真アゲハ ~第66話 伊能 孝朝8~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



義丸「そう言う八雲はどーなんだよ、お前だって念願の彼女出来たんだろ?羨ましいぜホント」

鬼嶋「お、おい!止めろって!」

鬼嶋の顔が赤くなる
その反応を見る限り、本当みたいだ

日奈子「え?詳しく聞かせてください~!」

ゆに「興味アリアリですケド~!」

鬼嶋「いやいや、大したことないって!ただ…今年の夏に海水浴に来た子が、ナンパされていたから助けただけだって」

カンナ「わぁ!運命の出会いですね!」

航平「ヤクザだって事は話したんですか?」

鬼嶋「あぁ、ヤクザだって事は話したよ。そしたら…」

始「そしたら?」

鬼嶋「…それでも大好きだって言われた(///∇///)」

日奈子「キャーッ!(*>∀<*)」

真っ赤になって答える鬼嶋に若い日奈子達は盛り上がる
一応言っておくが、ここはヤクザの瀬戸組の事務所だ
普通に盛り上がれる場所ではない

輝人「楽しんでんなー」

恵介「鬼嶋の兄貴の彼女、10歳差なんだ」

輝人「マジで?」

輝人に白浜が話しかける

輝人「白浜さん…だっけ?あんたはどうなんだ?」

恵介「あ、俺結婚してます」

輝人「ファッ!?」

白浜の発言に驚く輝人
聞こえたのか三好と伊倉が入ってきた

重明「そーなんすよ!白浜の兄貴、出会いが3年くらい前でしたっけ?奥さんが海で溺れていたところを助けたとかで!カナヅチなのに助けたとかカッコいい~!」

三好「それで付き合って、去年結婚したとか」

輝人「新婚か」

恵介「止めろっての。まぁ一緒には住んでないよ、別居中。命狙われたら、たまったもんじゃねぇし」

重明「そういや先週会えたんですよね?どーでした?」

恵介「…相変わらず、綺麗だったよ」

重明「ヒューヒュー!(*>∀<*)」

恵介「からかうんじゃねぇよ!重!(#`皿´」

重明「ギャアァァァァア!((((;゜Д゜)))」

舎弟のくせに兄貴をからかうことが許せなかったのか、絞め技を喰らわせる
苦しくて青くなってるが、三好は助けない

三好「ったく…」

栗栖「なんか意外と瀬戸組って、女性関係が豊富ですね」

輝人「栗栖」

栗栖「もしかして、三好さんと伊倉さんも?」

三好「あぁいや、俺と重は恋人はいません」

恵介「でも妹いるよな?何歳差だっけ?」

三好「2歳差です」

栗栖「へぇ、妹さんが…」

三好「でも…あいつ足が不自由なんですよ」

妹の事を想像したのか、三好の表情が変わる

三好「足の病気で…最近は少し歩けるようになりましたが、治療費とか高くなってるので、親の稼ぎだけじゃ賄えないから、俺が稼がないといけなくなって…」

栗栖「それは…大変ですね」

三好「足が治ったら、俺みたいに泳げるようになりたいって言ってくれたので、俺も頑張らないとなって」

輝人「へぇ、泳ぎ得意なのか」

重明「俺と三好の兄貴は泳ぎが得意なだけじゃなく、潜水も得意なんだ。長く潜れるし」

栗栖「ちなみに伊倉さんは?」

重明「俺は姉貴がいます。うちは幼い頃に両親が2人死んじゃって、姉貴が親代わりみたいなもんです。まぁそんな姉貴にはヤクザやってるーなんて言えないですが、生活費は送ってるんです。これまで育ててくれた恩返し~みたいな?」

栗栖「なるほど、お姉さん大切にしてくださいね」

重明「はい!てか敬語とか良いですよ!俺の方が年下ですし…」

輝人「…」

栗栖が白浜達と話している間、こっそり輝人は距離を取る
それを確認した伊能は、輝人に付いていく

輝人「伊能さん」

伊能「何か…分かったのか?」

輝人「分かったと言うか…1つだけ気になることがあって。栗栖から聞きました、瀬戸組の金が盗まれているとかで」

伊能「あぁ……それも知られたか」

輝人「それなんですけど、鮫津組の犯行では無いと思いますよ?」

伊能「!……やっぱりか」

輝人の発言に同意するように頷く
伊能も心当たりがあったみたいだ

輝人「少しずつ減っているとはいえ、毎回隠し場所を変えているんですよね?それでも盗まれ続けているって事は…それを知っている瀬戸組の誰かの犯行だと」

伊能「ハァ……考えたくはねぇけどな。だが何のために?まさか鮫津組のスパイとかだったら…」

輝人「そこはどうか分かりませんが…捕まえるなら今夜やった方が良いですね。罠は俺が考えます」

伊能「すまないな、石化事件を解くつもりがこんなことに巻き込んでしまって」

輝人「いーえ別に。むしろさっきの…飛爛珠でしたね、あれを事故とはいえ投げてきた鮫津組に頭に来てるんです。奴らにも1回痛い目遭わせなきゃならねぇなと」

伊能「そうか、なら良いんだが…。そういや飛爛珠って船の上などの水上戦に効果的なんだが、元々は忍者の武器らしいぞ?」

輝人「え?忍者ですか?」

伊能「詳しいことは分からないが…三船の親父がそう言っていた」

輝人「ふーん、忍者ねぇ……」

『忍者』と言う言葉を聞いて、輝人は何か思い付く
伊能はまだ話し続けた

伊能「それで、罠ってのはどんなだ?」

輝人「!…あぁ、それですが…」

窃盗事件について、輝人はある作戦を伊能に話す
今夜瀬戸組の金を盗む者を捕まえるため、準備をすることにした

…そしてこの事件は、思わぬ方向に展開していく…!


ー伊能 孝朝ー






『真アゲハ』キャラクタープロフィールの紹介


☆伊能 孝朝

①2月28日
②174㎝
③B型
④桜えびのかき揚げ
⑤神社巡り
⑥料理
⑦元兎田組ヤクザ→瀬戸組ヤクザ
⑧母のみ
⑨菜箸
⑩“菜箸の伊能”の名を持つ程、戦闘力はあるヤクザ。元々兎田組にいたが、新組長の反感を買ってしまい、東北へ。組が無くなったことで行き場を失いホームレスになるも、Dr.アルバトロスの実験台にされて『BEAST』になった過去を持つ。
 自分を元の姿に戻してくれた輝人に感謝し、現在は瀬戸組に所属。
 実家は料亭だったため、料理の腕はピカイチ。
 実は貝類が苦手(当たったことがあるから)。





○NEXT●
→女のネクロを探していた炎達だが、姿がどこにもないと言うことが分かった。一方の輝人達も、瀬戸組のお金を盗んだ犯人を捕まえたが、それは瀬戸組の組員で…!?
 一見バラバラに思えた複数の事件は1つとなり、解決に導いていく…!