賢人が回復するまで、数ヵ月かかった
アゲハ族を辞めた今は、1から就活をし直し、法律事務所に採用されることになった
再スタートした
その時しのぶは中学生になり、しのぶもまた新たな人生を歩むことになった
だがしのぶは中学校生活を送ることより、賢人の事が心配で仕方なかった
しのぶ(アゲハ族はどうしてちゃんと調べなかったんだろう。お兄ちゃんの事、信じてなかったのかな…?)
賢人の性格を考えると、やはり納得なんていかなかった
賢人の部屋に証拠があったのだって、何か細工をしたのかもしれない
何とかしてやりたかったが、どうやって救えば良いのか分からなかった
考えても思い付かないため、一回休憩しようと考えてもカフェに入った
注文して、ケーキセットを席まで持って行き、座る
しのぶ(…こうなったら、しのぶがアゲハ族に入るか…?でもそんなことしたらお兄ちゃん怒るかな…?)
「アハハハハハハ!うまく行ったな!」
しのぶのすぐ後ろの席で、男4人が笑いながら話していた
しのぶ(うるさ…っ)
「ようやくあの熱血漢を追い出せたな!」
「あぁ!裁川のやつウザかったもんな!」
「あのバカ賢人を追い出せて最高だったぜ!」
しのぶ(…え?お兄ちゃんの…事?)
うるさくて、しのぶは注意しようとしたが、男達の話を聞いて止めた
話を聞いていて、そのグループはアゲハ族だった
「なんか正義感が鬱陶しかったし、良い人過ぎてウザかったんだよな」
「でも良かったのか?あんな嘘ついてさ」
「いいんだよ!俺達が行っていた汚職を気付かれるところだったんだぜ?」
「そうだよ!賢人をアゲハ族の過激派組織の構成員にでっち上げて、追い出す事に成功したんだし!」
しのぶ「…!」
「だけど上層部もバカだよねなぁ、俺らの嘘や偽物の証拠を信じるなんて!」
「おいおい、大声で言うなって!バレたらヤバくね?」
「大丈夫だって、バレやしないよ!」
しのぶ(…何それ…じゃあお兄ちゃんは…!)
仲間だと思っていた人達に裏切られたと、知った
その時、しのぶの心から沸々と怒りが沸いてきた
しのぶ(許せない…!よくも…お兄ちゃんを…!)
しのぶは賢人に真実を話そうとしたが、折角再スタートをしたばかりで、しかも仲間に裏切られたと言う真実を知ればまた傷付くと考えた
それよりも、最高の復讐を考えた
それからのしのぶは、心から誰かを信じるのを止めた
信じすぎるとボロが出て、そこを突かれるとこれを期に学んだからだ
その後試験を受けて、アゲハ族に入った
賢人には入らない方がいいと言われたが、そんなことはどうでもよくなっていた
これは復讐のためだった
目的は困ってる人を助けるためじゃない
蝶に纏わり付く寄生虫共を根こそぎ抹消するために入ったのだ
早速過激派組織やアゲハ族の人間を徹底的に調べた
復讐を殺すことより、死ぬより生きている事が辛いと思わせる方法を思い付いた
その結果、様々な証拠を集め、賢人の復讐を果たすことに成功したのだ
その連中はアゲハ族を辞めさせただけじゃなく、世界中にその素顔を拡散され、炎上されて、今はひそひそと暮らしている事になった
賢人にも何もダメージが行かず、しのぶも安心した
しのぶは自分のエスポワールじゃ痛めつけるのには向かないと早々に切り捨て、情報で社会的に抹消しようと考えたため、今みたいに情報収集が得意になった
しのぶ「…しのぶを怒らせると、どうなるか思い知らせてやる…」
それからは、しのぶの性格も変わった
「しのぶちゃん、トイレ一緒に行こうよ」
しのぶ「は?なんで?1人で行けないの?」
「え…?そ、そう言う訳じゃないけど…」
しのぶ「じゃあ行ったら?私はいいから」
「ねぇこれ見て!可愛いよね!」
「本当だ!可愛い!」
しのぶ「そう?微妙じゃない?なんでこんな色なの?変なの」
「え…そ、そうかな?」
「しのぶちゃんもお揃いにしようよ!」
しのぶ「いやしのぶはこれ好きじゃ無いし、お揃いもしたくない。したい人でやれば?」
「……なんか裁川さんって、変だよね」
「本当、もう付き合ってらんない」
しのぶは賢人の件以来、人を信じなくなった
人と合わせることも無くなり、物事をはっきりと言うようになったおかげで、しのぶの周りには誰も近寄らなくなった
しのぶはそれで良いと思った
もし人を信じて、裏切られたら、賢人の様になると思ったからだ
アゲハ族の人間でも、信じてなんていない
でも未来乃と雪音はそれでも話し掛けたりした
未来乃「裁川さんの事、ちょっと羨ましいと思うんだよね」
しのぶ「え?なんで?」
未来乃「なんでもはっきり物事を言えるから」
雪音「そうだよ。私なんて皆の目が怖いから、発言なんて出来ないし…」
しのぶ「しのぶはただ、本当の事を言ってるだけだよ。それに他人に合わせるなんてごめんだよ。だって、疲れるだけじゃん」
伊桜里「ほぉ、猫のような気まぐれがあると思ったが、一匹狼の様なサバサバな一面もあるのか」
しのぶ「……あんた誰?」
人を信じて、裏切られた者の気持ちがどれだけ辛いものかしのぶは知ってる
だから彼女は、それが仲間であってもなくても、人を信じないと決めた
…まさかその思いが、強化アイテムを生み出す条件を達する事になるとは、思ってもいなかった
…ピキッ…!ピキピキッ…!