堂島「…え!?謹慎!?」
校長の輝に呼ばれて、校長室へ入った堂島は驚きの声を上げる
謹慎処分が下された
堂島「ま、待ってください!何故私が…!?」
輝「心当たりがないとは言わせませんよ?昨日の事、覚えていますか?」
堂島「昨日の…?ってあ!」
輝から質問され、思い出した
輝「昨日、藤田先生に酷いことを仰ったみたいですね」
堂島「酷いことって…!私は直してほしいと言っただけですよ!それを勘違いした彼女が…」
輝「勘違いなら、生徒達を信用しなかったのもそうなんですか?華林先生から聞きましたよ?昨日起きた『愛城御法度』のせいで急に校則が変わったから、不満な生徒がたくさん出てきて、おまけに怪我人も出たらしいじゃないですか」
堂島「それは生徒達が揃って、“見えない誰か”に殴られたと虚言を言ったからです!」
輝「虚言?その証拠は?」
堂島「証拠って…!」
輝の目はいつもより真剣な目をしている
今回の事は相当怒っているみたいだ
堂島「お、お言葉ですが!校長も『愛城御法度』の件は校長も了解したではありませんか!私だけに責任を押し付けるつもりなんですか!?」
輝「その件は確かに了解しました。ですがそれは、“生徒会の人達が決めた事”であって、私は少し様子を見ようと思っただけです。貴方が決めたことでは無いですよね?」
堂島「なっ…!」
輝「それ以前に貴方は、教師としても社会人としてもやってはいけない事をしたんですよ?教師への暴言に、生徒を信用せず嘘つき呼ばわり、御法度を利用してあれやこれやと騒いで好き放題やって…これは大問題になりますよ?」
堂島「ぐ、ぬぬぬ…!」
輝「ですので、1週間は謹慎処分とさせていただきます。この事は、職員会議で報告いたしますので」
堂島「~ッ!」
輝「…」
輝は黙って校長室を出ていく
静かになると、すぐ堂島は癇癪を起こした
堂島「ふざけるなぁぁあっ!」
近くにあった植木を強く蹴る
植木は倒れ、鉢植えの土が床にバラバラとこぼれる
堂島「あの校長…!前までは1人じゃどうしようも出来ないような弱っちぃ性格だったのに、偉そうにしやがって!生徒会も生徒会だ!彩凪が復帰したからって折角設置した御法度をたった1日で潰すなんて…!そんなだから舐められるんだよ!フンッ!」
まだ蹴り足りず、今度はゴミ箱を蹴る
ちり紙などが床に散らかる
堂島「私はこの学校を良くしたいと思っただけだ!それなのに皆して非難して…!もう我慢ならん!こんなクズみたいな学校なんて、辞めてやる!」
?「辞めるなんて、もったいないことしない方がいいよ?」
堂島「!誰だ!?」
突然声がした
見ると、校長の椅子がクルッと回転した
いつの間にか、そこにゾディアックの獅子座の幹部のウィリアムが座っていた
ウィリアム「こんにちは」
堂島「なんだ?貴様は!」
ウィリアム「ちょっとお話、聞かせてもらったよ」
堂島「なに?見たところ、うちの学校の生徒では無いな!?不審者として訴えるぞ!」
ウィリアム「どうぞ?でもそんなことしたら、貴方を助けることが出来なくなるけど?」
堂島「?…どう言うことだ?」
ウィリアム「“見下されるより、すぐにでも見下したい”って方法があるって言ったらどうする?」
堂島「…なんだと?」
ウィリアムの言葉に興味を持ったのか、堂島は耳を傾ける
それに気付いたウィリアムはニヤッと微笑み、話を淡々と続けた
ウィリアム「その方法を使えば、貴方はすぐ権力者になれるよ。話が通じない若い校長も、反抗する教師達も、生意気な生徒達も全員、貴方に跪く。絶対服従で誰も貴方には逆らえない」
堂島「…そんな上手い話があるわけ…」
ウィリアム「それがあるんだよなぁ。貴方自身にも、すごい力が与えられる事も可能なんですよね」
堂島「すごい力だと?」
ウィリアム「どうです?欲しいと思いませんか?僕だったら欲しいですね。なんたって、辞めるよりも一泡ふかせたいって思いますし」
堂島「!…それは…」
ウィリアム「だって悔しくない?ただ上の命令に従って、謹慎にされて、嫌だから辞める、なんて…」
堂島「…」
ウィリアム「…実は僕もね、昔いじめられたことがあったんだよ」
堂島「え?」
ウィリアムの声のトーンが低くなった
表情も暗くなる
ウィリアム「中学生の時に、権力を持った奴がいてね。どういうわけか、理不尽な理由でいじめられてね。それもクラス全員で、担任も助けてくれなくて…もう死にたいくらい辛かったよ」
堂島「そ、そうなのか…?」
ウィリアム「その時は、親の事情で転校することになったんだけど…辞めるとなると、すごく悔しいって思うようになっちゃって。本当にこのままでいいのか?って考えたんだ」
堂島「…」
ウィリアム「そして考えたんだ。どうせ辞めるなら、あいつらに復讐したいってね。最後の最後で、嫌と言うほど分からせてやりたいって…!でも、結果は実行する前に引っ越すことになって出来なかったんだ」
堂島「そうだったのか…それは残念だな…」
ウィリアム「そう…。だから貴方もきっと、後悔するんじゃないかと思って、言ったんですよ。どうせ辞めるなら、気分良く終わらせたいですよね?」
そう言うと、ウィリアムは首に着けている“蝶の虹”のネックレスを翳す
ハートレスが出てきた
堂島「…!」
ウィリアム「怖がらないで?それは貴方に、最高の力を与えることが出来ますよ。ほら、もっとこっちに…!」
ハートレス『イヒヒヒ…!』
ハートレスは堂島の胸を貫いた
心の光の球を取る
堂島「…!」
ウィリアム「…“エンペラーレオ”。君に絶対服従の力を与えるよ。その力で、この学校を支配するがいい…!」
堂島「もちろんだ…!この学校…いや王国は私の物だ!」
ハートレスがアンプルと化した
それを自分のネクタイに打ち込んだ
ウィリアム(…ククク、まんまと話に乗せられたね。いじめられたなんて、嘘に決まってるじゃん。でもまぁこれで…ハートレスが誕生したって訳だねw)
ハートレスに背を向けて、豪快に舌を出して笑った