村を追い出されても、双子には生きる理由があった
どっちかが死んだら、どっちかが1人ぼっちになってしまう
それだけは避けたかったのだ
双子は山奥の村を出て、住む場所を探すため、歩き出した
近くの町まで歩いた
「双子…⁉」
「双子だって…⁉」
「忌み子だ…!」
だが、その町でも双子だと言うことで追い払われてしまった
次の村も、町も「双子は忌み子」という事を理由に、住む場所なんて与えてもらえなかった
白虎「…青龍…」
青龍「ん?」
白虎「なんで双子で産まれてきたのかな…?産まれなかったら…簡単に住むところが見つかったのに……。お母さんだって…」
青龍「止めろよ!そんな事言うの!」
白虎「だってぇ…っ」
白虎の顔は泣きそうだった
泣きたいのも無理はない
村や町に着いてもどこも双子をジロジロと睨み、陰口を言う住人ばかり
さらに住み処を見つけるため、村や町を歩き続けたが見つからず、足がボロボロになって行く一方だ
もう、足は泥だらけで筋肉痛で痛過ぎる
白虎「もうヤダよぉ…っ(;つД`)」
青龍「…大丈夫だよ白虎、僕がいるよ。僕も頑張るからさ…!」
青龍は白虎の手を引いて進む
兄だからしっかりしないと…
だが本音を言えば自分の足も痛い
進む度に足が悲鳴を言っているみたいだ
それでも痛みに絶えて進まないと思った
少しでも進んで住み処をみつけるため、少しでも弟を休ませたいため、少しでも安心したいため…
…ドサッ
気が付けば、村を追い出されてから2週間近く立っていた
双子は、森の中で倒れてしまった
歩き続けて、住み処を探し続けたせいか、体が限界に達していた
それにここ数日何も口にしていない
食料も水も、何もだ
青龍(もう…ダメだ…っ)
白虎を助けたかったが、白虎も倒れている
自分も体が動かない
青龍(きっとこのまま…母さんみたいに死んじゃうのかな…?)
意識が遠退く中、青龍はそう思った
そして目をゆっくりと閉じた…
青龍(母さん……)
だが、奇跡が起こった
青龍「………っ」
気が付くと、ある建物の天井が映った
頭や身体を支えるふかふかのベット、手や足には包帯と湿布、そして微かに漢方薬の匂いがした
医者「気が付いたかい?」
そこにやって来たのは医者だ
そしてその後ろには、自分と同じ様に寝ている白虎の姿があった
青龍「ここ……は?」
医者「病院……と言っても小さな病院だ。私はここで院長を勤めている。近くの森に漢方薬になる薬草を取りに行ってたら、君らを見つけてね……」
その医者に命を救われた
医者はアゲハ族だったのだ
「双子は忌み子」だと決めつけはしてなく、双子を治療した
足を診てくれたり、汚れを落としてくれたり、食事も与えてくれた
この医者は双子を育てることにした
青龍から事情を聞いた医者は懸命に2人を1人前の大人に育て上げた
さらにこの医者は漢文の達人でもあった
もし2人が襲われるような事があった時のために、漢文を教えた
読み込みが早い双子はすぐに覚えた
また双子に笑顔が戻ってきたのだ
ここまで歩いてきた事が報われた
辛かったこともあったが、やっと笑顔を取り戻す事が出来た
20歳になると、双子は立派な大人になった
医者からアゲハ族の事を知り、双子はアゲハ族に加入するが、それと同時に医者は年のせいでこの世を去った
だが双子は前に進むことを決意した
もう「忌み子」なんて言われても傷つかない
これからは2人で1人として、一心同体として生きていこうと決めた
そんな矢先だ
あの人物と出会ったのは……
大雅「君らの話は聞いているよ」