「お〜、もう2月かぁ。年明けて1ヶ月たったんだ〜」
「さぶっ!どおりで寒いわけだよなぁ」
「ねーねー、彼氏にチョコ渡すの?」
「う、うん!今年は手作りを予定してるんだ!」
「ママ〜、みてみて!アカおにさん!」
「あら、本当ね」
“羅刹天-ラクシャーサ-”のボスの劉、そして副ボスの張が亡くなり、1週間が経った
もうすっかり2月となり、節分やバレンタインデーなどのイベントで街は持ちきりだ
つい1週間前まで、殺伐としていた雰囲気だったが、平和が戻りつつある
日奈子「彩耶華〜、これこっちで良い?」
彩耶華「はい、後は私がやりますわ」
この日、日奈子と茜は彩耶華の引越しを手伝っていた
“財前スポーツ”の遺産の凍結が解除し、彩耶華に莫大な財産が入ってきた
だがまた祖父が狙ってくるのか分からないため、前の古いアパートから新居へと引っ越したのだ
今日はその引越し日
選んだ場所は、茜が見つけてくれた
彩耶華の要望を詰め込んだ最高の物件だ
日奈子「わ〜いいなぁ!茜さん、良いところ見つけたね!」
茜「不動産会社に連絡をして、最高の物件を見つけました」
彩耶華「茜さん、この度は本当にありがとうございす。何もかもお手伝いしてもらいまして…!」
日奈子「でも良かったの?彩耶華の財産ならタワマンとか住めたのに」
茜「日奈子様、失礼ですよ」
彩耶華「良いんです、私がずっと狭い所に住んでいたので。それにこの部屋にはロフトがありますし、私ロフトに少し憧れがあったんです。秘密基地みたいで、良くありませんか?」
ロフトを見上げる彩耶華は、まるで幼い子供の様にはしゃいでいる
つい先日まで、こんな振る舞いでは無かった
本当に心の底から、安心出来たのだと思った
彩耶華「ふぅ、これで完璧ですわ!」
日奈子「引越し終わり〜」
茜「さて、では早速お昼にしましょうか。キッチンお借りしますね」
日奈子「おっ、もしかして…!」
茜「引越しと言えば、引越しそばです。昨日私が打ちました」
彩耶華「まぁ!茜さん手作りのおそばですの⁉︎」
茜「こう見えて一時期、長野県でそば職人をしておりました。もちろんお蕎麦は信州そばです」
そう言い茜はそばを取り出し、キッチンへと持っていく
これから茹でるつもりだ
茹でている間に、日奈子と彩耶華は話を続ける
日奈子「…ところで彩耶華、これからどうするの?」
彩耶華「どうするも何も…前にお話しした通りですわ。私は改めて“財前スポーツ”を開業致しますわ」
両親が残してくれた莫大な財産を使い、もう1度“財前スポーツ”を開業する
その為に、まずは様々な準備が必要になる
彩耶華「まずは…ネクロハンターを引退致しますわ」
日奈子「え?いいの?」
彩耶華「元々両親の復讐のために動いていましたもの。復讐を果たせた今、もういる意味はありませんわ。ですのである落ち着いたら、“館長”に話をするつもりですわ」
日奈子「そうなんだね」
彩耶華「それに…辞めるのは、ゆうちゃんの為ですもの」
日奈子「え?」
彩耶華の口から「ゆうちゃん」と出た事に驚く
「ゆうちゃん」とは、彩耶華がまだ幼い頃に近所にいた久保寺優作の事だ
最近久し振りに再会したが、優作は『回復(healing)』のアビリティを持ったネクロになっていた
彩耶華「ゆうちゃん…優作さんはネクロですし、私がネクロハンターのままでは、いつかこの手で優作さんに手を出しそうで、恐ろしいですわ」
日奈子「彩耶華…」
彩耶華「それに、炎先輩や斑目輝人さん、他のネクロの方々を見て、ネクロにも色んな方がいるんだと理解致しましたわ。ネクロ全員が必ずしも、悪とは限りませんし。ですので、ネクロハンターを辞めますわ」
日奈子「彩耶華…もしかしてだけど」
彩耶華「はい?」
日奈子「優作さんの事、好きなの?」
彩耶華「!Σ((((;゜Д゜)))」
日奈子からの発言に、彩耶華はすぐ真っ赤になる
それを見た日奈子は、ニヤニヤと微笑む
彩耶華「ち、違いますわ!た、ただの幼馴染みですのよ!?」
日奈子「え~?彩耶華って、優作さんタイプだったんだ。てっきり炎さんみたいな人が好きなのかなぁと思っていたけどw」
彩耶華「へ!?な、何を仰いますの!?炎先輩は確かに、先輩としては尊敬致しますが、恋愛対象ではありませんわ!むしろ、全然タイプでは無いですし…」
日奈子「え、そうだったんだ~」
彩耶華「あ!まさかこの前の反応…私が炎先輩の事を好きだと勘違いなさったんですの!?」
茜「日奈子様は炎様に恋をしているみたいですからね」
日奈子「茜さん!Σ((((;゜Д゜)))」
内緒にしていたことをカミングアウトされ、日奈子は真っ赤なゆでダコのようになったのだ