新アゲハ ~第57話 蝦夷国 雪音5~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、悲しみ、怒り、絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。
※趣味で書いてます。※誤字脱字多いです。



『御乗車ありがとうございます。次は那須塩原です』

黎(お、他のお客も入ってきたか)

新白河駅に到着し、新幹線が次の駅まで進んだ
先程より、席が埋まる

ハートレス『イヒヒヒ…』

ハートレスはグリーン車近くのトイレの前までに来ていた
もう少ししたら黎と接触する
しかし

「あ、すいません~!通りますね!」

黎「おっと…すいません」

と、通路を通る乗務員を優先して黎は避ける
それと同時に開けっ放しのトイレの扉を閉めた
そこにはハートレスが待ち構えていたが、扉を閉められた事で出られなくなってしまった

黎「危ない危ない」

ハートレスに全く気づいてないが、トイレの扉が開けっ放しだったことが許せなかった
黎はグリーン車に到着した
ジェシーは音楽を聴きながら読書をしていた

ジェシー「ん?黎か、どうしたんだ?」

黎「あ、すいません。自分の荷物も巻き込んじゃって」

ジェシー「ん?あぁ本当だ。何してるんだお前は」

黎「すいません」

黎は自分の荷物を取る
するとグリーン車の入り口近くに座っていた子供のお客が声をあげる

「ママ~、おしっこ」

「もう!だから乗る前にトイレに行こうって言ったじゃない!」

「漏れちゃうよ~」

「しょうがないわねぇ…」

母親の女性は子供を連れて、トイレへ向かう

「はい、自分で出来るよね?」

「うん!」

子供は頷き、トイレの扉を開ける
するとそこからばあっ!と子供を脅かすようにハートレスが出てきた

ハートレス『イヒヒ!』

「うわぁ!」

「きゃあ!ば、化け物!」

黎「!」

ジェシー「ん!?」

騒ぎを聞いた黎はすぐ駆け付ける
ハートレスをようやく確認した

黎「ハートレス!?…いや、これはまだ未完成の方か…」

ジェシー「大丈夫かお嬢さん達!早くこちらへ!」

「は、はい!」

ジェシーも駆け付けて、親子を別の車両へ案内した

ジェシー「黎!すぐにそっちの扉を閉めろ!ハートレスを倒すより、まずはお客の避難が優先だ!」

黎「はい!こちらに…!」

ハートレスを確認したお客はすぐに車両の扉を閉める
そして黎とジェシーも安全な車両へと移り、ハートレスを隔離した

スピカ「あーあ…これじゃ誰もハートレスになりやしないよ。もういいや、諦めよう」

“蝶の虹”から通して見ていたスピカは諦めた
すぐに“蝶の虹”をしまい、アジトの中へと戻って行った

ハートレスはまだ誰にも取り憑いていないため、健在のままだ

黎とジェシーは戻って、タテハ達にハートレスの事を話した

タテハ「え!?ハートレスが!?」

雄一「そんな…まさかどこかにゾディアックが!?」

黎「それはまだ分からないが…グリーン車の方の通路に隔離してある」

ジェシー「油断はしない方がいいだろう。何せハートレスは神出鬼没だ、誰に取り憑いてどこから出てくるか分からないからな」

雪音「ハートレスの様子を見てきましょうか?」

雄一「それがいいね」

タテハ「俺と雪音で見てくるよ、それでエスポワールで退治してきます。いいよね?答えは聞いてない!」

雄一「タテハくん…(・・;」

黎「はいはい分かった、気を付けてな」

タテハと雪音はハートレスを隔離した車両へと向かう
扉越しから様子を見て、中に慎重に入る

しかし、ハートレスの姿は無かった

雪音「あれ?いないよ?逃げたのかな?」

タテハ「もしかしたら他の車両に移動したかもしれないな」

雪音「うん…!」

タテハと雪音はハートレスを探すため他の車両に移動する

ハートレス『イヒヒヒ…!』

その頃、ハートレスは思わぬところにいた
それは通気孔だった
通気孔の暗いところを利用して、移動していた
タテハ達も、まさか通気孔にいるとは思わないだろう

通気孔を利用して、ハートレスはある場所へ到着した

腕時計『メールは届いていません』

謙二郎「はぁ…まだか…」

それは、謙二郎がいる先頭の運転室だった
謙二郎は相変わらず、後輩からのメールを待っていた

謙二郎「はぁ…もしかして落ちたのか?それとも私に連絡することを忘れているのか…?このままでは落ち着いて走り出せない…」

ハートレス『イヒヒヒ…!』

謙二郎「!」

謙二郎の不安の心にハートレスが入った
そのせいで、謙二郎の心が取られてしまった

謙二郎「…こうなったら、メールが絶対に届かないところに行ってやる…!連絡してきてももう遅いって事を分からせてやろう!」

ハートレスがアンプル化し、謙二郎は右手で掴んでいる新幹線のブレーキに打ち込んだ
その瞬間、黒い影が謙二郎と新幹線全体を覆ってしまった

黎「!?なんだ!?」

雪音「これって…!」

タテハ「ハートレスか!?」

雄一「しまった!遅かった!」

ジェシー「一体誰に取り憑いたんだ!?」

新幹線の突然な変化にタテハ達は驚く
だがそれはもう遅かった