12月も下旬に入り、街はすっかりクリスマス一色になった
今夜は待ちに待ったクリスマスイブ
温かく煌めくクリスマスツリーやイルミネーション
甘いケーキの香りや香ばしいチキンの香りが漂う
家族で過ごす者もいれば、恋人や友達と過ごす者もいる
そして、この家では…
タテハ「だぁー!また負けたぁー!」
番伴「タテハ兄ちゃん弱ーい!」
宝児「また俺らの勝ち~!」
仙一「はーい、カードもらうね~!」
タテハが従兄弟の宏一から“SOS”を受けて、クリスマスに遊びに来ていた
菊乃「えぇ、そうなのよ輝子ちゃん。こっちは大丈夫よ」
宏一の彼女で、もうすぐ妻になる菊乃は宏一の双子の姉である輝子に電話をかけていた
輝子『ごめんねー、急にお願いしちゃって!本当は仕事お休みだったはずなのに仕事入っちゃって…!ダーリンも仕事で…!』
菊乃「いいのよ、仕事なら仕方ないわ。お仕事頑張ってね」
宏一「菊乃ちゃん、ちょっといい?」
と、宏一は菊乃と電話を変わった
宏一「あのさー輝子、お前何回うちに預ければ気が済む訳?うちは預かり所じゃねぇんだよ!」
輝子『いいじゃないの!あんた近くに住んでいるんだし、お泊まりセットも持ってったでしょ?』
宏一「そー言う問題じゃねぇんだよ!こっちはもうすぐ結婚式の準備とかあるのに!」
輝子『だから悪かったって謝ってるでしょ!それよりうちの天使達にプレゼントよろしくね!あといじめないでね!』
宏一「誰がいじめるか!大体お前が…」
輝子『ごめん!仕事に戻るから!』
と、電話を切られてしまった
実は宏一は菊乃と2人だけのクリスマスを過ごす予定だったのだが、突然輝子が仕事が入ったから自分の子供達を押し付けてきたのだ
好き放題に遊ぶ子供達に限界だったのか、宏一はタテハを呼んだのだ
タテハ「大変ですねー輝子さん、仕事入ったみたいで」
宏一「どーだか、自分が面倒見たくなくて置いてったと思うけど(-""-;」
菊乃「そんなこと言っちゃダメよ?輝子ちゃんだって休日はママさんやってるし」
タテハ「確か旦那さんも仕事なんですよね?大変だな~」
宏一「折角クリスマスを菊乃ちゃんと2人っきりで楽しむ予定だったのに…」
菊乃「まぁまぁ、多い方も楽しいでしょ?はいココア」
宏一「ありがとう…っ」
タテハ「俺、あいつら寝かせて来ますよ」
宏一「お、もうこんな時間か。大丈夫か?」
タテハ「大丈夫ですって」
タテハは番伴達に声をかけた
今の時間は9時15分
クリスマスとは言え、5歳の子供達はもう寝る時間だ
タテハ「はーいお前らもう寝るぞー」
番伴「え~、まだ眠くないよ~!」
宝児「サンタさん来るまで起きてる!」
仙一「サンタさんからプレゼント来たら寝る~!」
タテハ「起きてたらサンタさん来ないって。遅くまで起きてたりいたずらばっかりしてたらプレゼントもらえないぞ?」
番伴「いいもん!俺達良い子だし!」
宝児「いたずらもしてないもん!なっ!」
仙一「うんうん、それはエルフがやったんだもん!」
タテハ「エルフ?妖精の?」
宏一「はいはい、エルフのせいにしないの。ほら布団に入って入って」
と、宏一も参戦し、番伴達をひょいっと担いで布団に入れた
宝児「眠くないよ~」
宏一「お前らはそうかもだけど、もう夜だからな。明日起きたらプレゼントあるかもしれないからもう寝ろよ?」
仙一「え~、今もらいたい」
タテハ「明日の方がいいだろ?おやすみ」
と、タテハは電気を消した
宏一「ふぅ~、やっと落ち着いた」
菊乃「お疲れ様」
タテハ「ところで、あいつらエルフってよく知ってますね」
宏一「あーそれな、えっと…」
宏一は輝子から預かったバックの中に手を入れた
何か探しているみたいだ
菊乃「エルフって?」
タテハ「妖精の事ですよ。耳が尖ってて、小人みたいなのが特徴ですね」
菊乃「小人なら知ってるわ、白雪姫に出てきた7人の小人の事でしょ?」
タテハ「いや、あれはエルフと言うよりはドワーフですよ」
菊乃「?…何が違うの?」
タテハ「うーん、なんて説明すりゃいいか…」
宏一「あったあった」
宏一はバックから1冊の絵本を取り出した
『いたずらエルフのクリスマス』と言うタイトルだった
宏一「輝子が言うには、旦那さんが買ってきてくれたこの本の影響かもしれないって」
タテハ「へぇ…何々?いたずら好きのエルフがクリスマスの街に出ると、クリスマスを楽しめない子供と出会ったって話か」
菊乃「あら、クリスマスを楽しめないなんて…」
宏一「これシリーズ化されててさ、気に入ったのか旦那さんがめっちゃ買ってきたんだよ。それであいつらがいたずらをすれば、すぐエルフのせいだって誤魔化すんだよ」
タテハ「アハハ…なんて言い訳(笑)」
菊乃「あらら、妖精なのに本当にいたずらが大好きって顔してるわね」
宏一「さて、あいつらも寝たと思うし…」
トタトタトタトタ…
宏一「…ん?」
番伴達が寝ている部屋から物音がした