真アゲハ ~第45話 五月雨 裕次郎5~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



キィンッ!キィンッ!キィンッ!

輝人と骨喰の戦闘が始まり、お互いの刃がぶつかり合う
その様子を、外野から炎は見ていた

炎「何て速さだ…」

初めて見る“辻斬り”の剣さばきに興味を持つ
骨喰の剣術は素早いだけではなく、技も極めているため、対戦をしていなくても、骨喰が強いと言うことが分かる

炎(あの速さで人間だと…?ネクロでもおかしくない速さだぞ?)

栗栖「あ!炎!」

そこに栗栖や日奈子達が駆けつけた
先程の電話で気になったのか、全員で輝人を見に来たのだ

栗栖「!…やっぱり始まっていたか…」

日奈子「輝人は…!?」

炎「…まだ戦闘中だ。だが…」

輝人と骨喰の戦闘を見ると、輝人が押されていた
それもそのはずだ
訓練を続けてきた輝人でも、“辻斬り”と呼ばれるほどの実力を持つ骨喰の力に圧倒されてしまう

ズバッ!

輝人「っ!」

最初は素早さに付いて来ていたが、頬や身体に刃が入るようになった
避けてはいるものの、傷だらけになる

日奈子「輝人…!」

前回の偽者の“辻斬り”の時、傷付いても立ち向かった輝人だったが、その時にサーベルが折れ、眼帯も切れてしまった
それが引き金となってしまい、オーバーネクロとなった

また再びオーバーネクロにならないか心配で仕方ない
それは日奈子だけじゃなく、他のメンバーも同じだ
だが今回は栗栖の助言通り、輝人に任せることにした

栗栖「…ん?あれは…」

輝人の近くで横たわっている世良を見つけた
頭に輝人の上着がかかっているが、状態は想像出来た

栗栖「そんな…百地さん…」

始「え?あ、あれ!?百地さん!?」

輝人「!始…?皆も!?」

始の声で、日奈子達が駆けつけた事にようやく気付く
しかしそれが骨喰の攻撃を許す隙を作ってしまった

骨喰「どこを見ている」

輝人「!しまっ…!」

ズバッ!

余所見をしてしまったことで、輝人の脇腹に刃が入ってしまった
脇腹から血が流れる

輝人「っう…」

始「あ!す、すいませっ…!」

自分が声を出した事で輝人が余所見をしたんだと思い、始は謝罪する
怒られる、そう思っていたが違った

輝人「…ってぇ…!腕取られなかっただけ良かった…!」

始「…え?あれ?」

ゆに「怒ら…ない?」

輝人が始を怒らずに、自分の傷を見たのだ
それだけじゃなく、骨喰に話しかける

輝人「…悪い、俺の仲間だ。邪魔はしないから見学だけいいか?」

骨喰「…良かろう、邪魔した時は斬る」

輝人「いいよ」

航平「いや良くない良くない!」

カンナ「てか普通に会話してますよあの2人!」

輝人「栗栖悪い、百地は間に合わなかった。もうダメだ」

栗栖「!…分かった…」

骨喰に許可を得てるだけではなく、栗栖に死んだ世良の事も報告した
その様子を見て、改めて日奈子達は確信した

全員(落ち着いている…!)

と。

骨喰「…仲間か…。仲間など不要な存在だ。そんなものは、弱い象徴だ」

輝人「!…弱いか?俺はそうとは思わねぇな」

骨喰「仲間と言うのは、弱き者の集まりだ。その弱き者を守るための剣など、さらに弱い証拠だ」

輝人「弱い弱いって…お前なんでそう決めつけんだ?」

反撃を考えた輝人だが、骨喰の言葉に気になるものがあった

輝人「仲間を持つ事が弱いとか…どうしてそんな風に思える?お前は、仲間を持ったこととかねぇのか?」

骨喰「……ない。それを持って、守ったとしても、弱ければなんの意味もない」

輝人「え…?」