日奈子「……落ち着いた?」
彩耶華「…はい…」
泣き出した彩耶華を連れて、別の場所へと移動した
近くの公園のベンチで彩耶華が落ち着くと、日奈子は飲み物を持ってくる
日奈子「美味しいよ、どうぞ」
彩耶華「……ありがとうございます」
恐る恐る飲み物を手にする彩耶華
チラッと日奈子の顔を見ると、日奈子の頬が少し赤くなっている
さっき感情に任せて叩いた傷だ
彩耶華「……ごめんなさい、叩いてしまって……」
日奈子「ううん、気にしないで?財前さんの本音が聞けて、良かったよ」
彩耶華「!…あれは…その……」
日奈子「やっぱり、他の人を巻き込みたくないからだったんだね。避けていたのは」
以前日奈子は、別の公園で遥に話を聞いてもらい、アドバイスを貰った
遥の言う通り、彩耶華が他の人を避けていたのは、自分の事に巻き込みたくないからだった
また両親みたいに、殺されてしまうんじゃないかと恐れていた
彩耶華「…満足ですか?私の話を聞けて」
日奈子「…うーん、満足って事ではないけど」
彩耶華「なら分かっていただけますか?私は、他の人が…私の両親を殺したネクロに、殺されるところなんて見たくありません。友達を作らないのも、作って失ってしまえば、また辛いだけですもの。分かったなら、私から離れていただけませんか?」
日奈子「それは…ヤダよ」
彩耶華「…貴方人の話を聞いていましたの?私は…」
日奈子「巻き込みたくないから作らない。それで…財前さんは良いの?」
彩耶華「良いんです。と言うか、もう終わりますので」
日奈子「え?終わるって?」
彩耶華「とある方が…」
彩耶華が話そうとしたその時だった
突如彩耶華が持っていた飲み物が爆発した
いや、何かが当たって爆発したのだ
日奈子「うわっ!あぶなっ!」
彩耶華「な、何ですの…!?」
?「コラコラ~、簡単に話しちゃダメでしょ?」
彩耶華「!」
日奈子「あっ…!」
声がした方を見ると、滑り台があった
その上には、2人を見下ろすかの様にアサギがいた
アサギの手には、ラッパ型の銃があった
アサギ「財前さん、お約束の時間とっくに過ぎてるよね?連絡くれなくて、フラれたと思ったんだけど?」
彩耶華「あ、浅木さん!どうしてここに…!?」
日奈子「なっ、なんでいるのよ!斑目アサギ!」
彩耶華「え?ま、斑目…!?」
日奈子はアサギをもちろん知っている
彩耶華は“本名”を聞いて、戸惑いを見せる
彩耶華「あ、浅木さんの事をご存知ですの?」
日奈子「知ってるも何も、輝人のお兄さんだよ!」
彩耶華「え…!?えええっ!?」
日奈子「でもすっごく最低な男だよ!…って財前さん、あいつと知り合いなの!?」
アサギ「そっ、昨日会ったばっかりなんだよね~♪」
滑り台からスルーッと降りて、アサギは綺麗に立つ
彩耶華はアサギを睨み付ける
アサギ「でも話しちゃダメでしょ?せっかく君の復讐を手伝ってやろうと思っていたのにさ。まぁ時間切れだから、もう出来ないけどね」
彩耶華「貴方…私を騙しましたの!?まさか斑目輝人の兄だなんて…!」
アサギ「騙すなんて人聞き悪い。勘違いしたのは君の方でしょ?この名刺で俺の名前が“浅木(アサギ)”だって思い込んだくせに」
彩耶華「くっ…!」
日奈子「ちょっと!財前さんに何を言ったの!?」
アサギ「何って?その子の復讐を手伝ってあげようかなって思ってさ。ほら、俺って苦しむ人を放っておけない性格だから、殺したいネクロを探してあげるって提案したんだよ。そんで見つけた後は、その子に任せるって事にしたんだ。これ以上にない条件でしょ?」
日奈子「そんな…!」
アサギ「俺ってば優しいね~、苦しむ女の子のために、わざわざネクロを用意してあげるなんて!ネクロハンターの彼女にとって、一石二鳥にもなるよ!」
彩耶華「!貴方…どうして私がネクロハンターだと!?」
アサギの台詞に反応した彩耶華
「あっ」と気付いたのか、アサギは手で軽く口を覆うが、既に遅い
アサギ「……あちゃ~、バレちゃった。せっかく良い感じに動いてくれそうだったのに。昨日だって俺があのチンピラ2人を雇って、俺がヒーローの様に見せたのにさ」
彩耶華「な、何ですって!?」
アサギ「あ、また言っちゃったw」
アサギの台詞から、昨日の出来事のネタバレをされた
昨日彩耶華に絡んできた2人組の男、あれは事前にアサギから命令されて、やっていたのだ
そうなると、アサギが入ってきたところは、自作自演だ
彩耶華「あなた…騙したのね!てことはネクロを連れてくると言うことも…」
アサギ「あらら、もうバレちゃったよ。上手く行ったと思ったんだけどな、所詮は子供か」
日奈子「あんた……財前さんに何かしたら私が許さないわよ!」
アサギ「何が出来るの?1人を説得も出来ないくせに、俺に勝てると思うなよ!」