真アゲハ ~第50話 鹿島 現次郎1~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



10月に入ったばかりのある日

バンッ!

丑和「失礼!邪魔するぜ!」

輝人「うおぉ!ビックリしたぁ!Σ((((;゜Д゜)))」

斑目探偵事務所の扉が突然開いた
入ってきたのは、日奈子達が初めてのアルバイトをした時に出会った、レストラン『FRIENDSHIP』の蛙間丑和と、その弟の鎌足だ

今の時間はお昼の正午を過ぎて、輝人と栗栖も昼食を取っていたのだが、突然の来訪に驚く

輝人「誰かと思えば蛙兄弟かよ…」

丑和「久し振りだな!依頼をしたいんだ!」

栗栖「あの…今昼休憩中なんです。ご依頼なら」

鎌足「“受けない”って言ったらブン殴るぞ!」

丑和「止めろって!」

栗栖「ビックリした…日奈子ちゃん達から聞いていた通りの人達だな」

以前「“透明人間”を捕まえて欲しい」と言う依頼があり、その“透明人間”がいると思われるレストラン『FRIENDSHIP』に来た日奈子達
だが“透明人間”を追っている内に店をめちゃくちゃにしてしまい、挙げ句には“透明人間”がオーバーネクロとなり、半壊状態になってしまった

しかし今では新装開店し、違う方針の店を始めたことで大繁盛しているのだ

昼食を食べ終えた輝人と栗栖は、蛙間兄弟から話を聞くことにした

輝人「んで?何しに来たんだよ。俺のせいでほとんど店が崩壊したんだから、ここには来たくないハズだが?」

丑和「その通りだ、本来ならお前のところに来たくもなかった。だがそうは言ってられん事態が起きたんだ」

丑和は自分の鞄からスマホを取り出して、画面に触れる
そしてあるページを開くと、輝人達に画面を見せた

輝人「…?“レストラン『FRIENDSHIP』は、『Sea Happiness』のパクり”だぁ~?」

それは、名古屋市内のレストランや居酒屋などの店を紹介する特集ページだ
ここで紹介されているレストランや居酒屋の下部にコメント欄があり、そこに口コミを書くことが出来るので、「どんな店に行こうかな~」や「何があるんだろう~」などの悩みが解決するので、グルメ家や外食好きの方におすすめのページだ

先程から出ている『Sea Happiness』は海産物が主役のレストランで、海産物をふんだんに使ったパエリアやシーフードパスタが名物となっている
店内もおしゃれで、若い女性の女子会などにも利用されて、大人気だ
そのおかげもあってか、口コミは好評価だ

一方で蛙間兄弟が開いている『FRIENDSHIP』も載っているのだが、そこに載っていた口コミは、想像とは違うものだった

栗栖「何々…?“ボクシングの試合を観戦しながらの『FRIENDSHIP』だが、元々のレストランの店内は、まるで『Sea Happiness』の外見そのものだった。これはパクりだと訴えられたのか、店の内容を変えたらしい。味は普通、『Sea Happiness』のパクりでも、味はパクれなかったみたいだ”…って」

丑和「うちはパクってねぇし!」

輝人「いや前はお前らのとこの料理人がやらかしたんだろうが」

鎌足「うっ…そ、それはあいつが勝手に!」

以前は“透明人間”の正体だった料理人が、他の店で食事をしてそれをパクって『FRIENDSHIP』で提供していた
その料理人はもういないため、パクる事はない

輝人「そもそも店内パクりって言うけど…これ担当者の好みだろ絶対」

栗栖「え?どう言うことだ?」

そのページに載っている『Sea Happiness』と『FRIENDSHIP』の店内の写真を見比べるが、色や雰囲気は違うが、どこか同じように感じられる

輝人「『FRIENDSHIP』は外見は船で、その中にあるレストランだったろ?だからその雰囲気に合わせた内装にしたんだと思う。その一方で『Sea Happiness』は船ではないが、海産物がメインと言うことで、海の近くにある様なレストランをイメージしたと思える。つまりこれは担当した建築家の好みで、違くても、似たような造りになっちまったんだよ」

栗栖「本当だ…言われてみると、どこか似てるな」

丑和「詳しいんだな」

輝人「まぁ、仕事関係でちょーっとこう言うの勉強しただけだ」

丑和「だが、これのせいで“パクり”なんて言われて…前は繁盛してたのに、今じゃそれの半分ぐらいしか稼げなくなってきた。お客も少しずつ減ってきたし…」

輝人「何なら店内の壁紙を変えた方がいいだろ?」

鎌足「そーしたさ!だがこのコメントがあったせいで、うちの店の前を通り過ぎる客達は、“あそこパクり疑惑あるから~”とか“著作権侵害じゃん”とか言ってきて!何も知らないくせに!もー我慢ならなくなったんだ!」

丑和「だから頼む!このコメントを書いた奴を俺達のところに連れてきて欲しいんだ!そして誤解するようなコメントを書いたことを詫びてほしいんだよ!そしてコメントを消して欲しいって言うんだ!」

ソファから離れて、床に土下座をしてまでお願いする蛙間兄弟
引き受けるつもりは無かったが、輝人は仕方なく引き受けることにした

栗栖「…あいつら帰ったけど、コメントを消して謝罪とかって出来るのか?」

輝人「いーや無理だな」

栗栖「え?」

輝人「正直ここからは弁護士の仕事だ。実際コメントがあったせいで、店の売上げが格段に下がってきている。おまけにパクりだと決めつけるなんて、立派な営業妨害と名誉毀損だよ」

栗栖「な、なるほど…」

輝人「まぁ引き受けた依頼は最後までやるが…一旦この口コミを上げた奴を調べてみますか」