真アゲハ ~第14話 骨喰 影近5~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



白武を追って、金山駅を出て、気付かれない様に跡を着けていく
すると、東側に位置する金山公園に到着した
気が付くと夜になっていたため、人の気配はない

ルチア(こんなところで何するつもりだ…?)

ルチアは影に身を潜め、公園の方を見る

すると、白武が到着してから2分後にもう1人の人物が現れた
監視カメラの写真にも写っていたローブ姿の人物だった

ルチア(あいつは…!)

偶然とは言え、探していた2人に会えた事に平常心ではいられなかった
ルチアは2人の前に出たい気持ちを何とか抑え、2人の様子を伺うことにした

白武「昨日はどうもな。あの女を殺ってくれて助かったぜ」

?「直接依頼を受け、当然の事をしただけだ」

最初の会話を聞いて、確信した
アゲハ族だと言うにも関わらず、白武は外部の殺し屋を雇って、後藤夫妻を殺すように命じ、もう1人の人物がその実行犯だと言うことを。

ルチア(あのローブ姿…あいつ男か?)

?「…しかし、気に食わん」

白武「何がだ?」

?「あの女は剣士と聞き、仕事を引き受けたが、刀を持っていなかった。持ってない者を斬っても、何の鍛練にもならん」

白武「ハッ、そうか?不意討ちの方が圧倒的に勝てるじゃねぇか。さて、またここに呼んだ理由だが…今度は別の奴を殺して欲しい。金はまた弾むぜ?」

白武は1枚の写真と分厚い封筒を手渡す
恐らく札束が入っているんだろう

ルチア(あいつ…!後藤さんを殺しておいて、今度はまた別の人物を…!?)

白武「じゃあな、侍さん。終わったら連絡してくれw」

白武はヘラヘラと笑いながら、その場を去っていく
それを見たルチアは、逃がすわけには行かないと動こうとする
だが一瞬考えた
白武を追えばもう1人のローブ姿の男が逃げてしまうし、逆にローブ姿の男を追えば、白武は逃げてしまう

ルチア(なら…)

単独行動を隠していたルチアだったが、ルチアはすぐ携帯を使って電話を入れた
輝人だ

ルチア「…輝人か?」

輝人『師匠!今どこにいるんすか!?勝手な行動は…』

ルチア「説明は後だ、それより今白武とローブの人物を見つけた」

輝人『え!?』

ルチア「場所は金山駅近くの東側の金山公園だ。すぐに来てくれ。白武を追って欲しい。私はローブの人物を…」

ルチアが輝人に命令をしたその時、ふと自身の影が大きくなった事に気が付く
背後から、殺気を感じた

ルチア「!まずいっ…!」

ルチアは反応し、すぐに横に動く

…バラッ…!

ルチア「なっ…!?」

ルチアが避けた瞬間、持っていた携帯が突然縦に真っ二つに割れた
いや、斬れたのだ
縦に真っ二つに斬れた携帯は、ルチアの手を放れて、地面に落ちる

ルチア「…!」

?「…女、そこで何をしている?」

すぐ振り返ると、そこにはローブ姿の男が立っていた
手には、紅く染められた刀を持っていた

ルチア(いつの間に…!?気付かれない様に気配を殺して、電話だって小声で話していたハズなのに…!)

現に同じアゲハ族の白武は全く気が付いてない様子だった
だがこのローブ姿の男は違う

?「女、今の話を聞いていたのか?どこの者だ?」

ルチア「…そう聞かれて、答えると思う?」

?「ほぅ…見たところ剣を持ってるな。剣術は違えど、それほどの実力を持っていると見る」

ルチア「…!」

ルチアの衣装のマントの下にサーベルがあるのだが、普段は外から見えない様にしている
それを見抜いたと言うことは、相当なやり手だと察する

?「もしや、あの白武と言う男を追っていたのか?奴は愚かな人間だ。自らも剣士だと言うのに、その刀を抜かず、人の手を借りるとは…」

ルチア「その依頼を受けたあんたも、とある夫婦を殺した…。そうでしょ?」

?「…先程はどこの者だと聞いたが、先にこちらが答えるのが賢明だな」

そう言うとローブ姿の男が、頭を覆っていたローブを脱ぐ
白に近いホワイトブロンドのオールバックと睨むような目付き、そして両方の眉毛が無い

まだ口が裂けていない状態の骨喰影近だった

骨喰「姓は骨喰、名は影近。骨喰影近と申す者だ」

ルチア「骨喰影近…?」

骨喰「問おう、女の白騎士よ。何故に、その剣を振るうのだ?」

ルチア「…そこまで聞かれちゃ、答えない訳には行かないわね。どっちにしろ、あんたにも用があったから好都合だけど」

バサッとマントを靡かせ、サーベルを鞘から抜く

骨喰「ほう…」

ルチア「私の名は、舞白ルチア。この街の平和を守る探偵。そして…あんたとは違うタイプの同業者って言ったところかしら?」

骨喰「違うタイプの…?いや、そこまでは聞かぬ事にしよう。恐らく知られては面倒な事なのだろう?」

ルチア「へぇ…分かるのね。助かるけど」