新アゲハ ~第62話 ビショップ・ロー・アザニエル2~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、悲しみ、怒り、絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。
※趣味で書いてます。※誤字脱字多いです。



竜也「はぁ……」

翌日、竜也は朝からため息をつく
昨日のライブの参加の件で、悩んでいるみたいだ

タテハ「竜也、大丈夫か?」

仁「昨日から全然元気ねぇぞ?何があった?」

同じ寮のタテハと仁は気にかけ、竜也に近付く
竜也は2人に話した

タテハ「へぇ、そんなにすごいとこなのか?その神奈川県の泉律地区って」

仁「外部から来た人間は音楽の夢を諦める、か…噂で聞いたことはあったが、本当みたいなんだな」

竜也「それで景都やあおい達は行くことを拒否してるんだよ。まるでライオンとか豹とかがいる猛獣のところに俺らみたいな猫が放り込まれるみたいなもんだと」

タテハ「なるほど、それなら分かりやすいな。でも俺は成功すると思うぜ?歌も上手いし、文化祭の時だってプロじゃん!って思ったし!」

仁「おいおい、簡単に言うけど甘くないからな?泉律地区はそう夢や希望を持った奴らが実際行ってみたら、圧倒されて夢を諦めたって。それほど泉律地区は厳しく、デビュー出来るのもほんのちょっとしかいないんだよ」

竜也「景都も同じことを言っていたよ」

タテハ「だけど…それでも参加しないのは悔しくないかな?」

竜也「…あーっ!どう説得すりゃいいんだよ!」

竜也は頭をガシガシとかく
それほど悩んでいるみたいだ

竜也「はぁ…悪いな、こんな相談しちまって」

タテハ「いやそんなことないよ、気にすんなって」

竜也「…実はさ、今日このあともう一度話し合う約束してんだけど、どうしようか綾辻先生にも相談しようと連絡したんだ。だけど今日は用事あるって言われて…」

仁「え?黎さんなら今日は警察に呼ばれたから無理だって聞いたぜ?」

タテハ「え?警察に?スナイパーの事かな?」

仁「だと思うけど詳しくは聞いてなくて…」

「なぁなぁ聞いたか!?B組の村上の事!」

そこにタテハ達とは別の寮生が話していた
何やら慌てている

「なんだ?愛菜ちゃん、どうかしたのか?」

「それがさ、昨日の夜に駅前で練習していたら誰かに襲われたんだって!」

「え!?マジで!?」

「俺も聞いたぜ?そしたら不思議なことに怪我は無かったんだけど様子が変なんだってな!」

「嘘だろ…アイドル同好会、今度ライブやるって聞いてたのに、無理そうだよな…」

「もしかしたら最近の“事件”と関係してるかな!?」

タテハ「……なんだ?穏やかじゃねぇな……」


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黎「……村上!」

その頃、黎は警察署では無く何故か病院にいた
ある病室を開けると、そこには茅と登志夫、そしてベッドの上では、横になっている愛菜がいた
だが、愛菜の様子がおかしい

意識はあるみたいだが、反応がない
いつもニコニコしてて、明るい性格の愛菜が、無口で、暗い顔をしている
目にも光がない
まるで、生きた人形の様だ

黎「襲われたって聞いて…でも、これは一体どういうことだ?」

登志夫「最近ここらで謎の事件が多発してるでしょ?彼女も…その被害者なんですよ」

黎「なんだと…?」

最近、郡山の街で謎の事件が起きていた
発見された被害者の意識はあるのだが、様子がおかしい
明るい人も、笑っていた人も、全員何故か静かになって、何も話してくれないのだ

黎「襲われたショックで何も話してくれないってことか?」

登志夫「いや、それなら誰か1人はそうなるはず。それが襲われた人全員がこの状態なんですよ。だから、もしかしたらその事件の犯人に…」

茅「今回は目撃者もいたみたいだから、話を聞いたんだけど…犯行現場を見た目撃者によると犯人は黒い服を着て、丸眼鏡をかけた30代の男性だそうよ。そいつがダンスの練習中の彼女に話して、それから襲ったみたいなの」

黎「ダンスの練習中に…」

登志夫「そのことで、ちょっと気になることがあって」

黎「え?」

登志夫「これまでの被害者全員、襲われる前は近々結婚式を挙げる予定の人だったり、東京の大手企業に就職するはずだった人もいたり、海外でファッションの勉強をする予定だった人もいたりとか…家族や友人達から話を聞く限り、全員夢を持っていたみたいなんです」

茅「貴方が来る前に、この子の家族と友達から話は聞いたわ。もうすぐライブだったから楽しみにしてたって」

黎「夢を持っていた者が襲われた…?まさかゾディアックの…ってあ!」

ゾディアックの仕業だと考えた黎は、ある人物を思い出した
黒い服を着て、丸眼鏡をかけた男を見たことがあった

黎「まさかあいつが…!」

登志夫「何か知ってるんですか?」

黎「えぇ、犯人はゾディアックです!それもあいつは…只者じゃない!」

茅「なんですって!?」

黎「もしかしたら…他にも被害者が出るはずじゃ…!」

茅「登志夫くん!今すぐ手配して!」

登志夫「はい!」

登志夫は病室を出て、本部の方に連絡する

黎「……ところで、どうして俺の事を?」

茅「あ、ごめんなさい。実はその事で綾辻くんにお願いがあるの」

黎「え?」

茅「今回襲われた人達には何故か怪我が無いのよ。襲われたって聞いたけど、怪我が無いのはおかしいし、かと言って内科にも調べてもらったんだけどどこも異常がないの。でもこの状態だから何かあるのは間違いない。そこで、綾辻くんのエスポワールで見てもらおうかと…」

黎「エスポワールで?」

茅「前に加賀くんから話は聞いたの。綾辻くんの新しいエスポワール…心を見ることが出来るのよね?ちょっと、何があるのか見てくれない?」

黎「あー……わ、分かりました」

黎は山羊座のキーホルダーを取り出す
ゾディアックで作られたエスポワールだ
本来ならもう使いたくないのだが、生徒のためだ

エスポワールを起動して、虫眼鏡を出した
虫眼鏡で愛菜の心を見る

黎「…!こ、これは…!」

茅「どうしたの?」

虫眼鏡で愛菜の心を見た瞬間、黎の顔が真っ青になった
愛菜の心が、とんでもないことになってるからだ
















黎「……心の中の村上が…死んでる…!いや、殺されてる…!」

茅「……え!?」