アゲハ ~第65話 ヴァレンティーナ・ハスラー5~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、悲しみ、怒り、絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。
※趣味で書いてます。※誤字脱字多いです。



『女性に手を出してはいけない』

子供の頃から、父さんに言われてきた
1回だけ、その事で怒られた事があった

文月「どうして突き飛ばしたりした?」

葉月「…お母さんがいないって言われたんだ」

小学生の頃、同じクラスのボス的な存在である女子にバカにされた
葉月の母親を見たことがない、母親は離婚したのか、母親がいないのは可笑しいなど、様々な悪口を言われた葉月は頭に来て、突き飛ばしてしまった
しかも最悪なことに、その女子の後頭部が机の角にぶつかって、怪我を負わせてしまった

文月「さっきその子のお母さんから連絡があった。怪我を負わせたそうだな?軽傷だったみたいだが、怒っていたぞ?」

葉月「け、怪我をさせるつもりは無かったんだ…!でも…!」

文月「葉月、自分が何をしたのか分かっているか?下手したら大変なことになっていたかもしれないんだぞ?」

葉月「っ…ご、ごめんなさい…!」

文月「私に謝るんじゃ無くて、その子にちゃんと謝りなさい。それにどんな理由であれ、女の子を傷つけるのはよくない事だ」

葉月「だって…悔しかったんだっ…!お母さんがいないなんてっ…!」

文月「葉月…お前の気持ちは分からなくない。だが、自分より弱い女の子を傷つけてはダメだ」

葉月「どうして?パパは悔しく無いの?」

文月「悔しい。お母さんがいない事は葉月に辛い思いをさせてしまっていたな。本当にすまない」

葉月「パパ…」

文月「でも良く聞いて?男の子と違って、女の子はそんなに強くないんだ。今は活発に動いたりするかもしれないけど、成長すると弱くなってしまう。例外もいるかもしれないが、女の子をいじめたりしちゃダメだ」

葉月「う…ん」

文月「…まだ葉月には分からないか、でもその内分かる日が来るよ。だけど女の子には、絶対に手を出しては駄目だぞ?明日は必ず、謝って来なさい」

葉月「うん…っ」

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ヴァレンティーナ「さぁ!貴方の心を、射たせてもらいますわ!」

ヴァレンティーナは球を出し、棒を構えた

葉月「また同じことを…!」

ヴァレンティーナ「いいえ!こうなったら連打ですわ!」

葉月「!」

球は良く見ると9個ある
ヴァレンティーナはビリヤード同様に打ち出した

ヴァレンティーナ「必殺!“数射ち当たる”!」

カァンッ!

カコンカコンカコンカコンカコンカコンカコンッッ!

葉月「っ!」

襲いかかってくる球に葉月は避けるが、先程とは違って腕や足に掠り出す

ヴァレンティーナ「この状況でまだ避けられるとは…!その眼はすごいですわ…!」

葉月(…どういうことなんだ…?)

葉月は先程のヴァレンティーナの話を聞いて、不思議に思ったことがあった

ヴァレンティーナの母親・パトリシアが殺されたのは12年前と言っていた
しかもパトリシアが殺された後、すぐに文月も事故で亡くなった

葉月(一体いつなんだ…?父さんがその時、イタリアに行っていたなんてあった?あの時はずっと長野にいたはずなのに…!)

球を避けながら考える葉月

葉月(待てよ…!)

その時だった

ガッ!

葉月「っ!」

ヴァレンティーナ「あら」

葉月のこめかみに球が当たった
意識は奪われないが、激痛が下った

その時、葉月の脳裏に何かが浮かび上がった

?『…た、助けて…っ』

葉月「…⁉」

フッと同時に発動していた緋眼は消えた

葉月「今のは…?」

ヴァレンティーナ「どうなさりましたの?」

葉月「…ねぇ、1つ聞いてもいい?」

ヴァレンティーナ「え?」

葉月「君のお母さんが殺されたのって…12年前のいつのこと?」

ヴァレンティーナ「!…どうしてその質問をするのですか?」

葉月「僕の父さんが…本当にイタリアにいたのか知りたくてさ。その頃僕は8歳だった。いつイタリアにいたのか…」

ヴァレンティーナ「居ましたわよ、私も確認していますわ!あれは…8月○日の夜でしたわ!」

葉月「…!嘘だろ…⁉」

日付を聞いて、葉月はある答えにたどり着いた

12年前の8月○日、それは文月が仕事の出張のために家を出ていた時だった

葉月(そんな…あの時は仕事だと聞いて…!本当はイタリアに…⁉)

ヴァレンティーナ「…?」

葉月(でもなんで…?なんでイタリアにいたんだ?僕に出張だと嘘ついてまでどうして…⁉)

ヴァレンティーナ(固まった?…でも、これはチャンスですわ!)

考え込んでいる葉月を見て、ヴァレンティーナは球を構えた

ヴァレンティーナ(卑怯だと言われても構いませんわ!お母様の復讐が出来るならそれで…!)

葉月の脊髄を狙い、撃ち出した

ヴァレンティーナ「“魂”突きぃいっ!」

カァンッ!

だが、その時だった

ズガァンッ!

ヴァレンティーナ「!」

葉月「え?」

突然の銃声、飛んできた弾丸により、球は軌道を変えた
それは葉月の脊髄に当たらず、葉月のこめかみに再び当たってしまった

葉月「―!」