アゲハ ~第66話 アンク・キキーモラ5~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、悲しみ、怒り、絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。
※趣味で書いてます。※誤字脱字多いです。



ーアンクの妹
 リンダ・キキーモラ(28)ー

アンクの妹はリンダと言い、アンクとは7歳差だ

アンク「おはよう、リンダ」

リンダ「お兄ちゃんおはよう、良く眠れた?」

アンクが泊まった翌日、家族4人で朝食を食べる
バターの香りがするクロワッサンが主役だ

アンク「…あ、このクロワッサン美味しい」

父親「分かるか?そこの“トム&サビーヌのブーランジェリーパティスリー”から買ってきたんだ」

リンダ「あ、私あそこのマカロン大好き!しかもパリで1番のパン屋さんよね!」

アンク「うん、コーヒーに良く合うよ」

母親「たくさん食べてね」

リンダ「そう言えばお兄ちゃん、最近はどこの国行ったの?」

アンク「!」

リンダから職業の話を聞かれた
家族はアンクが死刑執行人だと知らない
通訳と嘘をついているため、ありもしない話をし出した

アンク「あぁ…最近は隣のドイツに行ったよ(昨日の刑務所がそうだったからな…)」

父親「本当か?」

アンク「うん、結構通訳も忙しくてさ。でも色んな国を見れるから楽しいよ(ほとんど刑務所巡りだけどな)」

母親「しばらくは仕事無いの?」

アンク「そうだね…俺の他にも通訳はたくさんいるし、予定(死刑執行)はしばらく無いからパリを歩いているよ」

リンダ「えぇ~、お兄ちゃんいいなぁ。休みで」

アンク「そうか?」

父親「リンダは今、重大なプロジェクトの主任を担当してるもんな」

アンク「何?どんな?」

リンダの職業は、ファッションに関する仕事だ
今は有名なブランドの『Audrey』の課長の立場で、重大なプロジェクトを担当している

リンダ「もう毎日大変だよ、アイディアを考えたり、会場の手配とか、取引先の取引とかね」

アンク「そんなに大変なのか」

リンダ「でも楽しいよ?私にはたくさんの仲間がいるし、後輩を可愛がってるし、何より大好きな服を扱える仕事をしてるからね」

アンク「それは良かった」

リンダはファッションの世界でトップになることが夢だ
自分とは全く別の道へ進んでいるが、アンクにとって、それは嬉しいことだ
リンダの夢が叶ってほしい

この時ばかりは、そう思っていた

それからしばらくして、アンクに次の仕事が近付いていた時の事だった

アンク「もうすぐ仕事か…」

予定表を見ながらパリの街を歩き、その足でいつの間にか教会に到着した

アンク「…う、死神で死刑執行人の俺が来るとこじゃねぇな……ん?」

アンクが教会の敷地内を覗くと、黒い服を着た人達が集まっていた
良く観ると、細長い箱に囲むように立っている

葬式だった
誰かが無くなったんだろう

アンク(……可哀想にな……)

アンクは通り過ぎようとしたが、ある夫婦を見つけた

妻「うっ…ううっ…!」

その妻の方は、泣いていた
夫は妻を支えるかの様に歩いていた

アンク(うわっ…)

妻「ごめんね……ごめんね…っ」

夫「落ち着け、自分を責めるんじゃ無い」

妻「でもっ…!話さえ聞いていれば…!」

夫「あぁ…涙を拭きなさい。服が台無しになるぞ?」

アンク「あの…使ってください」

話をかけたく無かったが、アンクは妻の方にハンカチを出した

妻「!……す、すみません……っ」

夫「すみません……恥ずかしいところを……」

アンク「ちっとも恥ずかしく無いですよ。御愁傷様です」

夫「……うちの娘でね」

夫が細長い箱・棺桶を見て話し出した

夫「つい最近まで、有名なファッションブランドの会社で働いていたのですが……こんなことになるなんて……」

アンク「……何かあったんですか?」

妻「……私達が……行けないんですっ…!」

妻の口が開く

夫「あぁこら…無理に話さなくても…」

妻「私達が行けないんです…っ。あの子は会社で酷いいじめに遭っていて…、私達に相談して来たんです…っ。でも、私達は…酷い事を言ってしまって…っ」

アンク「会社でいじめに…」

夫「…後悔してます、あの時娘は“辞めたい”と言っていたんです。でも“いじめられてるのはお前に原因があるんじゃないか?”とか“舐めてるのか?”とあの子を責めてしまって…少しでもちゃんと話を聞いていればこんなことに…」

アンク(パワハラの自殺か…)

妻「うっ……!」

夫「…娘が遺書を残してくれまして、会社のプロジェクトに参加することになったが、責任者に酷くいじめられたと…」

アンク「そうだったんですね…」

妻「その“キキーモラ”って人…許せませんっ…!」

アンク「……え?」