日奈子「…はぁ~…」
茜「朝から元気がありませんね、日奈子様」
翌日、日奈子は登校途中の車の中でため息を付く
それもそのはずだ
昨日彩耶華の正体が、ネクロハンターだと言うことに気付いたからだ
日奈子「財前さんの事は少し知ったけど…だからって輝人が狙われるなんて納得行かないよ…。悪いのは輝人じゃないのに…」
茜「…今は財前様の事はそっとして置きましょう。介入すればするほど、余計に話が拗れてしまいますよ」
日奈子「…そうだね」
茜「今日から日曜日までは珍しくアルバイトも入ってませんので、ゆっくりお休みしてはいかがでしょうか?気分転換も大事ですよ」
日奈子「…うん、行ってきます」
車を降りて、日奈子は校門をくぐる
するとすぐ、彩耶華の後ろ姿を見つけた
日奈子「!ざい…」
声をかけようとするが、茜に言われたことを思い出す
今回は、茜のアドバイスに従った方が良いと思ったからだ
日奈子「…落ち着いた時に話そうかな」
?「ねぇ、ちょっと良いかしら?留学生さん」
日奈子「あっ…!」
聞き覚えのある声に、日奈子は反応する
見ると彩耶華の前に、藤咲らんる達が現れた
3人とも、ニヤニヤしている
彩耶華「…何ですの?」
らんる「ちょっと噂で聞いたんだけど…貴方、あの財前スポーツのお嬢様何ですって?」
彩耶華「…!」
日奈子(え!?な、なんで…!)
らんるが何故その話を知っているのか驚く日奈子
らんるの事だから嫌な予感しかしない
「財前スポーツって…あの?」
「確か…社長さんと奥さんが焼死体で発見されたって事件の…」
「え?財前さんってもしかして…!」
「同じ名字だからまさかと思いましたけど…!」
周りに登校していた女生徒達は、らんるの話に聞く耳を持つ
らんるはさらにニヤニヤする
らんる「噂じゃあ、貴方のお父さんが亡くなって、遺産は凍結したハズよね?ならこの学校に留学どころか、風城に通えないハズよね?一体ど~やって学校に通っているのかしら?」
秋菜「そうよね、どう考えたってありえないし」
朋美「ありえないし」
彩耶華「…」
らんる「貴方、学費とかどうやって稼いだの?まだ凍結は溶けてないハズよね?もしかして…ヤバいバイトでもやっているとか?」
彩耶華「…貴方達には関係ありませんわ、失礼します」
そう言って彩耶華は横を通り過ぎようとするが、取り巻きの秋菜と朋美が入る
秋菜「ちょっと!らんるが聞いてるんだけど!先輩無視するとかあり得なくない!?」
朋美「あり得なくない!?」
彩耶華「通して頂けますか?私、急いでますので」
らんる「この前も私を無視しておいて、良い度胸じゃない?あぁ、そっかぁ。逃げるって事は認めているのね、ヤバイお仕事してるってw」
日奈子「財前さん…!」
彩耶華がらんる達に囲まれて困っている
他の女子生徒達もその様子を見ているが、誰も助ける様子がない
それほどらんるが怖いのだろう
だが日奈子は放っておけない
日奈子(茜さんに言われたばかりだけど…!)
絡まれている彩耶華を助けようと前に出る
しかし
彩耶華「…はぁ、お嬢様学校に通っていると言うのに、そんなお馬鹿な発言しか出来ないのですか?よくこの学校に通えましたわね」
らんる「…はぁ!?あんた、今なんて言った!?」
彩耶華「お馬鹿な貴方に構っている暇はありませんわ、失礼しますわね」
らんる「あんたねぇ…!調子こいてんじゃないわよ!」
彩耶華「!」
彩耶華の発言に頭に来たのか、らんるは彩耶華の胸ぐらを掴む
その時だった
…ポカッ!
らんる「いたっ!」
らんるの頭に何か痛みを感じた
見ると、空っぽのペットボトルが頭に乗っていた
砂羽「…」
らんるの後ろに3年の三ツ谷砂羽がいた
砂羽が、らんるの頭を空っぽのペットボトルで叩いたのだ
日奈子「…三ツ谷先輩…」
らんる「ちょっ…!何するのよ!」
鎧塚「一体何の騒ぎだー!?」
そこに遅れて教師の鎧塚が入る
鎧塚が眼に入ったらんるは、彩耶華から手を離し、その場をすぐ去る
らんる「い、行くわよ!」
彩耶華「…フゥ」
鎧塚「だ、大丈夫?」
彩耶華「はい、平気ですわ。ご迷惑おかけしました。それと、先輩もありがとうございます」
砂羽「…」
そう言って彩耶華は、教室へと向かう
日奈子(…何も、出来なかった…)