仁「…そんな訳で」
聖「どんな訳で?」
仁「タテハ達がいないから、俺暇でさ」
その頃仁は、聖の実家である中華料理屋に来ていた
聖は今日部活が休みのため、家の手伝いをしてるのだが、開店早々、仁がやってきて聖に話しているのだ
仁「くじ引きで選ばれなかったからとはいえ、もう寮の部屋の掃除とか終わらせてきて暇なんだわ俺」
聖「仁、俺今仕事中なんだけど…(・・;」
史郎「お客さん、ご注文は?」
聖の父親の史郎が仁に注文を聞く
仁「淳はモデルの仕事だし、竜也はバンドの練習だし、誰も誘えなくてさ」
聖「俺も仕事だから!」
仁「なぁどう誘えば良かったと思う?」
聖「注文しろよ!冷やかしなら帰れ!(-_-#」
聖に怒られ、仁はメニュー表を見る
『おすすめメニュー』に点心10種セットがあった
仁「ん?こんなのあったっけ?」
史郎「あぁ、よく1人のお客さんが増えてね。うちは点心は2個ずつ出してるんだが、“高い”“食べ比べしたいけど多くて食べられない”って意見もあって、作ったんだ。1個ずつだし、10種楽しめるようにした、しかもドリンク付き」
仁「へぇ、じゃあそれのウーロン茶で。あと五目チャーハン」
史郎「あいよ。聖の友達だからサービスでデザート付けるぞ?杏仁豆腐とマンゴープリン、期間限定でミニチョコまんもあるぞ?」
仁「期間限定?…あぁ、バレンタインデーね」
『おすすめメニュー』の下に、バレンタインフェアと言うことで、ハートの形をした餃子やミニチョコまんが載っていた
仁「けど大将、俺彼女いないから杏仁豆腐でね」
史郎「アッハッハ!はいよ!」
メニューを取って、史郎は厨房へ戻った
聖も注文を受けて、点心を蒸し始める
女性A「こんにちは~!」
史郎「いらっしゃい!空いてる席どうぞー!」
男性A「あ、ここにしようか!」
女性A「うん!」
店に男女のカップルが現れた
空いてる席に座り、メニューを見る
女性A「あ!見てみて!バレンタインフェアだって!」
男性A「お!かわいいなぁ、じゃあこれにする?」
女性A「うん!あと海老チリ食べたい!」
男性A「いいよ!今日は俺がご馳走するから!」
女性A「わぁ~!ありがとう!(≧▽≦)」
会話が弾んでいるところを見る限り、すごく仲が良さそうだ
仁(ケッ、リア充爆発しろや)
背中を向けて仁は思った
その時だった
…ジャキンッ!
仁「ん?」
聖「え?」
何か刃物の様な音がした
回りを見るが、何も起きてない
聖「なんだ…?」
仁「今の音って…?」
女性A「…ねぇ、絶対離れないよね?」
男性A「え?」
女性A「絶対に私から離れないで!ずっとそばにいてよ!」
男性A「わあぁ!な、なんだ!?」
仁「!」
突然カップルが騒ぎだした
見ると、女性が男性に飛びかかり、ギュウ~!と絞めるかの様に抱く
男性A「痛い痛い!ど、どうしたんだよ!?」
女性A「絶対に私から離れないでね!お願いよぉ~!」
史郎「お、お客さん!?どうしたんだ!?」
史郎がカップルに駆け寄る
すると、店の前でガシャンッ!と物音がした
仁「なんだ!?」
聖「外からだ!」
仁と聖も外に出る
今度は別の男性が女性の脚にしがみついていた
男性B「僕のものなんだ!君を逃がさないからなぁ!」
女性B「きゃー!止めてよちょっと!」
仁「なんだぁ?どうなってんだ!?」
聖「おい仁!あれ…!」
聖が外を指差す
そこに人々が至るところにいるが、揉めているみたいだ
男性C「離せよ!どうしたんだよ!」
女性C「ずっと一緒よ!これからもずぅっと!」
女性D「く、苦しいから離してよ!」
男性D「君の全てを僕に寄越せぇ!」
男性E「縛ることないだろ!ほどけ!」
女性E「私、貴方の事が大好きなの!誰にも貴方を渡さないわぁ!」
男性が嫌がってる場合もあれば、女性が嫌がってる場合もある
ただ共通点は、全員カップルだと言うことだ
仁「これって…!」
聖「どう考えてもハートレスの仕業だな!」
女性A「邪魔しないでよ!私と彼のを離さないで!」
男性A「助けてください!」
史郎「ああああ!止めろ!これじゃ店がぁ!」
史郎もカップルの対応をしていて大変だ
だが聖は
聖「親父悪い!ちょっと誰か助けを呼んでくる!」
と、嘘を言って、ハートレスを探し出す
仁もそれに乗った
?「フンフンフ~ンッ♪僕のエスポワール、最っ強だぁ♪」