たら、悲鳴もんだな」

怯えもせず、炎は日奈子を連れて進んでいく
2人が今進んでいるのは、昭和区だ
数分前に栗栖達と分かれ、シニスターパイレーツの幹部の1人を追って、ここまで来た

日奈子「…輝人が言った場所が、間違ってないといいけど…」

炎「いや当たってる、俺も双眼鏡で確認した。“奴”がいる…」

先程炎も“千里眼(Clairvoyance)”のカプセルが入った双眼鏡で確認した
昭和区の方に幹部がいるのだが、何故か炎の様子が、ピリついていた

日奈子「炎さん…?」

炎「なんだ?」

日奈子「あの…幹部って、誰がいたんですか?」

炎「…俺のクソ兄貴だ」

日奈子「え…⁉︎」

炎がピリついていた理由が分かった
昭和区に、自分の兄であり、“龍の一族”の長男である龍 帝がいる

日奈子「…まさか、昭和区を選んだのって…」

炎「それ以外何の理由がある?」

日奈子「いや…!待ってください!あの人の力は理解してますよね⁉︎でも…」

炎「日奈子!」

その時、日奈子の背後から巨大な影が現れた
炎はすぐ日奈子をその場から離すが、鋭い何かが飛んできた
牙のようなものだった

『シャァァァアッ…!』

炎「これは…!」

日奈子「きゃあぁっ!へ、蛇ぃ!」

炎と日奈子の前に現れたのは、巨大な蛇の姿をした植物だった
牙と思えるところは、植物の幹の凹凸みたいなもので鋭い
その蛇だけでなく、周りには植物の虫なども増えてきた

炎「チッ、余計なもんばかり増えやがって…!おい日奈子、離れないように…」

日奈子「イヤァァアッ!」

炎「おい!バカ!勝手に行くな!」

日奈子が炎の忠告を聞かずに、蛇を見ただけで逃げ出してしまった
炎は追いかけようとするが、合成生物達が襲いかかる

日奈子「ひゃあぁ…!も、もうヤダ…!」

日奈子が逃げたその先は、鶴舞公園だ
中にある奏楽堂が見えると、そこで思わぬ人物の姿を目にする

帝「…あ?」

日奈子「!龍 帝…っ」

奏楽堂の前に、帝の姿があった
炎の言う通りだったが、まさか遭遇するとは思っていなかった

帝「お前確か…あの探偵と一緒にいた女か…?」

日奈子「うっ…」

こうして実際に話すのは日奈子自身初めてだ
初めてだからこそ、日奈子はすぐに感じた
帝から放たれる、ただならぬ気配を…!

日奈子(な、なにこいつ…!あ、足が震えて…っ)

帝「フン…俺を追いかけてきたのか?」

そう言うと、帝は鞘から七星剣を抜き、日奈子に近付く
日奈子は恐怖を感じ、後ろに下がる

日奈子「ちょ、ちょっと…!来ないでよ!」

帝「…弱い奴には興味ないが、目障りだな」

日奈子「…あっ…!」

後ろに下がってばかりで、後ろにある花壇に気が付かなかった
もう後ろには逃げられない

帝「…死ね」

帝は無防備な日奈子相手に、七星剣を振り上げる

日奈子(…炎さんっ…!)

…ガギィンッ!

帝「…!」

日奈子「…?」

その時、金属同士がぶつかり合う音がした
恐る恐る見てみると、七星剣と中国剣がぶつかっていた

炎「…おい、人の女に手ぇ出してんじゃねぇぞ」

帝「炎…!」

そこに、合成生物達を突破して駆けつけた炎が現れたのだ

日奈子「炎さんっ…!」