ルーク「…グスッ…」
休み時間、ルークは外の水道で制服の汚れを落としていた
まだ涙が収まらない
ルーク「…教室、戻りたくないな…」
ビショップ「ルーク、大丈夫?」
ルーク「!」
そこにビショップが現れる
ビショップは自分のハンカチを差し出した
ビショップ「これ使って」
ルーク「…何しに来たの?こんなところを誰かに見られたら…」
ビショップ「何って…ルークを助けたいと思って」
ルーク「…え?」
ビショップは優しい笑顔でルークに言った
ルーク「い、いや…僕の事聞いてない?僕は…」
ビショップ「いじめっ子だった、でしょ?」
ルーク「…そうだよ。だから僕と一緒にいたら…」
ビショップ「僕は君がいじめをしてるところを見てないから、本当かどうか分からないし、それにそんなことどうだっていいよ」
ルーク「え?」
ビショップ「だって、僕ら友達でしょ?」
ルーク「…!」
『友達』
その言葉にルークの心が救われた気がした
転校初日だと言うのに、自分を助けてくれる存在にようやく会えた気がした
ビショップは優しく手を差し出す
ビショップ「一緒に教室行こう、僕が守ってあげる」
ルーク「う…うん…!」
この出会いがきっかけで、ビショップとルークは友達になった
ルークのそばにビショップがいてくれたおかげで、ルークはいじめられなくなった
代わりにビショップに対して、コソコソと話すようになっているが、ビショップは気にしてない様子だ
ビショップ「今日、うちに来る?母さんがスコーンを焼いたんだ」
ルーク「うん、行く!」
ビショップはルークを家に誘った
家は小さなアパートで、誰もいない
両親は共働きの様だ
ルーク「ここがビショップの部屋か…」
ビショップ「紅茶淹れてくるね。あ、色々触っちゃダメだよ?」
ルーク「分かってるよ」
ビショップは一旦部屋から出ていく
ルークは部屋全体を見渡す
ベッドに机、ローテーブルに小さなカラーボックスだけの殺風景な部屋だ
ルーク(…ん?)
カラーボックスから何かがはみ出していた
気になってそれを手に取る
それは、小さなアルバムの本だ
ペラペラとめくると、ビショップが前の学校で出会った友達と楽しく写っている写真が飾られていた
ルーク(こんなに友達が…いいな、ビショップは友達がたくさん…あれ?)
この時、ルークはビショップが転入してきた時の事を思い出した
ビショップ『…前の学校では、友達があまり出来なかったので…』
ルーク(友達、出来なかったって言ってたよね?もしかして、これはもっと前の学校の…?)
そう考えながら次のページをめくる
ルーク「…え?」
ある写真を見て、ルークの手が止まった
それは、2ショットの写真だ
ビショップともう1人、おそらく友達だろう
だが、その友達の顔に黒いマジックで×印が描かれていた
それも、それだけじゃない
他の写真にも、友達と思われる人の顔に×印がついている
ルーク「なに…これ…」
ビショップ「あ!見たなぁ~!」
ルーク「うわっ!」
ビショップが紅茶を持って部屋に入ってきた
驚いたルークはすぐアルバムを閉じるが、もう遅い
ルーク「ご、ごめ…!見るつもりは無かったんだけど…!」
ビショップ「…いいよ、見ちゃったなら教えてあげる」
紅茶をローテーブルに置き、アルバムを開く
ビショップ「これね…前の学校で、友達が僕を裏切ったから×を付けてるんだよ」
ルーク「え?裏切った…?」
ビショップ「僕は何も悪いことしてないのに、その子のためを思った行動をしただけなのに…皆僕を裏切って、離れて行ったんだ。どうしてなのか分からない。人間関係って、難しいよね…」
ルーク「そ、そうなんだ…」
ビショップは前の学校で辛い思いをしたのかもしれない
それで×を付けてるんだと思った
ルーク「…ビショップって転勤族なんだよね?最初はさ、色んな所に行けて羨ましいなって思っていたんだけど、実際は辛い思いをしていたんだね」
ビショップ「ルーク…」
ルーク「ビショップ、もしここを離れることになってもずっと友達でいようよ!」
ビショップ「!…うん!あ、そうだ!」
ビショップはカラーボックスから何かを取り出す
小型のカメラだ
ビショップ「一緒に写真を撮ろうよ!友達記念!アルバムのいいところに飾ってあげるね!」
ルーク「あ、ありがとう!あ…でも、その×印の写真とは別のところに飾ってね?」
ビショップ「もちろん!」
パシャッ!
とビショップとルークは2ショットの写真を撮った
2人共、とてもいい顔だった
…これが最初で最後の写真になるなんて、まだ思っていなかった