真アゲハ 〜第99話 エドワルド・ファンタンゴ6〜 | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



目の前に現れたマリンスーツの女性に、眼をまん丸にする
いきなり現れては巨大な怪魚を切り裂いたのだ、誰だってそうなる

ー『アクアリウム』所属 ネクロハンター
 通称“シーアネモネ(イソギンチャク)” 
 アンジェリカ・シュナイダー(当時24)ー

アンジェリカ『よしっ、回収出来た!昨日は海に潜ったからどうしようかと思ってたんだよね〜』

アンジェリカの手にはネクロの灰のカプセルがあった
巨大な怪魚、もといオーバーネクロは“核(コア)”を破壊され、灰となって消滅した
その灰は、もちろん回収した

エドワルド『あなた…何者なんです?今の魚は一体…』

一瞬の出来事で、エドワルドは頭が追いつかなかったのだが、今目の前で、女性が魚を一刀両断したのだ
そんな彼女を、このまま見逃す訳にはいかない

エドワルド『ちょっと、お話を聞いてもよろしいですか?』

アンジェリカ『え?何?』

エドワルド『まず、言っておきたい事があります』

アンジェリカの腕を掴んで、ハッキリと言った

エドワルド『避難指示が出ているはずなのに、海へ向かおうとしないでください!』

アンジェリカ『え?』

エドワルド『荒れている海へ向かうのは自殺行為です!今回は助かったから良かったものの、もし事故で荒海に巻き込まれて命を落としたらどうするつもりだったんですか⁉︎貴方はまだ若いのに、こんな事で命を落とすなんて…』

アンジェリカ『え?何お兄さん、私の事心配してるの?』

エドワルド『!そ、それはそうでしょう!あんな怪物に…』

アンジェリカ『ありがとうね』

と、アンジェリカはエドワルドの頬に向けて、キスをした
突然の事に、エドワルドはさらに赤くなる

エドワルド『ふっ…!ふざけないでください!』

アンジェリカ『あはは!真っ赤真っ赤〜っ!(*≧∀≦*)』

『なんだぁ?あの女は…』
『エドワルドさんが、相手のペースに巻き込まれるなんて…』

エドワルドがからかわれてる様子に、部下達も唖然とする
これが、エドワルドとアンジェリカの出会いだ

あのオーバーネクロが消えてから、海もすっかり元通りになった。だがアンジェリカをドイツ軍へと連れて、事情聴取をした
アンジェリカはエドワルド達とは違う軍隊出身で、先日とある事情で軍隊を引退した
その後は『アクアリウム』と言う組織の“館長”によってスカウトされ、今に至ると言う訳だ

話を聞いたエドワルドは、正直後半の内容は全く理解できなかった
人間が蘇る?人間離れの能力を持つ?ストレスを持つと怪物になる?
どれもこれも全く聞いたことの無い話で、最初はアンジェリカの作り話だと考えた
だが真剣な眼差しで話すアンジェリカを見て、あのオーバーネクロの怪魚を見て、嘘では無いとは思っていた

アンジェリカ『おいで!こっちこっち!』

エドワルド『おい、そんなにはしゃぐな』

アンジェリカが解放されると、すぐにエドワルドと共にレストランへと向かった
そこには、『アクアリウム』の“館長”のナルミと、秘書のハルナの姿があった

アンジェリカ『館長!連れてきたよ〜!』

エドワルド『!…アクアリウムの方ですか?』

ナルミ『あぁ、初めまして。ジョー・ナルミと言います。こちらは秘書のハルナです』

ハルナ『よろしくお願いします』

ちゃんとした紹介はまだだが、すぐにエドワルドは『アクアリウム』だと分かった
アンジェリカが、ナルミをエドワルドに紹介しようと思ったのだろう
4人は食事に入る

ナルミ『驚いたよ、アンジェリカから君を紹介されてね。けど婚約者では無いのは残念だな』

エドワルド『私は彼女と婚約した覚えはない』

アンジェリカ『あははは!館長、面白いでしょ?』

ナルミ『あぁ、本当に面白い』

エドワルド『…それで?こんなところに呼んだわけは?ただ呼んだだけじゃ無いんでしょう?』

ナルミ『うん、そうだね』

ハルナ『よろしいのですか?』

ナルミ『あぁ、そもそも組織を拡大しようとは思っていたからね』

ここに呼ばれたのは、『アクアリウム』へのスカウトのためだ
ナルミは続ける

ナルミ『知っての通り、“アクアリウム”はネクロを狩るためにある。ネクロは様々なアビリティを持ち、使い過ぎれば怪物になる。あれはもう人間ではない』

エドワルド『……』

ナルミ『君の事は調べさせてもらった。私が欲しいのはその力と忠誠心だ。もし良ければどうだろう?君の力で、救ってくれないか?』

ナルミはそう言い手を伸ばす
だが帰ってきたのは

エドワルド『……お断りいたします』

の一言だった