輝人「館長、あとスプリンクラーは発動させないでくれ。少しの量でも俺が蒸発させちまうから」
館長「ええ…!?」
日奈子(そういや八百家で人志と戦った時も、川を蒸発させたんだっけ?となるとやっぱり火事になるんじゃ…!?)
デジベル「グ…!ギギ…!」
次の瞬間、デジベルが輝人に向けて大きく口を開いた
ボエエエエエエエエッ!
輝人「っ!?うわぁっ!」
デジベルが装着しているスピーカーから、大きな声が出てきた
それが強い衝撃波となり、輝人を襲う
輝人は飛ばされ、壁にぶつかった
航平「うわっ!うるさい!」
始「これがオーバーネクロになった時の力か…!」
クロ「ぐああっ!み、耳が…!」
館長「う!おおお…バタッ」
デジベルが発した声は周りの人間にも響く
館長は気絶してしまった
とても大きくて、鼓膜が破れる程強い
輝人「っ…!なんつー力だ…。声でグラスが割れるってのは知ってるが、それ以上の…」
ギャアァァァァアッ!
輝人「!」
ドォンッ!
日奈子「輝人!」
輝人に再び強い衝撃波が襲いかかり、壁が壊れてしまった
博物館の外に出てしまう
輝人「ってぇな…!」
デジベル「ググ…ギギ…」
デジベルが輝人を追う
まずいと思ったのか、輝人はすぐ立ち上がり、両手の手袋を取る
手から炎を出し、デジベルに向けて左手を勢いよく向けた
ゴオオオオオッ!と強い炎がデジベルに向けられる
ギャアァァァァアッ!
輝人「!?」
デジベルの大きな声が、輝人の炎を消したのだ
デジベルには届いていない
航平「消えた!?なんで!?」
始「確か小学校の理科の応用でやったことがあったな…音は空気で伝わる振動の波だから、火が消えちゃうほど、振動が大きいんだ。だから輝人さんの火は…」
ウガァァァァァァアッ!
輝人「っ…あぁあ…!」
輝人が耳を抑える
流石に限界になってきた
外に出ても響くと言うことは、街に響いていない訳がない
それほど大きな声を出している
クロ「くそっ…!こんなに大きいって事は、どっかにいるイリオモテヤマネコにも影響あるって事だろ!?」
トラ「間違いない…!よく分かんないけど…超音波みたいだから、ネコは耐えられない…!」
日奈子(?イリオモテヤマネコ…?)
輝人「くそ…下手に近付くと内臓も破裂するかもしれない…!どうすれば…!」
これまでにないネクロに苦戦する輝人
得意の炎も効かず、何か作戦が無いか考える
航平「輝人さん!」
輝人「…!」
航平を見たその時、輝人は内ポケットにあれがあることを思い出した
輝人(そういやさっき見取り図見た時、あれがあったな!)
そして先程見た見取り図を思い出し、輝人は全速力で博物館内に戻った
航平「え!?戻ってきた!?」
日奈子「輝人!?何するの!?」
輝人「ほらこいよ!大口開けてみっともねぇぞ!」
デジベル「ぐギギ…!」
輝人を見たデジベルは、輝人を追いかける
デジベルも博物館内に戻ってきた
クロ「はぁ!?戻ってくんなよ!」
輝人「やかましい!それよりよく耳塞いでろ猫共!お前らもだよ!」
日奈子「え!?」
輝人に言われ、全員は耳を塞いだ
デジベルがまた大きな声をあげようと、口を開く
輝人「オラァッ!これでもくらえぇっ!」
そう言い輝人は何かを投げ出した
それは、数時間前に航平に冗談で装着した爆弾らしき物だ
航平「え!?あれって爆だ…」
その爆弾は、デジベルに当たり、足元に転がる
その瞬間
ドガァンッ!
デジベル「ガァ…!?」
デジベルの足元が爆発し、デジベルが穴に落ちていった
輝人「…ふぅ、助かったな」
日奈子「助かったの!?ねぇ!あの爆弾って…」
輝人「さっき航平に冗談でやったやつ。ゆに特製の爆弾」
航平「え!?やっぱり爆弾だったんだあれ…((( ;゚Д゚)))」
輝人「小型だけど強力なやつで、鉄とかコンクリートとか破壊出来るやつ。立てこもり事件とか起きた時に使おうかと思っていたんだけど」
始「いや…それよりあのオーバーネクロ、どうなりますかね…!?」
輝人「あぁ、それなら大丈夫かもな」
輝人達は爆弾により開いた穴をそお~っと除く
そこから微かにデジベルの大きな声が聴こえているが、そこまでうるさくはない
日奈子「え?なんで?」
輝人「見取り図を見た時を思い出してな。この博物館の地下には…“講堂”があるんだよ」
そう、丁度輝人達がいた部屋の真下が講堂だったのだ
しかもこの講堂は、石膏ボードや遮音シートの密度が高く、遮音性を十分に発揮する
輝人「後は自分の声で自滅して、弱ったら叩きのめすだけだ。それまでは待ってる事にするよ」
日奈子「さっきまでピンチだったのに、いきなり余裕になるなんて…」
始「弱ってくれることを、祈りますけどねぇ…」