紗綾『そっか、今日は泊まるんだね。私は大丈夫だよ、久し振りの実家でゆっくりしてる。宙人もウキウキしてるから、私達が恋しくなったら迎えに来てね?』
熊八「ウン、おやすみ」
その日の夜、熊八は薫子の家に泊まることになった
薫子は徹からもらったサボテンに、霧吹きで水をあげている
薫子「…熊八ったら、私の事は大丈夫だから良いって言ったのに泊まるなんて」
熊八「姉さんガ、心配ナンダ」
薫子「もう…結婚しても姉離れしない。明日はちゃんと紗綾ちゃんのところに帰るんだよ?紗綾ちゃんだって暇じゃ無いんだから」
熊八「…姉さん、本当ニあの人ト付き合うノ?」
幼少期から自分を親の代わりに育ててくれた姉の初めての恋愛に戸惑っているかもしれない
だが、薫子が好きなタイプの徹が、薫子の事を貶していたところが、どうにも我慢ならないのだ
そんなことを気にせず、全力で恋をしている姉の姿を見て、応援した方がいいのか、反対した方がいいのか、複雑な気持ちだ
薫子「徹くんは口は悪いけどいい人だよ?熊八も仲良くなれば分かるよ。とりあえず約束を果たさないと。サボテンの花が早く咲いて欲しいなぁ~」
熊八「…ソッカ」
薫子が幸せなら、それでいいのかもしれない
徹がどんな人物なのかまだ理解出来てないのは、今日初めて出会ったからだ
これから家族になれば、自身の気持ちも変わるかもしれない
そう思った熊八は、自身を納得させ、床に付く
薫子もしばらくして、床に付いた
それから数時間経った真夜中、突然異変が起きた
…メキッ…!
熊八「…うン?」
謎の音がし、熊八は目覚めてしまった
時計を見ると、夜中の3時だ
熊八「…まだ夜中カ…」
…メキッ…!メキメキメキ…!
熊八「ナンダ?変な目覚まシだ…ナ…?」
眠気が強くて重い瞼を何とか開けて、謎の音の正体を知ろうとする
しかし、目に入ったのは異様な光景だった
バリバリバリバリバリバリ…!
熊八「……エ?」
なんと、徹からもらったサボテンが、動いていたのだ
それも4つに割れ、中から触手のような物が現れ、台所の冷蔵庫や戸棚、床下倉庫などの扉を開けて、食べ物と言う食べ物を隅々まで、自身の中に入れていく
まるで食べている様だった
熊八「(◎-◎;」
植物が食事をしている
その光景に熊八は驚きのあまり、気絶してしまった
バリバリバリバリバリバリバリバリ…!
その間もサボテンは食べ物を食べ続け、テニスボールくらいの大きさが、バスケットボールくらいの大きさになっていく
そして翌朝
輝人「…んで、朝起きたらこんなにでかくなっていたと?」
薫子「うん!」
薫子が朝一番で斑目探偵事務所に駆けつけたのだ
バスケットボールくらいの大きさになったサボテンを持って
しかも夜中に生えた触手はない
航平「いやいやいや!なんでテニスボールがバスケットボールになんの!?どんな育て方したらそんなに大きくなるの!?」
薫子「きっと私と徹くんの愛のおかげだよ(*^^*)」
日奈子「いや絶対違うと思いますよ!?」
熊八「ア…ア…ア…」
栗栖「ん?熊八くん?どうしたの?何か、あったの?」
熊八「…夢ジャ、なかッタ…」
珍しくガクガクしている熊八
昨晩途中で気絶してしまい、夢だと思っていたが、現実でサボテンが大きくなっていたことを知って、夢では無いことが分かった
薫子「熊八が変なこと言うんだよね、昨日の夜サボテンがうちの食べ物を食べたって。熊八、夜中にお腹空いたからって、サボテンのせいにしちゃダメだよ?昔からよく食べる子だとは思っていたけど、冷蔵庫の中とか戸棚の物とか全部食べるなんて…」
熊八「そんなコト、シナいモん!」
熊八は薫子にそう伝えたのだが、熊八が食べ物を食べたと思い込んでいる
信じて貰えてないみたいだ
航平(熊八くんが大きいのはご飯をたくさん食べていたからかぁ…)
輝人「おいゆに、解析頼むわ」
ゆに「いや無理ゲーですケド!?植物相手に解析て!」
栗栖「にしても大きくなるなんて…あ、もしかしたら昨日の戦いで何かされた?」
栗栖は昨日のベンジャミンとの戦いを思い出す
彼は“植物(プラント)”のアビリティを持つネクロだ
安全のため、離れた場所に置かれていたサボテンに影響が無いわけがない
熊八に聞こえないように話す
輝人「うーん。可能性はあるが、あいつそんな余裕なかったよな?」
日奈子「そう言えば、あの壺近くに落ちたよね?結局何が入っていたか分からなかったけど、あの壺に何か秘密があったとか?」
航平「壺?」
ゆに「その話詳しく…」
昨日の戦いを詳しく聞こうとしたその時だった
熊八「アッ!」
熊八が大声をあげる
声に反応した輝人達が振り返ると、驚く物があった
薫子「…!(* ´ ▽ ` *)」
なんと、サボテンから花が咲いていたのだ