アゲハ ~第58話 朴 青龍・白虎5~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、悲しみ、怒り、絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。
※趣味で書いてます。※誤字脱字多いです。



村を追い出されても、双子には生きる理由があった
どっちかが死んだら、どっちかが1人ぼっちになってしまう
それだけは避けたかったのだ

双子は山奥の村を出て、住む場所を探すため、歩き出した
近くの町まで歩いた

「双子…⁉」

「双子だって…⁉」

「忌み子だ…!」

だが、その町でも双子だと言うことで追い払われてしまった
次の村も、町も「双子は忌み子」という事を理由に、住む場所なんて与えてもらえなかった

白虎「…青龍…」

青龍「ん?」

白虎「なんで双子で産まれてきたのかな…?産まれなかったら…簡単に住むところが見つかったのに……。お母さんだって…」

青龍「止めろよ!そんな事言うの!」

白虎「だってぇ…っ」

白虎の顔は泣きそうだった
泣きたいのも無理はない

村や町に着いてもどこも双子をジロジロと睨み、陰口を言う住人ばかり

さらに住み処を見つけるため、村や町を歩き続けたが見つからず、足がボロボロになって行く一方だ
もう、足は泥だらけで筋肉痛で痛過ぎる

白虎「もうヤダよぉ…っ(;つД`)」

青龍「…大丈夫だよ白虎、僕がいるよ。僕も頑張るからさ…!」

青龍は白虎の手を引いて進む
兄だからしっかりしないと…

だが本音を言えば自分の足も痛い
進む度に足が悲鳴を言っているみたいだ

それでも痛みに絶えて進まないと思った
少しでも進んで住み処をみつけるため、少しでも弟を休ませたいため、少しでも安心したいため…

…ドサッ

気が付けば、村を追い出されてから2週間近く立っていた
双子は、森の中で倒れてしまった

歩き続けて、住み処を探し続けたせいか、体が限界に達していた
それにここ数日何も口にしていない
食料も水も、何もだ

青龍(もう…ダメだ…っ)

白虎を助けたかったが、白虎も倒れている
自分も体が動かない

青龍(きっとこのまま…母さんみたいに死んじゃうのかな…?)

意識が遠退く中、青龍はそう思った
そして目をゆっくりと閉じた…

青龍(母さん……)

だが、奇跡が起こった

青龍「………っ」

気が付くと、ある建物の天井が映った
頭や身体を支えるふかふかのベット、手や足には包帯と湿布、そして微かに漢方薬の匂いがした

医者「気が付いたかい?」

そこにやって来たのは医者だ
そしてその後ろには、自分と同じ様に寝ている白虎の姿があった

青龍「ここ……は?」

医者「病院……と言っても小さな病院だ。私はここで院長を勤めている。近くの森に漢方薬になる薬草を取りに行ってたら、君らを見つけてね……」

その医者に命を救われた
医者はアゲハ族だったのだ

「双子は忌み子」だと決めつけはしてなく、双子を治療した
足を診てくれたり、汚れを落としてくれたり、食事も与えてくれた

この医者は双子を育てることにした
青龍から事情を聞いた医者は懸命に2人を1人前の大人に育て上げた

さらにこの医者は漢文の達人でもあった
もし2人が襲われるような事があった時のために、漢文を教えた
読み込みが早い双子はすぐに覚えた

また双子に笑顔が戻ってきたのだ
ここまで歩いてきた事が報われた
辛かったこともあったが、やっと笑顔を取り戻す事が出来た

20歳になると、双子は立派な大人になった
医者からアゲハ族の事を知り、双子はアゲハ族に加入するが、それと同時に医者は年のせいでこの世を去った

だが双子は前に進むことを決意した
もう「忌み子」なんて言われても傷つかない
これからは2人で1人として、一心同体として生きていこうと決めた

そんな矢先だ
あの人物と出会ったのは……






大雅「君らの話は聞いているよ」