真アゲハ ~第64話 花鳥風月祭6~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



大綱引きが無事に終わり、次の競技へと入る

三宅『続いての競技は、希望参加者による借り物競争になります!出場する選手の皆さんは、整列してください!』

日奈子「おっ!私達の出番だ!」

ゆに「お~っ!」

彩耶華「2人とも、ファイトですわ」

借り物競争に出る日奈子とゆには参加列に入る
他に出場者は花巻女子学園からは3年の三ツ谷砂羽、梓希、喜屋武、風城大学附属高等学校からは放送部のありす、生徒会長の千晴、月見山高等学校から玲依と涼、誠人の3人だ

玲依「借り物であまり目立たなければ…」

涼「何が当たるかなぁ~?」

誠人「あ、ゆにちゃんだぁ~」

ゆに「やほ~☆」

以前出会った事もあり、ゆには軽く挨拶をする

三宅『なお、解説のありすさんが出場と言うことですので、こちらの解説は私三宅が行いたいと思います!そして鏑木生徒会長!頑張ってくださーい!』

千晴「おーう」

ありす「…ん!」

三宅『では借り物競争のルールを改めて紹介しますと、スタートして、準備をした紙を拾います!そこに書かれている物をゴールまで持ってきてください!ちなみに判定は厳しいので、仮に1位でゴールをしたとしても、条件が達していなければ失格とします!』

日奈子「マジか…頑張ろう…!」

「それでは、位置について…!」

審判がピストルを用意する
最初に走るのは、ゆにと喜屋武が入っている

梓希「喜屋武ちゃん!ファイトッス!」

喜屋武「は~いっ」

日奈子「ゆにちゃん頑張れ!」

ゆに「オケオケ~!」

「よーい…!」

パァンッ!とピストルが鳴り、一斉に駆け出す
と思いきや

ズシャッ!

ゆに「ギャッ!」

日奈子「えーーーー!?Σ((((;゜Д゜)))」

なんとゆにがスタートと同時に転んでしまったのだ
膝から血が滲んでしまう

ゆに「いてててて……」

始「ゆにー!大丈夫かー!?」

転んだゆにに声をかける始
ゆには走り続けるが、痛そうだ

千種「そうだ、ゆにって運動音痴だったっけ?」

飛鳥「だから今回の競技借り物しか希望しなかったのね」

輝人「あ~……そうだ、あいつ体力ねぇんだった…」

ゆには運動音痴なうえ、体力もあまりない
その事は輝人達も知っていたが、今まで忘れていた

栗栖「大丈夫だよ!落ち着いて行こう!」

ゆに以外の選手は紙を拾い、そこに書かれている物を探しだす
すると喜屋武が輝人達のところにやってきた

航平「ん?喜屋武ちゃん?」

カンナ「彼女と知り合いですか?」

航平「あ、同じアルバイトの子だよ」

喜屋武「航平さーん!降りてきてくださーい!」

航平「え!ご指名!?」

まさかのご指名に航平は驚く
女の子からのご指名とあらば、応えねばならないとすぐに降りていく

航平「どうしたの喜屋武ちゃん?」

輝人「すげぇな、あいつ3秒であっちまで降りたぞ?」

栗栖「普段もあれくらい早ければいいのに……(・・;」

喜屋武「あ、あのですね…!」

喜屋武は拾ったメモを航平に見せる
それを見た航平は、喜屋武の手を取り、ゴールまで走り出す

梓希「あ、あれ!?あれって日奈子さんと同じバイト先の……」

日奈子「え!航平さん!なんで!?」

航平と走り出した事に日奈子は驚く
それは輝人達も同じだ

東郷「なんだぁ?何を引いたんだ?」

カンナ「バイト先の先輩?それとも…好きな人とか?」

輝人「そりゃねぇってw」

何が書かれていたかは不明だが、一目散にゴールへと目指す
他の選手も、人や物を運んでゴールへと向かう
一方のゆにも、メモを取る

ゆに「…えぇ?」

メモを見て、ゆには首をかしげる
そして会場全体を見渡した、何かを探しているみたいだ

始「ゆに?どうした?」

ゆに「えっと…えーっと……」

三宅『おーっと!1番乗りにテープを切ったのはぁ…!』

ゆにが迷っている隙に、借り物競争の1位が決まった
喜屋武と航平のペアだ

喜屋武「やりました~!」

航平「う、うん…そうだね…(´Д`)」

1位でゴールをしたと言うのに、航平は喜んでいなかった
むしろ、がっかりした顔をしていた

三宅『1位おめでとう…と言いたいですが、問題はお題です!一般席の男性を連れてきましたが、一体何が書かれていたのでしょうか?』

放送席からマイクを片手に離れて、喜屋武のところへと向かう
喜屋武は気付いて、三宅にメモを渡した

三宅『えっとお題は…“パシリになってそうな人”?』

喜屋武「はい!と言うかいつもアルバイト先の店長の買い出しに航平さんが行ってるので、そうだなって思いまして!」

航平「こんなお題で呼ばれたって嬉しくないよぉ!( >Д<;」

輝人「ダハハハハハハ!思われてやんの!(((*≧艸≦)」

カンナ「間違いなくパシリですね」

栗栖「おいおい…(・・;」

次々にお題を持ってくる生徒がゴールをするが、ゆにはまだ見つかっていない

ゆに「え~?“女装してる人”なんてどこにいるの?無理ゲーだし!」

玲依「うぐっ…(・・;」←女装してる人

誠人「ねぇ、行ってあげたら?これじゃ終わらないよ?」

玲依「出て行ったら俺の正体バレるからいい…!(・・;」

ゆに「あぁ~~~~んっ(;TДT」

誠人「泣いちゃった!」