真アゲハ ~第45話 五月雨 裕次郎1~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



○前回までのあらすじ●

→“辻斬り”骨喰影近との戦いを控えていた輝人は、訓練を重ねていた。そんなある時「“辻斬り”を探してほしい」と百地世良から依頼が入る。彼女の正体は元フランケン一族の人間で、目的は骨喰を殺すためだ。
 決戦当日輝人は、約束の場所である神社へと向かうが、世良が邪魔をしてしまい先を越されてしまう…!





日奈子「…え!?もう行っちゃったんですか!?」

輝人と骨喰との戦いが気になった日奈子達は、急いで探偵事務所にやってきたのだが、既に輝人は出ていってしまった

ゆに「うっそぉ…友達との約束断って来たのにぃ~」

航平「俺もうどん屋のバイト“腹痛い”って仮病使って早退したのにぃ…」

カンナ「それはいけませんよ」

始「栗栖さん、なんで止めなかったんですか?」

探偵事務所には栗栖もいた
だが止めなかったのは、輝人の気持ちを優先した

栗栖「輝人とは約束したんだ。絶対に生きて帰ってこいって」

日奈子「でも…前みたいにオーバーネクロになったら…!」

栗栖「分かってるよ、俺だってそこは心配だ。でも輝人は、その事を後悔していた」

茜「でしたら尚更…」

栗栖「でもそれは、自分が弱かったからって言ってた」

日奈子「え…?」

栗栖「…輝人はこの数ヵ月で、前よりも強くなったと思う。自分なりに努力して、様々な敵と戦った。そして色んな人と出会って、今の輝人になった」

日奈子「それでも…!」

栗栖「俺も前聞いたことと同じことを聞いたよ。でも、今回は輝人を信じたいと思う。輝人は絶対に勝つ」

始「栗栖さん…」

日奈子「…栗栖さんが、そう言うなら…」

以前は止める側だった栗栖の考えが変わった
それに輝人もこの数ヵ月でかなり強くなってきたのは事実だ
栗栖の言う通り、今回は信じたいと思った

すると栗栖のスマホに電話が入る
輝人からだ

栗栖「輝人?…もしもし?どうした?」

栗栖は電話に出るが、出たのは輝人じゃなかった

炎『…栗栖か?』

栗栖「え…?炎?なんで?」

ネクロハンターの炎だった

栗栖「なんで輝人のスマホに…?輝人はどうした?」

炎『今日が例の“辻斬り”と決戦の日だとツバサから聞いて、心配だから輝人の様子を見てこいと言われて後を追ったんだ。そしたら案の定、罠にかかっていた』

輝人『ゲホッ…ったく服が白くなったじゃねぇか…!』

炎の後ろで輝人の声がする
何かイライラしてるようだ

栗栖「え?罠?…てか輝人は無事なのか!?」

日奈子「え?何々?」

栗栖の電話が気になったのか、日奈子達も近くに寄る

炎『無事だが…白くなってる』

輝人『あーもう良いから!つかもう返せ!』

電話の向こうで輝人が炎と変わる

輝人『栗栖か?悪いな、身体石灰で白くなったから炎に電話変わって貰った』

栗栖「輝人、罠ってどう言う…」

輝人『それより栗栖、事務所調べてくれるか?』

栗栖「は?待ってくれ、状況が分からないんだが…?」

輝人『俺を罠にはめたのは、百地世良だ。あの女、石灰入りの煙玉みたいなもの使って、俺を“辻斬り”のところに行かせないようにしたんだよ!』

栗栖「え?ど、どうして…」

輝人『罠を仕掛けられるって事は、行き先がバレていたって事になる!まさかかと思うが、俺らのところに依頼に来た時に盗聴機を仕掛けたかもしれねぇ!』

栗栖「な、なんだって…!?」

茜「栗栖様!テーブルの下に小型の機械がありました!」

電話を横で聞いていた茜はすぐ行動した
ソファに挟まれたテーブルの下に、小型の盗聴機があったのだ

栗栖「…輝人、言った通りだ。テーブルの下にあったって」

輝人『チッ、あの女…!』

始「だけどどうして…」

栗栖「まさか…輝人より先に“辻斬り”を…!?」