ヴァレンティーナ・ハスラー(27)
彼女はイタリア人で、ビリヤードの世界大会で優勝経験のある女性だ
だが彼女には悲しい過去があった
12年前のイタリア…
イタリアで世界ナインボール選手権が行われていた
世界ナインボール選手権とは、ビリヤードの世界大会で、各国を代表したハスラーが集まる
各国の強力選手が出場する中、決勝戦まで勝ち残り、優勝に輝いたのは…
カコォンッ!
実況「決まったぁ!な、なんと…!優勝は今大会が始まって以来、初めての女性ハスラー!“パトリシア・ハスラー”!」
「オオオオオーーーーッ!」
会場から歓声が響く
優勝したのは、初の女性だった
ー世界ナインボール選手権の女王
パトリシア・ハスラー(当時40)ー
?「お母様!」
優勝が決まった途端、ある少女がパトリシアの元へと駆けつけた
パトリシア「ヴァレンティーナ!」
ーパトリシアの娘
ヴァレンティーナ・ハスラー(当時15)ー
ヴァレンティーナ「お母様!おめでとう!」
パトリシア「ありがとうヴァレンティーナ、見に来てくれたのね」
ヴァレンティーナ「もちろんですわ!お母様の大切な世界選手権ですもの!」
大好きなパトリシアに抱きつくヴァレンティーナ
ヴァレンティーナが幼い頃に両親が離婚し、それからはパトリシアが女手1つでヴァレンティーナを育てた
優しい時も、悲しい時も、時には叱ってくれた事もあった
ヴァレンティーナが反抗期の時は、正面から立ち向かってくれた
そんなパトリシアは、ヴァレンティーナにとって誇りだった
それは母親としても、アゲハ族としてもだ
パトリシア「あら?私が上げたビリヤードの棒…武器を使ったの?」
ヴァレンティーナ「あ…ごめんなさい。これは柄の悪い連中が女性を囲んでいて…」
パトリシア「もう…人前でやらないでって言ったのに…。他に見られてない?」
ヴァレンティーナ「大丈夫ですわ」
パトリシア「もう」
ヴァレンティーナの行動にため息をつく
パトリシアはアゲハ族で、父親と離婚する時にアゲハ族を知った
と言うのも、父親はDV夫で自分が上手く行かないと気が済まない性格だった
パトリシアは身体や精神的な暴力を振られ、もう限界だと思った彼女は、死のうとしていた
だがそこをアゲハ族の仲間が助けてくれた
おかげで父親のDV騒ぎは明るみになり、無事に離婚をすることが出来た
それからパトリシアはアゲハ族だが、ヴァレンティーナが10歳過ぎた時からヴァレンティーナもアゲハ族となった
『優勝は、イタリア代表パトリシア・ハスラー』
パトリシアは優勝の証である金のトロフィーをもらった
それを受け取ると、ギュッとヴァレンティーナを抱く様に包んだ
ヴァレンティーナ「わぁ綺麗ですわ!」
パトリシア「本当!苦労した甲斐があったわ~」
ヴァレンティーナ「今日はもうお祝いですわ!」
パトリシア「そうね、楽しみだわ」
優勝した今夜はお祝いのパーティーの始まりだ
ヴァレンティーナ「お母様の大好きな魚介のピッツァを用意していますわ!」
パトリシア「ありがとう。ちょっとこれから写真撮影があるから、先に帰ってて?」
ヴァレンティーナ「分かりましたわ!」
そう言ってパトリシアとヴァレンティーナは別れた
この時の事を、ヴァレンティーナは何度も後悔した
どうして一緒に帰らなかったんだと…
?「…見つけた…」