真アゲハ 〜第98話 情報部隊“サーディン”1〜 | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



「お〜、もう2月かぁ。年明けて1ヶ月たったんだ〜」
「さぶっ!どおりで寒いわけだよなぁ」
「ねーねー、彼氏にチョコ渡すの?」
「う、うん!今年は手作りを予定してるんだ!」
「ママ〜、みてみて!アカおにさん!」
「あら、本当ね」

“羅刹天-ラクシャーサ-”のボスの劉、そして副ボスの張が亡くなり、1週間が経った
もうすっかり2月となり、節分やバレンタインデーなどのイベントで街は持ちきりだ

つい1週間前まで、殺伐としていた雰囲気だったが、平和が戻りつつある

日奈子「彩耶華〜、これこっちで良い?」

彩耶華「はい、後は私がやりますわ」

この日、日奈子と茜は彩耶華の引越しを手伝っていた
“財前スポーツ”の遺産の凍結が解除し、彩耶華に莫大な財産が入ってきた
だがまた祖父が狙ってくるのか分からないため、前の古いアパートから新居へと引っ越したのだ

今日はその引越し日
選んだ場所は、茜が見つけてくれた
彩耶華の要望を詰め込んだ最高の物件だ

日奈子「わ〜いいなぁ!茜さん、良いところ見つけたね!」

茜「不動産会社に連絡をして、最高の物件を見つけました」

彩耶華「茜さん、この度は本当にありがとうございす。何もかもお手伝いしてもらいまして…!」

日奈子「でも良かったの?彩耶華の財産ならタワマンとか住めたのに」

茜「日奈子様、失礼ですよ」

彩耶華「良いんです、私がずっと狭い所に住んでいたので。それにこの部屋にはロフトがありますし、私ロフトに少し憧れがあったんです。秘密基地みたいで、良くありませんか?」

ロフトを見上げる彩耶華は、まるで幼い子供の様にはしゃいでいる
つい先日まで、こんな振る舞いでは無かった
本当に心の底から、安心出来たのだと思った

彩耶華「ふぅ、これで完璧ですわ!」

日奈子「引越し終わり〜」

茜「さて、では早速お昼にしましょうか。キッチンお借りしますね」

日奈子「おっ、もしかして…!」

茜「引越しと言えば、引越しそばです。昨日私が打ちました」

彩耶華「まぁ!茜さん手作りのおそばですの⁉︎」

茜「こう見えて一時期、長野県でそば職人をしておりました。もちろんお蕎麦は信州そばです」

そう言い茜はそばを取り出し、キッチンへと持っていく
これから茹でるつもりだ
茹でている間に、日奈子と彩耶華は話を続ける

日奈子「…ところで彩耶華、これからどうするの?」

彩耶華「どうするも何も…前にお話しした通りですわ。私は改めて“財前スポーツ”を開業致しますわ」

両親が残してくれた莫大な財産を使い、もう1度“財前スポーツ”を開業する
その為に、まずは様々な準備が必要になる

彩耶華「まずは…ネクロハンターを引退致しますわ」

日奈子「え?いいの?」

彩耶華「元々両親の復讐のために動いていましたもの。復讐を果たせた今、もういる意味はありませんわ。ですのである落ち着いたら、“館長”に話をするつもりですわ」

日奈子「そうなんだね」

彩耶華「それに…辞めるのは、ゆうちゃんの為ですもの」

日奈子「え?」

彩耶華の口から「ゆうちゃん」と出た事に驚く
「ゆうちゃん」とは、彩耶華がまだ幼い頃に近所にいた久保寺優作の事だ
最近久し振りに再会したが、優作は『回復(healing)』のアビリティを持ったネクロになっていた

彩耶華「ゆうちゃん…優作さんはネクロですし、私がネクロハンターのままでは、いつかこの手で優作さんに手を出しそうで、恐ろしいですわ」

日奈子「彩耶華…」

彩耶華「それに、炎先輩や斑目輝人さん、他のネクロの方々を見て、ネクロにも色んな方がいるんだと理解致しましたわ。ネクロ全員が必ずしも、悪とは限りませんし。ですので、ネクロハンターを辞めますわ」

日奈子「彩耶華…もしかしてだけど」

彩耶華「はい?」

日奈子「優作さんの事、好きなの?」

彩耶華「!Σ((((;゜Д゜)))」

日奈子からの発言に、彩耶華はすぐ真っ赤になる
それを見た日奈子は、ニヤニヤと微笑む

彩耶華「ち、違いますわ!た、ただの幼馴染みですのよ!?」

日奈子「え~?彩耶華って、優作さんタイプだったんだ。てっきり炎さんみたいな人が好きなのかなぁと思っていたけどw」

彩耶華「へ!?な、何を仰いますの!?炎先輩は確かに、先輩としては尊敬致しますが、恋愛対象ではありませんわ!むしろ、全然タイプでは無いですし…」

日奈子「え、そうだったんだ~」

彩耶華「あ!まさかこの前の反応…私が炎先輩の事を好きだと勘違いなさったんですの!?」

茜「日奈子様は炎様に恋をしているみたいですからね」

日奈子「茜さん!Σ((((;゜Д゜)))」

内緒にしていたことをカミングアウトされ、日奈子は真っ赤なゆでダコのようになったのだ