駅前から離れた場所に到着した
タテハ(うーん…まだ来ないのか…)
タテハはスマホを見ていた
まだ誰からも連絡が来ない
タテハ(もしかしたら…本当に誕生日パーティーなんてやらないのかな?)
誰からも連絡が来ないことに少し不安になってきた
そもそも夏休みに入る前からソワソワしていた事が気になっていたが、自分の気のせいかもしれない
本当は、誕生日パーティーなんてやらないと思ってしまった
タテハ(まぁ…この歳で誕生日パーティーってことも変だよな…)
ジェシー「先程から何をしているんだ?」
タテハ「!」
ジェシーが目の前に現れた事に少し驚く
タテハ「ジェシーさん…」
ジェシー「もしかして、誰かと待ち合わせでもしているのか?携帯ばかりを見てるじゃないか」
タテハ「え?い、いやこれは…」
ジェシー「正直に言え」
タテハ「えっと…」
「誕生日パーティーの知らせを待っている」
と本当は言いたかった
だがパーティーが開催される確信は無いし、目の前に最高幹部がいるのに抜け出すわけにも行かない
タテハは別の答えを言おうとした
その時、タテハのスマホにメッセージが入った
タテハ「おっ…!」
それは仁からだ
仁『タテハ、今大丈夫か?○×公演で怪我人が出たんだ。すぐに1人で来てくれ』
タテハ「怪我人…⁉」
ジェシー「どうしたんだ?」
タテハ「あ、えっと…仁から要請です。今から来てほしいって」
ジェシー「何があった?」
タテハ「怪我人が出たって…」
ジェシー「何だと?なら行きなさい、私は大丈夫だ」
タテハ「え?で、でも…」
ジェシー「ここからは地図を見て歩くよ、それも旅の醍醐味だからな」
タテハ「す、すいません…!戻りますから!」
そう言うとタテハは走って行く
その時、キャンディー缶を落としてしまった
タテハは気づかずに行ってしまった
ジェシー「タテハ…!全く…」
ジェシーはタテハが落としたキャンディー缶を拾う
ジェシー(…!重い…?)
キャンディー缶を持つと、重さを感じた
中身を開けると、ハッカ飴がたくさん入っていた
ジェシー(減ってない…まさか、タテハの奴…!)
ジェシーは気付いた
ハッカ飴が減ってないと言うことは、美味しくないと同じ
タテハは本当は嫌いだったのに、「美味しい」と嘘をついたのだと…
ジェシー「ハァ…なんてことだ」
ジェシーはショックを受けたのか、がっかりな顔をした
その様子を、あの人物は見ていた
ファントム「大切な部下に裏切られた人物…しかもアゲハ族の最高幹部とは嬉しい知らせだな!」
そう言うとファントムは蝶の虹に手をかざし、ハートレスを産み出す
ファントム「さぁ行け、私の僕よ。ハートレスの時間だ…!」
ハートレス『イヒヒヒ…!』
ハートレスは影を辿り、ジェシーのところへ向かう
ジェシー「はぁ…さて、色んなところに行くか。っと、どこに地図があるのかな…?」
ジェシーは地図を探していると、背後からハートレスが近付く
そして思いっきり心を貫いた
ジェシー「…!」
ファントム『“ベファーノ”、私の名はファントムだ。あなたに力を与えよう。良いことと悪いことをよく見分ける力をだ…。その代わり、内海仁が持つエスポワールを取ってきてもらいたい。いいか?』
ジェシー「…私に命令するとは何者だ?まぁいいだろう、少しムシャクシャしていたんだ。その力を解放してやる」
と、ジェシーはアンプルと化したハートレスを手にする
手に持っているキャンディー缶に思いっきり撃ち込んだ