新アゲハ ~第82話 レイル・アハメド・アルサリア4~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



タテハ「じゃあな桃」

桃士郎「うん、また放課後ねー」

昇降口に到着し、タテハと桃士郎は別れた

タテハ(…トウ、ありがとうな……)

アゲハ族の記憶を消したその翌日、愛城高等学校にかかってきていたPTAの電話や、校門前に集まっていたマスコミが姿を消していた
本当に消えたのかまだ疑っていたので、タテハは試しに桃士郎に聞いてみたが

桃士郎「え?何それ?新しいアニメですか?」

と、アニメのタイトルと勘違いした
さらに、アゲハ族の事を見る度にコソコソと話していた他の同級生達も、素通りの様子を見せる
クラスメイト達も、何事も無かったかのように自分達に接していた

本当に、アゲハ族の事を忘れたみたいだ

雄一「おはよ、タテハくん!」

タテハ「あ、おはよう雄一」

雄一「浮かない顔してどしたの?」

タテハ「…何て言うか、これが普通なんだなって」

雄一「ん?…まぁそうだね。君がこの学校に来てからハートレスとか毎日のように現れては暴れたからね。普通の高校生生活は…」

タテハ「青春ってやっと感じられると思ったけど、何か寂しいな」

未来乃「これから作ればいいじゃん」

タテハ「未来乃」

同じく登校してきた未来乃が話し掛ける

未来乃「青春じゃないけど…私もさ、寂しさはあるよ。夢を1つ失ったもん」

タテハ「あ…そうか」

未来乃の夢
それはフェリックス・ウヴァ=バロンスの事だ

彼に憧れを抱いていたから、料理を続けることが出来て、夢を持つ事が出来た
でもその正体はゾディアックの天秤座の幹部で、ネクロだと知った
彼が亡くなって、犯罪者と世に知られてしまったのだ
ぽっかりと心に穴が開いたが、未来乃は前を向くことを決めた

未来乃「ネクロで人の肉を食べていたけど、あの人のシェフの信念は本物だったと思う。世間ではあの人を悪く言ってるけど、私はその信念をずっと大事にするよ。それに夢を諦めないからね」

タテハ「未来乃……うん、そうだな」

未来乃に説得されて、タテハは納得した
寂しいのはタテハだけじゃない
他のアゲハ族の皆も寂しいのだ

タテハ(…凹んでる場合じゃないな…!)

タテハは前向きになり、教室の扉を開ける

宏未「タテハくーん!おはよう!」

生流「フッ、ようやく来たか我が同胞よ!」

タテハを迎えてくれたのは同じヒーロー同盟の宏未と生流だ

タテハ「おはよ、どした?」

宏未「ねぇねぇタテハくん!今日って放課後予定ある?“異世界戦隊ゲンジュウジャー”の追加戦士の“ゲンジュウゴールド”のフィギュアがお店に出てるかもしれないから行かない!?あの伝説獣の“麒麟”をモチーフにした衣装がすごくかっこ良くて…」

タテハ「え?今日はちょっと…」

生流「ほぉ、何か問題が?」

タテハ「あぁ、後輩と出かける予定で…。前話したトウ、黄白桃士郎だよ」

宏未「…ねぇタテハくん、前から思っていたけどさ。その後輩くん、私達ヒーロー同盟に入れない?」

タテハ「え?」

生流「あぁ、同胞として素質がある!」

宏未「私達ももうすぐ卒業だし…新たに同盟メンバーを作るのもいいじゃん!」

タテハ「宏未…生流…!うん、そうだな!トウを誘ってみるよ!」

宏未「うん!」

タテハ「そうだ!ならトウも誘おう!買い物予定してるし!」

生流「お、楽しめそうだな」

天真「プッ、まぁたヒーローになりきってお話してるぜ~(笑)」

タテハ「!」

タテハ達の様子を見てクスクスと笑う連中がいた
天真達だ

天真「全く、もうすぐ高校も卒業だってのにまだヒーローの話してるよw」

弦也「よく飽きないよねぇw」

恵美「だから他のクラスとかに笑われるんじゃないのぉ?w」

宏未「ムッ、また言ってる…」

生流「こうなったら禁断の左手を…」

タテハ「いいよ2人とも、言わせておけば」

宏未「え?」

タテハ「だって、俺らは好きなことを好きなように楽しんでるだけじゃん?それのどこが恥ずかしいのさ。むしろ人が楽しんでいるのを見下して、色々物を言ってくる方が恥ずかしいと思うよ?」

天真「はぁ!?」

仁「そうだな、もしかして楽しそうで羨ましいのか?w」

恵美「仁くん!」

仁と竜也が教室に入ってきた
話を聞いていたみたいだ

天真「う、羨ましくなんてねぇよ!お、おい行くぞ!」

弦也「天真待ってよぉ~!」

恵美「あーあ、もう!」

仁「ハハハ、ヒーローは必ず勝つってな。にしてもタテハも言うようになったなw」

タテハ「本当の事を言っただけだよ」

タテハは笑顔で言った