真アゲハ ~第67話 白浜 恵介13~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



翌日
斑目探偵事務所に戻った輝人は早速報告書を書き出した

ー“事件は全て解決した。鮫津組の組長の鮫津海若は炎の手によって死亡、若頭の佐々江も爆発で吹き飛ばされた後、南知多町の警察に逮捕されたそうだ。元々警察にも目をつけられていたみたいで、鮫津組は本格的に壊滅した。”

事務所内には、日奈子達と炎、彩耶華もいた
打ち上げみたいなプチパーティーを上げていた

日奈子「今回は私達も頑張ったことだし、大事件を解決できて良かった~!」

ゆに「アゲポヨ~!」

ー“伊能さんが、飛爛珠は元々忍者の武器だと言うことを教えてくれたおかげで、俺も新技が出来た。今後も使っていきたいと思う。だけど…投げ方は少し練習した方がいいな。”

航平「はぁ…凪さん、綺麗だったなぁ」

カンナ「まだ言ってるんですか…(・・;」

事件が無事に終わったと言うのに、航平は大きなため息をつく

ー“瀬戸組の組員も石化が解かれ、元の姿に戻った。瀬戸組の盗まれたお金は、全額戻ってきたが、白浜さんがやったことは絶対に許されないことだ。だから今回は悲しいことに、白浜さんは破門になってしまった。だが、その代わり凪さんと共に2度と目がつけられない場所に逃げることを許してくれたそうだ。それも五体満足の状態で。”

始「白浜さんは瀬戸組をクビか…でも今度は凪さんと安心して暮らせる場所に引っ越せて良かった」

茜「しかもお仕事は、三船様の古いご友人が営んでいる介護施設みたいですよ?白浜さん自身も、介護士資格を持っていたみたいで」

栗栖「今度は別居や苗字を変えることなくて、良かった。…ゴホッ…」

航平「いや別にそうじゃないんですよ…」

彩耶華「もしかして…最後の“あれ”ですか?」

航平「そ」

日奈子「あー、“キス”のこと?」

航平が引きずっていたのは、結婚していた事もそうだが、最後に白浜と凪が熱いキスを見せたのだ
共に暮らせると知ると、2人は全員いる前で熱いキスをしてしまった
その時三船が「皆ー上を見ろー」と、瀬戸組全員は分かったが、輝人達は理解が遅れ、キスを見てしまい、記憶に残ってしまった

ゆに「アチチだったね」

始「人前でキスとか…まぁするくらいお互い好きだったんですよ」

航平「ううう…今でもその姿が頭に残ってるよ~!(;TДT)」

彩耶華「全く…」

栗栖「ゴホッ…ゴホッ…」

輝人「…」

ー“事件は全て解決したのは良かったが、まさかまたクソ兄貴が絡んでいたとはな。アゲハ族の仕事だとか言うつもりだろうが、あれは結局人を傷付けている事に変わりない。またあいつに会うかもしれない。その時は、本当に止めようと思う。”

兄のアサギが関わっていたのは途中で分かったことだが、許されないことをしたのは間違いない
それも本人に悪気なんてないみたいだ
もし次に出会った時は、大きな兄弟喧嘩になるかもしれないが、そのくらいの気持ちで止めようと決めた

輝人「…さて、栗栖。これ頼む」

栗栖「お、終わって…ゴホッ、ゴホッ…!」

輝人「…?」

先程から栗栖の咳が目立っていた
帰ってきてからそうだ

輝人「大丈夫か?風邪か?」

栗栖「あぁ…もしかしたらそうかも。後で薬飲んでおくよ」

輝人「移すなよー?」

炎「…」

楽しい声が聞こえる一方で、炎は黙って何かを考えていた
鮫津の灰を回収出来なかった、凪を見逃してしまったこと、今回はネクロハンター的には仕事は失敗している
だがそれよりも、炎は気になることがあった

炎(…アビリティを持っていたと言うことは…)

それは、あのローブの男の事だった





アサギ「…おっ、お帰り~」

一方、とある建物の屋上
そこにはアサギとロビン、そしてローブの男の姿があった
ローブの男は炎との戦闘の後、鮫津がオーバーネクロになると、隙を見て逃げ出した
岩場の裏側に、1人用のウォーターバイクを隠していたのだ

アサギ「…どう?“弟くん”とお話出来た?」

ローブの男「あぁ…」

アサギ「久し振りだったから驚いたろうね~、まさか“お兄ちゃん”が生きていたなんて。それも、“ネクロ”として…ね」

ローブの男「…」

その時強風が吹き出した
強風に当たると、ローブの男の全身を纏っていたローブが剥がれる
その下の、正体が明らかになった

ーローブの男 改め
 龍 帝(40)ー

その正体は、龍の一族の長男の帝だった
だが、その姿は以前とは違う
赤い衣装に身を纏い、纏めていた髪は下ろしてある
もっと印象的なのは、長い前髪で隠された右半分の顔ぁ

目は白く白濁しており、首から頬にかけて、青く血管が浮き出ている
明らかに普通の人間ではない、ネクロだ

以前中国マフィア“羅刹天ーラクシャーサー”によって龍の一族が崩壊してしまった時、逃げられないと思っていたが、アサギが“REBORN”を射ち込んだ
その結果、ネクロとして蘇ったのだ

帝「鮫津組の連中は大した事無かった。用心棒として向かったが、あの程度では話にならん」

アサギ「あらら、そう?それにしても、本当に良いアビリティを持ったね。最強と言われた龍の一族、その長男がまさかネクロとして蘇ったなんて…他の皆はどんな反応するだろうねぇ~w」

帝「…さぁな」

面白がるアサギを他所に、帝は冷たく答えるのだった


ー白浜 恵介ー





『真アゲハ』キャラクタープロフィールの紹介

今回は2人です!


☆白浜 恵介

①6月11日
②171㎝
③O型
④ホタテのバター醤油焼き
⑤貝殻集め
⑥ギター弾ける
⑦瀬戸組組員→介護士
⑧妻(凪)のみ
⑨鉄櫂
⑩瀬戸組で“鉄櫂の白浜”と言う通り名を持っていたが、今回の事件で破門になってしまった。実は介護士資格を持っていて、その後介護士に転職。
 親に捨てられ、施設に入れられた過去を持っているため、凪の気持ちを理解する。
 極度のカナヅチで、凪に泳ぎを教わっているのはここだけの話。
 

☆白浜 凪

①7月7日
②158㎝
③A型
④海藻サラダ
⑤買い物
⑥水泳
⑦専業主婦
⑧夫(恵介)のみ
⑨潜水ーダイブー
⑩旧姓は汐見。優秀な兄ばかりを溺愛する家に生まれ、その後家族にAV女優として売られ、自殺した過去を持つ。ネクロとして蘇り、今度は海で溺死しようとした時、恵介に助けられ(?)、一命を取り留める。
 気持ちを理解してくれた恵介の事が大好きで、今回の事件の後も「別れたい」と思っておらず、恵介の事を支えたいと思った。
 周りは凪を美人と言うが、本人はそこまで美人だとは思っていない。





○NEXT●

→日奈子と航平がエスポワールの進化を遂げた中、カンナだけまだ遂げずに焦っていた。カンナに何かが足りないと感じた姉のユウナは、特別講習を行うことに!
 その頃『アクアリウム』では、エジプトから来た新しいネクロハンターを向かえようとしていた…!