『御乗車ありがとうございます。次は那須塩原です』
黎(お、他のお客も入ってきたか)
新白河駅に到着し、新幹線が次の駅まで進んだ
先程より、席が埋まる
ハートレス『イヒヒヒ…』
ハートレスはグリーン車近くのトイレの前までに来ていた
もう少ししたら黎と接触する
しかし
「あ、すいません~!通りますね!」
黎「おっと…すいません」
と、通路を通る乗務員を優先して黎は避ける
それと同時に開けっ放しのトイレの扉を閉めた
そこにはハートレスが待ち構えていたが、扉を閉められた事で出られなくなってしまった
黎「危ない危ない」
ハートレスに全く気づいてないが、トイレの扉が開けっ放しだったことが許せなかった
黎はグリーン車に到着した
ジェシーは音楽を聴きながら読書をしていた
ジェシー「ん?黎か、どうしたんだ?」
黎「あ、すいません。自分の荷物も巻き込んじゃって」
ジェシー「ん?あぁ本当だ。何してるんだお前は」
黎「すいません」
黎は自分の荷物を取る
するとグリーン車の入り口近くに座っていた子供のお客が声をあげる
「ママ~、おしっこ」
「もう!だから乗る前にトイレに行こうって言ったじゃない!」
「漏れちゃうよ~」
「しょうがないわねぇ…」
母親の女性は子供を連れて、トイレへ向かう
「はい、自分で出来るよね?」
「うん!」
子供は頷き、トイレの扉を開ける
するとそこからばあっ!と子供を脅かすようにハートレスが出てきた
ハートレス『イヒヒ!』
「うわぁ!」
「きゃあ!ば、化け物!」
黎「!」
ジェシー「ん!?」
騒ぎを聞いた黎はすぐ駆け付ける
ハートレスをようやく確認した
黎「ハートレス!?…いや、これはまだ未完成の方か…」
ジェシー「大丈夫かお嬢さん達!早くこちらへ!」
「は、はい!」
ジェシーも駆け付けて、親子を別の車両へ案内した
ジェシー「黎!すぐにそっちの扉を閉めろ!ハートレスを倒すより、まずはお客の避難が優先だ!」
黎「はい!こちらに…!」
ハートレスを確認したお客はすぐに車両の扉を閉める
そして黎とジェシーも安全な車両へと移り、ハートレスを隔離した
スピカ「あーあ…これじゃ誰もハートレスになりやしないよ。もういいや、諦めよう」
“蝶の虹”から通して見ていたスピカは諦めた
すぐに“蝶の虹”をしまい、アジトの中へと戻って行った
ハートレスはまだ誰にも取り憑いていないため、健在のままだ
黎とジェシーは戻って、タテハ達にハートレスの事を話した
タテハ「え!?ハートレスが!?」
雄一「そんな…まさかどこかにゾディアックが!?」
黎「それはまだ分からないが…グリーン車の方の通路に隔離してある」
ジェシー「油断はしない方がいいだろう。何せハートレスは神出鬼没だ、誰に取り憑いてどこから出てくるか分からないからな」
雪音「ハートレスの様子を見てきましょうか?」
雄一「それがいいね」
タテハ「俺と雪音で見てくるよ、それでエスポワールで退治してきます。いいよね?答えは聞いてない!」
雄一「タテハくん…(・・;」
黎「はいはい分かった、気を付けてな」
タテハと雪音はハートレスを隔離した車両へと向かう
扉越しから様子を見て、中に慎重に入る
しかし、ハートレスの姿は無かった
雪音「あれ?いないよ?逃げたのかな?」
タテハ「もしかしたら他の車両に移動したかもしれないな」
雪音「うん…!」
タテハと雪音はハートレスを探すため他の車両に移動する
ハートレス『イヒヒヒ…!』
その頃、ハートレスは思わぬところにいた
それは通気孔だった
通気孔の暗いところを利用して、移動していた
タテハ達も、まさか通気孔にいるとは思わないだろう
通気孔を利用して、ハートレスはある場所へ到着した
腕時計『メールは届いていません』
謙二郎「はぁ…まだか…」
それは、謙二郎がいる先頭の運転室だった
謙二郎は相変わらず、後輩からのメールを待っていた
謙二郎「はぁ…もしかして落ちたのか?それとも私に連絡することを忘れているのか…?このままでは落ち着いて走り出せない…」
ハートレス『イヒヒヒ…!』
謙二郎「!」
謙二郎の不安の心にハートレスが入った
そのせいで、謙二郎の心が取られてしまった
謙二郎「…こうなったら、メールが絶対に届かないところに行ってやる…!連絡してきてももう遅いって事を分からせてやろう!」
ハートレスがアンプル化し、謙二郎は右手で掴んでいる新幹線のブレーキに打ち込んだ
その瞬間、黒い影が謙二郎と新幹線全体を覆ってしまった
黎「!?なんだ!?」
雪音「これって…!」
タテハ「ハートレスか!?」
雄一「しまった!遅かった!」
ジェシー「一体誰に取り憑いたんだ!?」
新幹線の突然な変化にタテハ達は驚く
だがそれはもう遅かった