真アゲハ 〜第112話 神戸 穣9〜 | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



パンデロナ「ギャアァーーーーッ!」

パンデロナの全身に、消毒用アルコールから火がついた
神戸が『光線(Laser)』を使って火をつけたのだ

神戸「…やっぱ熱も消毒になるんだな…!」

全身に火を浴びたパンデロナは苦しみだし、吐き出した緑色の霧も、火に反応して消える
火を浴びて苦しいのか、パンデロナは手を床につく
するとズズズ…!と赤い球体が出てきた
“核(コア)”が姿を現したのだ

神戸「喰らいやがれっ!」

続けて神戸はガントレットを向けて、マシンガンを発射させる
“核(コア)”を集中的に攻撃し、“核(コア)”を破壊することが出来た

ビキッ…!バリィィィィンッ!

パンデロナ「ギャアァァァァァアッッ!」

“核(コア)”を破壊され、パンデロナは大きな悲鳴をあげる
黒い液体が身体から蒸発し、みるみる小さくなっていく

栗栖「うぅっ…!て、あ、あれ…?」

破良「い、痛くない…?」

緑色の霧に腕が触れてしまい、腕に出来物ができてしまった栗栖と破良だが、痛みが無くなった
腕を見ると、出来物もなく、元に戻っていた

栗栖「も、戻ってる…?」

破良「ほ、本当だ…!よっしゃあっ!」

神戸「やった…!た、助かったんだな…!」

2人の様子を見て、神戸は安堵の表情を浮かべる
パンデロナに勝利したのだ

有馬「…っう…!こ、ここは…?」

緑色の霧が充満していたレストラン内は、霧が綺麗に晴れて、パンデミックの心配は無くなった
その代わり、倒れている有馬の姿があった

有馬「ど、どうしてここに…?私はさっきまで深海コーナーに…」

…ドクンッ!

有馬「っ…!あぁっ…⁉︎」

胸を押さえて苦しみだす
有馬の顔に血管が浮き出て、顔色が悪くなってきた
“核(コア)”を破壊されたせいだ

有馬「あっ…く、栗栖せんせ…!」

栗栖「…!」

栗栖が視界に入ったのか、有馬は苦しみながらも手を伸ばす
それだけでは足りないのか、栗栖の元に這って近付く

破良「な、なんだ?元に戻ったのに…」

有馬「た、助けてください…!私は、私はまだ死にたく、ない…!」

栗栖「…!」

神戸「死にたくないって…でもあいつは…」

栗栖「いいよ、神戸くん」

栗栖は神戸を止めると、有馬に応えるかの様に前に出る
栗栖がこちらまで来てくれると分かり、有馬は笑顔になる

有馬「あぁ…!栗栖先生、貴方は本当に神様の様な人だ…!美しい私を、助けに来てくれるなんて…!貴方を手術した、甲斐が、ありました…!どうか、どうか貴方のその腕で…!貴方のその腕で…、美しい私を助けて、ください…!」

伸ばした手で、栗栖の足を掴む
だいぶ苦しそうで、栗栖なら自分を助けてくれると懇願する
それに対し、栗栖はニコッと微笑んで答えた

栗栖「有馬先生には、私の命を助けてくれた恩があります」

有馬「!では…」

栗栖「だけどごめんなさい。“核(コア)”が破壊されてしまったら、貴方はもう生きていられないんですよ」

栗栖の表情がいきなりスン…となった
その顔に変わった時、有馬はビクッとなる

栗栖「そうなってしまったら、私としても救いようがありません。残念ですが、生きるのは諦めてもらえますか?」

有馬「な、なんですって…!?あ、貴方の腕なら…」

栗栖「冗談よしてくださいよ。俺でも流石にすべての病気を治せませんよ。病気なら、貴方の専門ですよね?解体が得意なんでしょ?どんな症状があるのか、診てみたいんでしょ?死ぬ間際のネクロって、どんな内臓してるんですかね。俺も興味が湧いてきましたよ」

有馬「な、にを…!?わ、私はそんな…!」

栗栖「まぁ見れてもすぐ灰になっちゃうからつまんないですよね。誰も拾わなかったら、この水族館で消えていなくなるかもしれないですね」

有馬「ヒィッ…!し、死にたくない…!死にたくないです!だ、だから助けて…!」

栗栖「…死ぬって、こう言うことなんだよ」

必死に懇願する有馬に向けて、栗栖は見下す
表情は眉ひとつ動かしていないが、それでもものすごい圧を感じる

栗栖「あんたは、そんな死の恐怖を持った患者達の病気を、命を、心を雑に扱ったんだ。絶対に天国に行けると思うなよ」

有馬「そ、そんな…っ」

栗栖「あんたが称賛していた病の身体は、決して美しくなんてない。本当に美しいのは、前向きに病気と向き合い、生きようとする気持ちなんだよ。美しさが売りだと言うあんたは、その気持ちを踏みにじった。あの世で後悔するんだな」

有馬「た、助け」

ドサァァァァァァァ…!

次の瞬間、有馬は灰に変わった
どこからか風が吹き、灰は飛んでいく
その灰が水槽に触れると、赤色から元の青色に色を取り戻した
病に犯された魚達も、また元気に泳ぎだす

栗栖「…やっぱり水族館はこうでなくちゃね。魚達が本当に、美しく泳いでいるよ」

色鮮やかな水槽を見て、栗栖は微笑む

神戸「…さて、残りはあんただな!」

破良「!おいおいおい!たんまたんま!」

神戸が破良を攻撃しようとしたが、止められた
破良はその場であぐらをかく

神戸「あ?どういうつもりだ?」

破良「さっきの怪物…お前はあんなの相手に戦ってんだなと思ってさ。俺はまだダメだわ」

神戸「…!」

破良「降参するぜ、と言うか足を洗うわ。俺は悪党に向いてない」

神戸「破良さん…」

栗栖「…どうやら、大丈夫そうだな」

有馬は死に、破良は降参
こうして見事に突破できたのであった


ー神戸 穣ー







○NEXT●

→クロノスとの対決まであと残りわずかとなった。他の者達が次々に合流していく中、輝人だけはまだ誰とも合流できずにいた。
 だがそれは那取も同じで、誰とも会えていなかったが、赤道の海の水槽前で、因縁の相手であるブラッドとぶつかり合う…!