日奈子がアゲハ族として、斑目探偵事務所のアルバイトとして初めての依頼が入った
日奈子「…“透明人間”を捕まえてほしい?」
栗栖「あぁ、名古屋市内の複数の飲食店から依頼が入ってね。そのうちの代表者である蒲田さんって人から依頼を受けたんだ」
栗栖は日奈子や航平、カンナに依頼内容が記された資料を見せる
内容はこうだ
数日前、ひつまぶしで有名な店に、サングラスにマスクを付け、フードを被った男が来店してきたらしい
一瞬強盗か何かかと店員は思ったが、鞄も持ち歩いていなくて手ぶらだったため、凶器を持っていないとして、客として席に通した
その男は席につくなり、一番高いメニューを注文した
もちろん1つだけではなく、高いメニューをいくつもだ
それが運ばれるとすぐに食べ出す
だがこの時、席に案内した店員は不審に思った
男は手ぶらだ
凶器はともかく、ポケットにスマホは愚か、財布も入っていなかったと言う
もしかしたら、無銭飲食をするのかもしれないと…
そう思って店長と共に席へ伺った時、彼は煙の様に消えていた
テーブルには綺麗に平らげた皿が並べられ、回りにいたお客は誰も男の姿を見てないと言う
まるでそれは、“透明人間”のようだったと…
栗栖「その店の店長は警察に捜索届を出したんだ。食い逃げしたから、捕まえてほしいって。でも一向に捕まらなくてね…顔を隠していたって事もあったし」
輝人「そうしてる間にまた他の店でも食い逃げしては消える男が現れたんだと」
航平「うわっ…この店の名前、何か高そうな感じが…」
始「そりゃそうだよ、皆高級店だもん」
カンナ「え?調べたんですか?」
ゆに「まぁ名前検索すればすぐ出てくるけど、お兄ちゃんが臨時アルバイトとして潜入してくれたの」
日奈子「え?そんなことをしてたんですか?」
始「うん、でもどの店の店長も怒っていたよ。高いもの注文したくせに、お金を1円も払わないなんてどういう神経してるんだって」
茜「それは…そうなりますね」
始「だから俺がこの探偵事務所を紹介したんだw」
日奈子「警察じゃなくて!?」
輝人「そこはちゃんとしてるからなwww」
ピースサインを向けて笑顔で返す輝人
始に紹介された店長達は、その“透明人間”を捕まえるために、輝人に依頼をし、自分達は改めて店の注意喚起を行って対策を練ったと言うわけだ
茜「そんなに頻繁に発生してるとなると…犯人はやはり」
輝人「そう、ネクロだと俺は思っている」
日奈子「ネクロ…」
頻繁に“透明人間”が発生してる事に目を付けた輝人は、この事件はネクロの仕業だと考えた
普通の人間が食い逃げをしてるのであれば、すぐ捕まるはずだ
栗栖「姿も消えるネクロとなると…“透明化(インビジブル)”だと思ったんだ」
輝人「一応その店長達の知り合いの店にも声はかけたらしいんだが、どうやっても0にならなくてな。次はどこでどう現れるか分からなくて、どうしようか困っていた時に、航平がバイトしてるうどん屋の店長がある情報をくれたんだ」
日奈子「え?どんな?」
航平「高級料理店の雑誌を貰ったんだ。店長、奥さんとの結婚記念日にどこに行こうか悩んでいて雑誌を買ったみたいでさ。見せてもらったら、その雑誌に載っていた店が全部、“透明人間”の被害に遭った店ばかりだったんだ」
日奈子「ええ!?なんて言う偶然…!」
栗栖「その雑誌を見て、唯一襲われてないレストランを知って、始を先回りさせたんだ。そしたら見事に見つけたよ、“透明人間”が」
日奈子「おおっ!」
ついに“透明人間”を見つける事が出来た
しかし
輝人「だけどこいつ店で隣の席になったにも関わらず、逃げられてやんの」
日奈子「えええっ!?」
始「一瞬眼を離した隙に…すんません(・・;」
ゆに「もぉ~」
日奈子「じゃあ逃げられたってこと?」
始「んな訳ないじゃん、そうなるかもと思って俺がそいつに発信器を仕掛けたんだ。座って食べるから、椅子の背もたれにね。そしたら背中に見事にくっついたよ」
輝人「そう指示したのは俺だがな?そんで店の外で待機していた俺が、そいつを追ったらとある飲食店に入ったところを目撃した」
輝人がそう言うと、栗栖がスマホの画面を見せる
そこにはある店の写真が載っていた
栗栖「最近名古屋港水族館近くにオープンした“FRIENDSHIP(フレンドシップ)”。船の形をした外見と船の内装がそのままレストランになっているんだ。オープンしたばかりだからサイトも口コミページも出来てなくて…」
カンナ「この中に犯人が?」
輝人「恐らく、従業員の誰かだな」
日奈子「じゃあ早速行って、確かめないと!」
輝人「ちょい待ち、そのために日奈子やお前ら2人を呼んだんだよ」
日奈子「え?」
カンナ「ん?」
航平「は?」