新アゲハ ~第26話 綾辻 黎3~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、悲しみ、怒り、絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。
※趣味で書いてます。※誤字脱字多いです。



仁「くっそ…!ご丁寧にグルグル巻きやがって…!」

アランに捕らわれたタテハと仁
仁は拘束を解こうと力を入れるが、なかなか解けない
エスポワールがあれば逃げ出す事が出来るが、仁の物は宏一が、タテハの物はアランが預かっている

タテハ「ねぇ仁…」

仁「あ?」

タテハ「俺ら…どうなるのかな…?」

タテハは不安になっていた
エスポワールも無く、拘束され、逃げ出せない状況、10年前に1度体験した事がある
その記憶が頭に過っているのか、少し震え出した

仁「…タテハ、あのアランって奴…リルカの手下って言ってたよな?」

タテハ「え?あぁ…」

仁「どんな奴なんだ?詳しく教えてほしい。無理なら…聞かないけど」

タテハ「……大丈夫だよ、もう10年も前だし…」

タテハはアランの知ってる限りの情報を話した

イギリス出身のマジシャンにして、性格は卑劣
しかも目が黒目で、その目を見た人物を操る事が出来るなど、話を終えると聞いていた仁は落ち着いて頷いた

仁「…そうか…それは災難だったな」

タテハ「10年は逃げていたとは思わなかった…。と言うか、福島にまだいたなんて…」

仁「さっきの攻撃といい…只者じゃねぇな。あいつ」

アランの攻撃を見て、普通の殺し屋では無いと思った

仁「……“カラパス”があればな……」

タテハ「…?カラパス?」

すると仁の口から何かの名前が出てきた
仁は説明した

仁「…カラパスってのは、アゲハ族のエスポワールの中で特殊なエスポワールだよ」

タテハ「え?なにそれ?」

仁「通常エスポワールはアクセサリーやアイテムなどにスイッチを入れると1つの武器になるだろ?カラパスは、1つなのに3つの武器になれるんだ」

タテハ「そうなの?」

仁「セイバー、マグナム、ハンマー…戦闘スタイルを簡単に変える事が出来るし、使わない時は、亀のロボットになるんだ」

タテハ「亀の…ロボット?あ、甲羅って英語でカラパスって言う!それでか!」

仁「さらに言えば、そのカラパスはロボットだから自由に動くことが出来る、“動くエスポワール”として、活躍するんだ」

タテハ「なにそれ…!そんなのあるなら早く見せてほしいよ!」

仁「そう簡単には見せられねぇよ。だってそれ…綾辻先生のエスポワールなんだから」

タテハ「え…」

カラパスと言うロボット型エスポワールは、綾辻黎の物だと知り、言葉を失った
仁はまだ続けた

仁「…あの人、俺らにエスポワールを見せなかったろ?まぁファントムとして動いていたから見ることも出来ないか」

タテハ「綾辻先生のエスポワール…そう言えば、前にエスポワールの話をするなって言ってたよな?前にとある組織を調べてて、その敵と接触して瀕死に追い込んだって…」

仁「あぁ…カラパスは、凶暴なんだよ」

タテハ「凶…暴?」

仁「カラパスを作ったのは、今のアゲハ族の最高幹部のアリノスって人の師匠なんだ。今は寿命で亡くなったけど…その人が作ったカラパスには、化石が埋め込まれていたんだ」

タテハ「化石?何の?」

仁「アーケロンって知ってるか?古代の亀」

タテハ「あっ…聞いたことある。え?その化石が本当に中に?」

仁「あぁ、その化石があるせいか…カラパスを使う人は暴走状態になるんだ。正常に保った人なんて今までにいない。皆身体の一部を失うか、最悪死んだ人もいた」

タテハ「え…⁉」

仁「本来なら封印するか処分も考えた。けど、アゲハ族の中で適合率が1番高い人物だけが使用する事を認められた。またアーケロンの化石も取り除いたんだが、別のエスポワールとして、2つに分かれたんだ。2つ揃うと暴走してしまうけど、1つだけだと、暴走を抑えることが出来たからな」

タテハ「適合率が1番高い人物…それが先生なのか?」

仁「らしいな。けど先生は、その前に話したとある組織の敵と接触して、瀕死に追い込んだ。その時使ったのがカラパスだった。敵の事は分からないけど、カラパスを使った後の先生は…ものすごく震えていた」

タテハ「そ、そんなことが…」

仁「お前が転校してきた時、いなかったろ?休職とか言って。実はそん時、本当に治療していたんだよ」

タテハ「そうだったんだ…」

何故かこの機会に、黎の事を知ることが出来た
だが仁は、まだ納得行かない顔をしている

仁「どうしてあんな人が…ファントムなんて…」

タテハ「仁…」

アラン「…ふーん、そう言う事か」

2人の様子を見に来たアランは、影で話を聞いていた
話が終わった所を確認すると、その場を離れる

昼間にタテハ達と戦って汚れ、雨が降りだして濡れた事もあったので、アランは着替えることにした
黒いYシャツに深紅が入ったコート、髑髏や骨の形をしたアクセサリーを身に付ける
以前は黒目隠しにアイマスクを付けていたが、今は付けない様にした

アラン「今頃アゲハ族の連中…俺の“軽い催眠にかかった”にも気が付かず、第3倉庫に行ってるかもな。残念だけど、そこにはいねぇんだよ」

…ガサッ!

アラン「…!」

どこからか足音がした
アランは鋭いスペードのエースのカードを取り出す
誰かがやってきたのかと、物音がした方に向かい、カードを向けた

…カチャッ!

アラン「!」

アランがカードを伸ばした瞬間、目の前に銃口が向けられた
見ると、そこには意外な人物が立っていた

カイト「…やぁ、久し振りだね」

アラン「……カイトか」

司波カイトだった
カイトは銃を退き、アランはカードを片付ける

アラン「何の用だ?」

カイト「一体何をする気なの?あの2人捕まえてさ」

アラン「へぇ、お前知り合いか」

カイト「知り合いって言うより…最近会ったばかりの黎の教え子だから」

アラン「ふーん。んで?お前はなんでここに?」

カイト「いや、君に忠告しておこうかなって」

アラン「あ?」

カイト「黎の事…」